小説「ブラックダリア」に悩む
映画「LAコンフィデンシャル」が封切られたのが1997年で1998年のアカデミー賞を目指したが、この年には「タイタニック」がアカデミー賞を総なめしたために、「LA」は助演女優賞(キム・ベイシンガー)しかとれなかったのだった。
だから私がこの映画を見たのは多分1998年だ。レンタルのビデオだったのかDVDだったのか、とにかくツタヤで借りたんだろう。
しかし、正直言って、この映画はさっぱりわからなかったのだった。いやもうほんとにわからなかった。でもそういうことはよくあることだったので、気にすることもなくすごしていたのだった。
「ホワイトジャズ」という小説を読んだのは、多分1999年だったのではなかっただろうか。これは単にそのタイトルから白人ジャズマンの話かなと思って買ってみたのだった。ゲッツとかエバンスとかマリガンとかかな?と。
読み終わってから、この小説は「LA4部作」(当時は3部作と言われていたかもしれない)の3作目にあたる作品であることを知った。そうか、これがあの「LAコンフィデンシャル」の原作だったのか!!、ということで、改めて4部作を初めから読み始めたのがやはり1999年だった。
3部作の最初の作品がこの「ブラックダリア」である。若い女性が惨殺された迷宮入りの実話を元に、作者ジェイムズ・エルロイが事件を創造する。
ところがこのとき、私はこの小説をちゃんと読めていなかったようだったのだ。というのは主役級の二人の警察官「リー・ブランチャード(Lee Blanchard)」と「バッキー・ブライチャート(Bucky Bleichart)」を混同した上に、ファーストネームで呼ばれたりするときにどっちがどっちだったかわからなくなり、話を追いかけられないまま読み進んでいったのではないかと思われる。
で、この小説は私の中では消化不良となっていた。だからなのだろうか、この本は捨てられることなく、綺麗にケースにいれられて物置にしまいこまれていたのだった。
この本をもう一度読む気になったのは、映画「ブラックダリア」を見たからだ。印象薄いと思っていた原作から生まれた映画がこんなに面白いのなら、やはりこれは原作を読み直すしかないだろう。
というわけで、小説「ブラックダリア」を通勤電車の行き返りだけで読んだ。2週間かかったかな?
今回はブランチャードとブライチャートを混同することなく、映画のいろんなシーンを思い出しながら、明確に小説のストーリーを追うことができた。面白かった。後半は映画との違いがいろいろとあったが、それでも楽しむことができた。やはり映画は小説とは違った展開もあっていい。例えばこの話は極端に回り道をしたラブストーリーであるという見方もありだと思う。
LA4部作は、それぞれの主役が別の巻では脇役になっていたりして、野坂昭如のTV界黎明期の群像小説を思わせるところがある。「人生は人々の生き様が織り成す綾織りである」とはどこかのフランス人の言葉だが、その言葉を実感させるものがこの4部作には確かにある。
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