ギターを衝動買いして悩む
自宅から車で15分ほど走るとHardOff(中古屋さん)がある。実は最近歩いて10分のところにもできていて、そこにもちょくちょく足を運んでいる。一方で、大井町にあったHardOffは建物ごとなくなっていた。HardOffは面白い。
さて、それで車で15分のHardOffへ久しぶりに行ってみたらクラシックギターが置いてあった。ここにおいてあるクラシックギターはたいてい弦高が高くて表板が割れていたりして程度がよくないのだが、このギターは違っていた。弦高は8mmというところか、小さな傷は沢山あるが、大きな傷はなく、なにより調弦がちゃんとできていてそのまま弾いてみることができたのだった。全体的にホコリッぽいが最近まで弾かれていたようだ。
店の人に聞いてみると三日前に入荷したものだとのこと。う~ん、これはいい物に当たったかも。朝一にいってみた甲斐があったか?
なので、ケースも何もつけない状態で買ってしまった。何しろ普通のクラシックギターは現在持っていないので、手元に欲しいとは思っていたのだ。高校生入学の時に買ってもらった最初のギターがクラシック・ギターだったのだが、それ以来だ。
持ち帰ってしばらく弾いてみると、なかなかいい感じだ。弦高を測ってみたら12フレットで5mmだった。弦長660mm、ナット幅50mm。ネックが私の好みよりもやや厚めだ。音はまぁ普通かな? だいたいガットギターの音ってよくわからないのだ(わからないのかよ)。楽器店で試奏してみてもネックの形と抱き心地を試しているだけで、音に関してはなにがいいのやら悪いのやら実はさっぱり分からない。
30分ほど弾いた後、ボディを「ギターポリッシュ」とかいうので拭きあげてみる。うんうん、なかなかきれいになったぞ。長い年月で木の樹脂が結晶化(?)したのか、いい感じの飴色になっている。
しかし、弦の下とかはなかなか綺麗にできないので、これは一丁弦を外してみるか。弦は後でまた使うつもりで丁寧に外す。弦を外すと指板も綺麗に掃除できるし。
で、綺麗になったので張ってあった弦をもう一度張りなおす。これはケチなのではなくて古い弦が新しい弦のように伸びるのかどうかとか、弦の張り方の練習とかまぁいろいろ考えた結果なんです。
弦の張り方については、ちょっと試したかったことがあった。ペグ側のとめ方を工夫して巻き取り回数を減らすことだ。
それを気にしつつ弦を張ってチューニングしていたら1弦が急に音程が下がりだし、弦がブリッジ側から外れてしまったのだ。うむうむ、これも経験だな。とか言いながら同じ弦を張りなおす。
しばらく弾いてみると、意外に音程は下がらない。やはり弦が伸びきっているのだろうか?
調子に乗ってしばらく弾いていたが、考えてみるとこの古い弦は前の持ち主も弾いていて、その手垢なんかも付いているんだろうなぁと思ったら急に気持ち悪くなってきたのでやはり急遽張り替えることにする。本当のところ、どういう弦を使っていいのか未だによくわかっていないので、いろいろ試すこともやってみたかったのだ。
で、張って見たのがMATSUOKAのMC1000HT(High Tension)という弦。これはHardOffでワンセット231円で売られている。(やっぱりケチなのか?)いやいや、こういうのもちゃんと試してみないとね。
新しい弦に張り替えると、やはり伸びる伸びる。やはりまぁ全治一週間かな。
ギターのサウンドホールのところには「鈴木バイオリン製作所」の銘が貼ってあって、型番は「第33-R号」となっている。高級品ではないようだな。ヘッドの裏には「大森先生」という赤いネームラベルが貼ってあった。ギター教室か何かで使っていたのだろうか?
「音を聞いてみたい」という声があったので、録音してみました。演奏は下手です。ノートPCの内蔵マイクを使ったので、音もよくありません。じゃぁ意味ないじゃないかというと、まぁそういうことです。だから気持ちだけ、ね。
で、最後にこのギターを買ったときのレシートをみていただこう。
2010年11月14日追記:
コメントに大胆な価格予測を頂いたので検証してみたらその通りだった、と。
以下は鈴木バイオリンのサイトに置いてあった製造記録の一部です。ギターこれだけでなく他にも記載されていますが、とりあえず関係するところだけ抜粋しました。
鈴木バイオリン製ギター | 製作期間 | 1967/3 | 1968/10 | 1969/4 | 1970/1 | 1970/7 | 1972/1 |
No.31(ガット弦エバ) | 1968-1969 | 4,000 | 4,500 | ||||
No.32(ガットクラシック) | 1967-1968 | 5,000 | |||||
No.32(ガット弦エバ) | 1968-1971 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | 5,000 | ||
No.33(1967:ガットクラシック 1972:クラシックギター) | 1967-1972 | 6,000 | 6,000 ナイロン | ||||
No.33(ガット トロレス) | 1968-1971 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | 6,000 | ||
No.34(1967:ガットクラシック 1972:クラシックギター) | 1967-1972 | 7,000 | 7,000 ナイロン | ||||
No.34(ガット トロレス) | 1968-1971 | 7,000 | 7,000 | 7,000 | 7,000 | ||
No.35(1967:ガットクラシック 1972:クラシックギター) | 1967-1972 | 8,000 | 8,000 ナイロン | ||||
No.35(ガット トロレス) | 1968-1971 | 8,000 | 8,000 | 8,000 | 8,000 | ||
No.36(1967:ガットクラシック 1972:クラシックギター) | 1967-1972 | 9,000 | 9,000 ナイロン | ||||
No.36(ガット トロレス) | 1968-1971 | 9,000 | 9,000 | 9,000 | 9,000 | ||
クラシックギター No.37(ナイロン弦) | 1972 | 10,000 | |||||
No.38 | 1970-1971 | 12,000 | 12,000 | ||||
クラシックギター No.38(ナイロン弦) | 1972 | 12,000 |
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コメント
えー!これが1,000円ですか!!!
