カントリー・ウエスタンに悩む
同じマンションに住むM1氏がギターを弾くということは去年から知っていた。たまたまハードケースに入れたギターを持って歩いていた彼と遭遇して、「おっ、レスポールですね!?」と聞くと、「いや、これはチェット・アトキンスなんですよ。」という答えが返ってきたのだった。
で、それはそのままほうっておいたのだった。
先月、M2氏(つまり、M1氏とは別の人だが同じイニシャル)とたまたま顔をあわせたら、「ベース買ったんだよね。」とか言っていかにも見に来て欲しそうだったので、私も新しいギターを持って行ってみた。M2氏の奥さんは学生時代からバイオリンを弾いていて、カントリーバンドで活躍していたらしい。「バイオリンじゃなくて、フィドルなのよ」なのだそうだ。はいはい。
で、M2氏のベースと奥さんのフィドルと私のギターで、カントリーのCDに合わせてなんとなく弾いてきたりした。緊張感のないセッションという感じ。「そろそろお昼だから」という理由で私は帰ってしまったのだ。
話がまた動いたのは先週の日曜日だ。町内清掃大会で、マンション中の人が顔を出していた。私は管理組合の理事長なので、率先してあちこち動き回っていたのだが、そこでM2氏に会ったので「M1さんもギター弾くらしいね」と振ってみると「うん、今課題曲もらってるんだ。」とのこと。
M1さんにも会ったのでM2さんのことを聞いてみると、どうやら彼らは横浜中華街でライブデビューするらしい。M2さんとは掃除そっちのけでギター談義で盛り上がったりしていた。彼によると、彼の専門はペダル・スティールギターなのだそうだ。
M1さんから電話があったのはその夜7時過ぎだった。「M2さんも来てるから、遊びに来ない?」とのこと。晩御飯がまだだったので、まぁちょっと遊びに行ってみるか、と例のモバイルギターを持っていった。
行ってみると、遮音工事を施した部屋にアンプが所狭しと積み上げられており。棚の上には何本かのギター、フラットマンドリン、バンジョーなどが並んでいる。そして壁際にはスティールギターに向かうM1氏。M2氏と奥さんもスタンバイしている。
M2さんの課題曲をやってみようということで、「コード書いてください」というと、M1さんが口でメロディを追いながら、ギターでコードを思い出している。つまり、コードを書いたりはしないものらしい。
実際に一緒にやってみると、メロディはたいていコードを先読みできるもので、なるほど、カントリーというのはそういうものなのか、といまさら納得したような次第。そういうコード進行だから、アドリブでサイドメロディを弾くのもそんなには難しくはない感じだ。
このマンションで毎年夏にやっている納涼祭に出演するか?という話にまでなって、でもそれだと、みんなの知っている曲にしないとな、とかダニーボーイはどうだとか、そんな話にもなって、選曲も含めてM1さんに任せることになった。
面白かったのはM1さんのペダル・スティールギターで、これはペダルを踏むことによって調弦が変わるというもの。しかも弦が10本もある。ペダルも右にひとつ、左に3つある。いったいなに考えてるんだぁ~?
べダルを踏むと、スティールギターのブリッジ側でローラー越しに弦をひっぱっているメカが動いて、調弦を変えている。
ん?なに?ローラー?と思ってよく見てみると、私のモバイルギターの弦を折り返しているローラーと同じ部品だ。なるほど、こんな特殊な構造のギターがこんなに安くできるのは、そういう既存の共通部品を多用しているからなのだな。
というわけで、スティールギターの写真はまたの機会に。
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