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2008年9月 3日 (水)

オレゴンで悩む(6/10)

Date :  3:17pm  3/22/98

 今日は土曜日で、私は行くところがない。親しい友人たちはあいにくあちこちに出張してしまって私にかまってくれる人はいない。あえてお願いすれば誰かが面倒を見てくれたかもしれないが、ネイティブ・ジャパニーズとしてはそういうお願いはちょっと言い出しにくい。金曜日にもう少し時間があれば金髪のおねえちゃんとなにか約束ができたかもしれなかったのだが、ま、それは希望的観測として。

 で、近くにあるモールに行くことにしてホテルのフロントで車を出してくれるように要請する。これは前にもやってもらったことがあって、どういう経緯で頼んだったのか忘れたけれども、だれかに入れ知恵されたのだったかな? とにかく「どこどこへ行きたいんだけど」というと、数マイルくらいのところだったら送ってくれるし、帰りも電話すれば迎えに来てくれる。行きも帰りも私一人のために、である。ヒマなのか? でも、当然のサービスとしてやっているようで、私が恐縮していると「You're Welcome」と言ってくれる。女性がこの言葉を言ってくれると「あら、いいのよ」という感じでとても気が休まる。

 フロントにはプラチナブロンドのおばさんがいて、年の頃なら4~50か。「今行きたいの?じゃぁ、ちょっと待ってね」と言うが早いか、コートを引っかけて出てきてくれた。「あ、あなたが?」「ええ、今日はドライバーがいないのよ」などあって車で出発。昨日は汗ばむほど温かかったのだが、今日は雨である。晴れていればモールまで歩いてもいと思っていたのだが、雨だといやじゃ。おばさんによると昨日の暖かさが例外的なのだという。世間話などしながら乗せてもらっていると「どこで仕事してるの?」「***です。」「あら********* ********* *******?」とフルスペルで返してくる。おやおや、と思っていると「ペギーって知ってる? 私のマブダチ(Sweat Heart)なのよ。」知っているとも、ペギーはさる重要人物の秘書である。金曜日にもちょっと話をしたし、そもそも私のホテルへの投宿を予約したのもペギーである。

 実は今回の渡米のために私はお土産を用意してきていた。塗り箸である。100円均一ショップで一膳100円で売っていたので男女用取り混ぜて30膳ほど買ってきておいたのだ。

 昨日もそんなわけでペギーに会う機会があったので、そのお土産を渡した。渡すときの効能書きは事前にちゃんと考えてある。「これを両手で使えるように練習しなさい。そういう指先のトレーニングは、脳みそのどこかを刺激するのであなたの若さと美しさを保つ事でありましょう。」 こういうことを言ってあげると(男性に渡すときには「美しさ」は省く)「Oh! realy?」とか「I'll try!」というふうな反応が返ってくるのだが、ペギーは「あなたみたいに?」とかいいやがった。これには私も困って「う、うん。まぁね(It might be.)」と、返しておいたのだが。

 じゃぁ、ペギーのマブダチなのだったら、ということでさいわいバッグに入っていたのでこのおばさんにもお箸をあげることにした。「Oh! Cute.」とか言っているんだけど、ほんとうにどれくらい興味を持っているのかはよくわからない。でも割ばしは知っていてもこういう塗り箸はたぶん知らないだろうから喜んでもらえているとは思うのだ。実は昨日も別の金髪の若いおねえさんにもあげて、「なんだかこれは髪飾りにもつかうみたいだよ。どうやるのかは知らないけれども。」と言ってみたら「うんうん、それはわかるわよ。」とその「希望的観測」は申しておりました。

 で、さんざん歩き回って家族のためのお土産など買って、さっき計算してみた
ら3万円5千円くらい買ったようだ。ビデオ6本($53)とか、別に買ったナイキ
のスニーカ($70)とかも入っているんだけれども。

 カードで買い物するわけだけれども、署名が日本語なので私がサインするのを店員がしげしげと眺めている。さらさらと書いて「似てるだろ?(Just looks like the same. Right ?)」、相手によっては「練習したんだよ(I practiced)」などと言ってみる。いざとなってもパスポートを常に携帯しているので強気である。

 買い物のためにモールを歩いていても、オレゴンというのは治安がよいというのか、よいんだけれどもみんな無防備です。なんというか、私みたいな奴がいかにも時間を持て余しているという感じでぶらぶら歩いていると新宿や渋谷だったら何やかんやと声をかけてくるじゃないですか。そういうのは全然ないし、人々もそういうものに備えているという感じが全然ない。さすがに荷物を置きっぱなしにしてそこを離れるということはしないようですが、お互いに信頼しあっているというふうな感じに見えます。

 本当は店をひととおり見て回って、食事をしてから改めて買って回ろうと思っていたのですが、昼食のピークに引っかかりそうだったので先に買い物をしてしまい、大きな荷物を持って食事をすることになってちょっと焦っていたのです。そういうこともあるので、一人で行動するよりは希望的観測に期待していたのですが、まぁそんなことを言ってもしかたがない。カフェテラスみたいなところで荷物を置いて食べ物を買いに行ったのですが誰も気にしてる様子はないようでした。警備員が要所要所に配置されているということもあるのかもしれないけれども、「ドロボー!」「捕まえて!」みたいなことも聞いたことないし(潜行しているのか?)やはり治安はいいんじゃないかな。

 11時半ごろからモールを歩きはじめて、二回りくらいして食事してまたちょっと買い足したりして4時。ホテルに電話して迎えに来てもらう。「赤いセータにブルージーンズの日本人です。」とこれだけのことなのだが、実はこれが私としては初めてのアメリカでの公衆電話の成功です。いままでは日本のようにいきなりコインを入れていたのですが、これがいけなかったようで、受話器を外して、ダイヤルして、それから要求された額のコインを入れるんですね。こういうのって「世界の歩き方」にも書いてなかったなぁ。「公衆電話は日本と同じように使えます」って嘘だろが。

 というわけで帰りはべつのおねえさんが迎えに来てくれて無事帰り着きましたとさ。

 帰りの車の中でお姉さんと話してみると、モールの近くに映画館があるんだそうで、あしたはそこへ行ってみるかな。

 モールは全長1500mくらいだろうか。映画館がちかくにあるのに気がつかなかったくらいだからまだ私が見ていないところもあるのかもしれない。マップみたいなものがないので全容がよくわからないのだが、通路の200mおきくらいにベンチが置いてあって休めるようになっている。日本だったら混んでくるとそのベンチはあっと言う間にふさがってしまうところなのだが、これが不思議なことに空いているんだなぁ。午後も遅くになってそうとう人が出て、食べ物屋さんの前に行列ができるくらいになっても、このベンチはまだ何人か座れるくらいに空いているのだ。これは不思議だが、人口が適切って事なのかな?前に書いた、「美しい自然があるのにそれが観光ビジネスにならない」というのにも通じる人口の少なさということがあるのかもしれない。

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