まさに掘り出し物ですね。次回ご一緒するとき
ぜひともきかせてください。
http://www.botchybotchy.com/blog/schedule.html
さきのはなしですが12月24日にボサナイトなるもの
ありまして誘われています。お店は茅ヶ崎です。
もしご都合つけばいかがですか? このギターで
ボサもいいかもですね。
投稿: 楽(らく) | 2008年11月30日 (日) 17時44分
このギター、ペグが安っぽいのですぐに安物と見破られますが、ペグを見栄えのいいものに交換すると高級そうに見えるかもです。
スケジュールはこちらですね。
http://www.botchy-botchy.com/blog/schedule.html
24日、ちょっと調整してみます。またご連絡させていただきますのでよろしく。
hardoffにも一緒に行ってみましょう。
投稿: PICKS CLICKS | 2008年11月30日 (日) 18時54分
「ちょい古道具ライフ」に鈴木ギターの記事を書いていた者です。その節はコメントを有り難うございました。
いや〜驚きました。素晴らしい演奏・・・これなら鈴木ギターも喜んでいると思います。私の場合は持ち腐れです。せいぜい磨いてやるくらいが関の山。上達したいとは思いますが、他にいろいろやりたい事が多すぎて・・・ギターのプライオリティーがそこに到達していないのです。
また、Blog拝見いたします。
投稿: nobrin-7 | 2010年2月 1日 (月) 20時23分
え?どんな演奏してたっけ? と思って聞き返しましたら思いっきり赤面してしましました。たくさんトチっておりますねぇ。お恥ずかしい。
このギター、その後ペグを交換したのでヘッドまわりが綺麗になりまして、ボディの古めかしさと相まって妙な貫禄を見せております。おそらく製造後40年は立っているものと思いますが、今後も大事にしつつもどんどん使っていこうと思います。
投稿: Picks Clicks | 2010年2月 2日 (火) 22時06分
ども初めまして!
鈴木バイオリン製作のギターを探しててここにきました!演奏すごいですね!!!
実は僕もまったくと言っていいほどPicks Clicksさん
と同じような感じなんです。
先日久々に実家(静岡)に帰りますと母親が粗大ごみの日にギターを拾ったってんで、見るとビニールのケースに入ってまして、ガットギターか・・・とだってだいたい、おっしゃるように状態のひどいのが多いですもんね。で引っ張り出してみるとサウンドホールの中に、鈴木バイオリン製造会社のラベルと僕のは第35-Rとなってまして、ネックの状態も良好で、弦高も良くてびっくり
しました。またPicks Clicksさんのブログを読みながら僕もちょうど磨いてました!!!音は・・・正直、僕もよくわかりまへんが、まあ良く聞くあの音で。まあいいか(僕は普通のアコギ&エレキ派なので)
無料だから・・今はブーレを練習してます。恥ずかしくて音は発表はできませんが((笑))
投稿: Andy | 2010年5月24日 (月) 23時52分
Andyさん、
鈴木バイオリンの資料によりますと、35号Rというのは時期的には33号と同じ頃ですが、33号が当時の売価6000円だったの対して、35号は8000円だったようです。
大事に使ってあげてください。私もあちこちに持って行きますが、おおむね好評ですよ。ただ、糸巻きは交換した方がいいかもです。
投稿: Picks Clicks | 2010年5月25日 (火) 00時59分
そうか!鈴木バイオリンの35号Rとか33号とは売値の事か~!
33号が当時の売価6000円は3+3=6で、35号は3+5で8000円だったんだねぇ~。
と言う事は37号は1万円なんだね
投稿: ejyan | 2010年11月14日 (日) 19時39分
その通り!
37号は1万円、でも38号は1万2千円でした。
詳しくは本文の表を御覧ください。
投稿: Picks Clicks | 2010年11月14日 (日) 20時50分
はじめまして
父から鈴木のギターをもらい調べていました。32号なので当時5000円なんですねヽ(*´∀`)ノ謎がとけました。ありがとうございました。製造時期もだいたい予想通りでした。こんな表があるんですね(*´∀`*)ペグを自分で修理したので大事に弾いていきます。
投稿: 中村 | 2013年5月12日 (日) 00時11分
私もペグは交換しました。鈴木のギターは古くてもなかなか評判はいいですよ。
こんな記事も参考になさって、大事に使ってあげてください。
http://picksclicks.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-1c0c.html
投稿: | 2013年5月12日 (日) 14時56分