音楽用CD等の流通に関する懇談会 議事録
62ページもある議事録(pdf)だけど、後の1/3は懇談会で提出された資料だ。まぁ、時間のあるときにでも読んでみて欲しい。
つまり、再販制度によって守られている日本の音楽CDが、さらに「還流防止」という手厚い保護を受けることに関して意見をお聞きしたいという趣旨で開かれた懇談会だが、みんなそれぞれ言いっぱなしになっている。まぁ懇談会だからしかたがないのか。
だいたい、法律を決めるときにちゃんと関係者にお伺いを立てずに強行するからこういうことになるのだ。
経緯はこういうことだ。日本に比べて物価水準が桁違いに安い東南アジアでは、そこでかってもらうためにCDの価格を安く抑えているのだが、そういう安いCDが日本へ戻ってきてしまうと、日本のレコードやさんが売れなくなって困ってしまうから、と言う理由でそういうCDを輸入禁止とする法律を作ってしまって、来年の1月1日からそれが効力を発揮する。
ところが、その法律の作り方も運用方法もいいかげんで、このままでは東南アジアのみならず、世界各地からの音楽CDの輸入も禁止されかねないのだ。
だいたい、日本では世界でも珍しい再販制度というものが音楽/書籍などの著作権対象物に対して運用されている。これはどういうことかというと、生産者が販売者に対して値段を決定する権利を持つということで、これはたしかに弱小出版社が希少な書籍を販売することを保護するには役に立っている。
再販制度がなくなると、レコード/CD店は売れ筋の商品だけを安い値段で多量に販売することになり、店には売れ筋商品しか置かなくなってしまう、というのだ。
いいじゃないか、と私は思う。レコード屋なんてみんな店を畳んでしまえ。本屋も同じだ。自分の欲しいCDをCD屋で見つけるのはむしろ珍しいくらいだし、本を買うならまず検索するのが常識だ。再販制度なんかやめてしまって、ネットワークで買えるようにすれば、再販制度なんかなくてもいいんじゃないのか?
だいたい、先に自分で書いておきながら、再販制度の仕組みがよく分からない。値段を下げないようにすることによって希少な本も流通できる? そうかな? 希少な本こそオークション形式のようにすれば適正な値段で流通できるのではないのか?
おりしも、うちの近所の本屋が10数年の歴史を終えて廃業した。駅前にできた大きな本屋がやはりダメージだったのだろう。本屋の後が何になるかと思えば熱帯魚屋さんだそうだ、そんな商売が本屋よりももうかるとは思えないのだが、まぁお手並み拝見だそれくらい持つかな?
熱帯魚はネットワークで商売するのは難しいかもしれない、ナマものだし。でも本やCDはもっとネットで気軽に買えるようにすれば、再販制度なんてなくてもいいんじゃないのかな? CDの現物を手にとりながら選ぶという楽しみもあっていいんだけど、検索イッパツで「おお、こんなのも出てたのか」というのも新しい醍醐味ではあるぞよ。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- セクシーなバス停で悩む(2018.04.16)
- 他人のギター改造で悩む(2018.04.15)
- 最新映画音楽で悩む(2018.03.11)
- 鼻笛で悩む(2018.03.04)
- リサイクルLPで悩む(2018.03.04)
コメント
なんか歯切れがいいなー。面白く読ませていただきました。
投稿: choco | 2004年10月 5日 (火) 00時20分
著作権ってのは間違いなく「ネット」のおもしろさを損なっている。でも、著作者の権利というのもわかるわけで悩ましいところだ。間に入って儲けている奴の中間搾取をなんとかできないのかな?一方では「唄歌うだけで金もうけできる時代ではなくなった」という声もあって、それもそうかも、と思う。
投稿: picks-clicks | 2004年10月 5日 (火) 09時10分