原作者が演出する映画に悩む
「ハンニバル・ライジング」である。もうとっくに小説で読んじゃったもんなぁ。まぁ追体験みたいなもんだわ。
大体のストーリーは頭に入っているから、それをなぞりながら見てしまうのだが、それが見事にはまる。
一番びっくりしたのは変名でレストランを経営している悪者の店にハンニバルが訪問するシーンだった。小説を読んで想像していたのとほとんど同じような映像で、あるしゅのデジャブのような気がした。
そんなこんなで、(あちこちはしおってはあるけど)ほんとに小説のとおりだなぁ、と思っていたら、スタッフロールにトマス・ハリスが演出者として書かれていた。もちろん原作もトマス・ハリスである。
なるほど、だから、小説のとおりの出来なのだな。実際、あの小説を彼ほど理解しているひとはいないだろうし、適役といえば適役といえるのだろう。
しかし、あえて言うと、これはつまらんのではないか。作者と別の視点から描かれた物語というものも見てみたいし、作者の発想を超えた表現というのもあっていいはずだし期待していいはずだ。
で、おそらくは欧米人のなかでは作者にしか理解できない日本文化の話はばっさり切られていて、それはつまり、作者が演出者としての立場に配慮したということなのだろうな。
というわけなので、もちろん面白い話なのだが、小説をすでに読んだ人には追体験でしかないということを納得したうえで見たほうがいいと思いますです。
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