バタフライのレッスン
先々週の日曜日と言えば、日本中が選挙で沸いていたころだが、私は事前投票を済ませていて、この日は別のことに気を取られていた。水泳のレッスンを申し込んでいたからだ。
タダのレッスンじゃないよ。なにしろコーチしてくれるのがあの岩崎恭子先生だ。オリンピックの金メダリストだ。
申し込んだのは一週間前だった。平泳ぎのコースは満杯だったが、クロールとバタフライにはそれぞれ一人しか申し込んでいなかった。私は平泳ぎには全く興味がなかったので、クロールかバタフライにエントリすればほとんど個人教授みたいになる(実際、以前にもそういうレッスンを受けたことがあった)ことが期待できる。で、クロールには(少なくともフォームだけは)少々自信があったので、バタフライの方にエントリしたのだった。
ところが行ってみると、バタフライコースには12人がエントリしていた、その半数以上が「あんた恭子先生のおばあさん世代やないの!!??」というおばさんたちだった。レッスンはクロール、平泳ぎ、バタフライと言う順だったので、プールサイドで恭子先生を見つけて駆け込みで参加したらしい。事前にエントリしていたのは3名の男性受講者だけだったことを担当者が持っていたリストで確認している。
で、「では最初に私が四種目を泳いでおみせします」と恭子先生。25mずつだったが私は水中からの見学。目前50cmほどを恭子先生が泳いでいくわけだ。さすがにすいすいと力みもなく泳いでいく様は美しい。四種目泳ぎ終わると、レッスンに参加していない、プールサイドのほかの人たちからも大きな拍手が上がった。おいおい、君たちは講習に参加してないんだから、見学する権利はないんだけどなぁ。
次に「皆さんバタフライで泳いでみてください」ということで、全員が泳いでみせるのだが、ここで恭子先生は「だめだこりゃ」と思ったに違いない。「皆さん腹筋が弱いようですね。寝る前に10回でいいですから腹筋運動をして鍛えるようにしてください」とおっしゃったのだが、それを意訳すると「あんたたち、腹筋ができてないから全然駄目よ。でも突き放すわけにも行かないから、まぁコツくらいは教えてあげるけど、ちゃんと泳げるようになるのは腹筋を鍛えてからよ」と言うことだと思う。
で、あとはわりと細かい注意などをうけつつプールサイドに上半身を預けてバタバタやったりするわけだが、そこで私は足首の角度という、今まで気にしていなかったことを注意された。
つまり、私はサッカーで言うところのトゥ・キックのようにつま先をまっすぐに伸ばした形でドルフィンキックをやっていたわけだが、そうじゃなくて、くるぶしを外側に出した、どちらかというと足首を内また気味にしてキックするとよいということだった。この二つの様子を写真に示してみた。写真のモデルは私自身である。
しかしそんなことを言われても急にはできないのが水泳というものだ。手足のタイミングもそれほど悪いようではなかったし、腹筋もそれほど弱くはないのだが、しかしやっぱり頭のツッコミが弱くて、その反動としての息継ぎのための顔上げがうまく行かないことが多い。
先生がおっしゃるには「キックのけり上げで力を使うように」「キックは1、2、1、2で2の時(腕が水をかき終わったときのキック)に強く」「1、2、1、2は等間隔ではないから1を強く蹴ってしまうと2を強く蹴れなくなる」などなどだが、泳ぎ始めてしまうと、そんなことは全部忘れて今まで通りの泳ぎになってしまう。こりゃいかん。しかししかたがない。
というわけで、あれから2週間、プールでまずクロールのばた足を内またふうに改造することから始めてみた。うむ、たしかにその方がちゃんと水をかけている気がする。実際、私のクロールのばた足は、ほとんど効いていない(ばた足をやめてもタイムが落ちない)という欠陥バタ足だったのだ。今度またタイム測ってみよう。
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