dim7で悩む
dim7というコード(chord)は互いに短三度離れた4つの音からなる対称的な和音だ。対称的な、というのはどの音を主音としても成り立つということであって、例えばDdim7とAbdim7、Bdim7、Fdim7は同じ音から構成されるので、このコードを仲介にすると、コード進行を自由な方向へねじ曲げることができる。そういう意味で経過(passing)コードとして便利なんだけれども、時としてこれが「経過」ではなくて明示的なコードとして使われることがある。
その使われ方には2種類あると私は考えている(実際、dimコードには2種類のスケールがあるということが定説になっている)。一つはドミナントコードとしての使われ方。これはつまり7-9(あるいは7b9)で主音を省略してしまうとそのままそっくりdim7になってしまうので、ということなのだが、大半のdim7はこのタイプである。つまりG7というドミナントに対してb9であるAbで主音のGを置き換えてしまうとそれはそのままそっくりAbdim7になる、といった具合。この場合、アドリブをする立場から考えるとまさにG7-9で考えればいいので、何も問題はない。
ところが、dim7がそうでない使われ方をするときがしばしばある。これが困る。例えばキラー・ジョーのサビとか、ジョビンの曲にもしばしばそういうのがあって私を悩ませる。WAVEの二つ目のコードとか、Corcovadoのこれまた二つ目のコードだ。
これを私はm6-5と呼んでいて、実際そういう風に処理しようとしているのだが(スケール的にもそうなるのだが)、これでアドリブしてもいつも違和感を感じている。しっくりこない、ってわけだ。
で、結局「そのコードは見なかったことにする」ということになってしまうのだが、これ、精神衛生的にあんまりよくないぞ。
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コメント
せっかくなので、blogネタにさせてもらいました。ドゾ、ヨロシク。
http://taka-sumi.cocolog-nifty.com/taki_blog/2007/08/diminish7_8cb6.html
投稿: taki | 2007年8月 2日 (木) 22時42分