場違いなコンサートに悩む
コンサートが場違いなのではなくて、実は私が場違いだったのだ。
某有名ロックバンドのコンサートのチケットが私のところに回ってきたのは、そのチケットを買った人が同じ日にポリスのコンサートがあることをあとから知り、そっち(大阪だ)に行くことにしたからだ。私としてはまぁ軽い気持ちで言ってみようかと思ったのだった。
ロックバンドのコンサートってこういうものだったのか。いや、有名ロックバンドだったからかもしれない。5分遅れでMCもなしに演奏が始まったとたん、全員が総立ちだ。私も据わっていちゃ悪いかと思って立ってしまったら、そのあと2時間半立ちっぱなしだ。この椅子はいったい何のためにあるのだ?
なんていうんだろう?ここに来ている人たちは、音楽じゃない別の何かを求めてきているらしい(音楽としての質が低いという意味ではない)。メインボーカルの「待たせたなー、やっとここに来れたよ!」という叫びに私の間近の女の子が「ほんとに待ってたわよ~っ」と叫ぶ。こいつら、本気(マジ)です。
会場は8割がた若い女の子で、男もいるけれども圧倒的に少ない。あ、そういえば開演前にトイレに行ってたら、トイレのそばのコインロッカーのところで若い男の子が着替えしていたのだが、女性陣もそんなふうにTシャツに着替えている人が多かったようだ。みんなTシャツ姿で首にタオルを巻いていたりして、万全の汗かき対策なのだ。
その理由は演奏が始まってすぐにわかった。みんな立てノリである。ビートに合わせてぴょんぴょんトンでいる。おいおい、こんなのに2時間も付き合ってられないぞ。
30分で帰りたくなったが、付き合いというものがあるので、なんとか終演まで乗り切った。アンコールに「出てくるなよ、出てくるなよ」と祈ったのだが、しっかり出てきて予定通りのパフォーマンスを完遂していったのは立派。
客のノリも凄かった。あれはきっと全曲覚えているんだろうな。決め所では誰も指導していないのに客からリフが入るし、フリもどうやって身に着けたのか、あるいはコアなファンについていっているのか、「あんたらみんな、スコア持ってるの?」と思うくらいバンドにピッタリ合わせていっている。
しかし、この轟音はすごかったなぁ。バスドラとスネアの音でハイハットの音が聞こえない。ベースもぶいぶい鳴っているのだが音程が取れない。トップシンバルもほとんど聞こえない。曲の終わりにばしばしトップシンバルを叩いて、終わったとたんにトップシンバルを手でつかんでミュートするのだが、そんなの必要ないくらいに聞こえないぞ。
アンコール含めて2時間半を歌いきるっていうのも凄いもんだと思うが、やはりこういうのはインストバンドじゃ無理だな。あそこまで客の心をつかむってのはジャズのインストではまず無理だと思う。ジャンルが違うっていうのはすごいことなんだなぁ、と勉強させていただきました。
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