人生を捨てた男に悩む
秋葉原の通り魔事件は、最初報道されたとき「職業不詳、暴力団構成員」とされていた。だから、私はてっきり酒かクスリが原因だと思ったのだった。
しかし、それは違っていた。加藤智大(25)は全く冷静に福井までナイフを買いに行き、レンタカーを手配し、そのレンタカーを運転して秋葉原の歩行者天国へ突っ込んだのだ。
私は以前に書いた「代理自殺」なのかとも思ったがそうでもないようだ。
彼は自分の人生を捨てた。自分の人生が生きるに値しないと考え、他の人にとってもそれは同じことだと考えたのだろう。
原因はひとつではないのかもしれない。職場での不安、両親との関係、孤独感。しかしそれらは彼一人だけの問題ではなく、同じ境遇の人はおそらく何百万人存在するはずだ。
それらの「ほとんど全て」の人たちは、「あんなふうにはなりたくない」と思ったことだろう。しかし、加藤智大と同じ境遇にあり、彼と感情を共有できる人間はゼロではないはずだ。私はそれがとても恐ろしいことだと思う。
加藤智大を正当化してはいけないが、彼に続くものが出ないようにするには何かとても根源的な方策が必要だ。それは例えばダガーナイフを禁止するということではなくて、彼と同じ境遇の人間に対してああいう形とは別の解決を提示することだ。
それは例えばその境遇を共有する人たちを結びつけ、団体化し、社会に対して発言力をつけることかもしれないし、敢えて言うとWorking Poorを組織化して政治団体かするとか(同じことか?)。
とにかく、彼はいったいどうすればよかったのか、ただじっと我慢するしかなかったのだろうか? そんな彼に対して「我慢」以外の解答を与えられないと、同じような事件はまた起こることになるのではないだろうか?
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