米国国債保有額で悩む
アメリカの国債保有額が日本が世界一だと思っていたのだが、最近中国が第一位になったらしい。
なので、中国が米国に対して発言力がどうのこうのという話もあるのだが、中国はその米国債を売るに売れないというジレンマに陥っているという。つまり、中国が国債を売ろうとすると値段が下がるので売れないというのだ。
国債の価格を維持するために、中国は米国債を買い続けないといけないということなのだそうだ。
変な話だ。
米国としては国債が値下がりしてくれたほうがうれしいのだろう。国債を償却するお金が少なくなるだけでなく、見かけ上の赤字が減ることになるからだろう。
やはり変な話だ。国債の見かけ上の価値と、実際にそれを売却しようとした場合の売却益との間に乖離がある、と。このあたりが金融関係のよくわからないところだなぁ。
これは電気系の人間にはごく単純な電気回路との相似を思い起こさせる。簡単な話、古くなった電池は無負荷(何もつながない状態)で電圧を測ると、そこそこの電圧が出ているのだが、負荷をかけると同時に電圧が下がってしまう、という状況に似ていると思うのだ。
簡単な回路図を描いてみた。上のほうは無負荷で電圧を測っている状態。電池には「起電力:E」と「内部抵抗:R」というのがあって、この内部抵抗がわるさをするのだ。理想的な電圧計は電流を消費しないので、内部抵抗:Rには電流が流れず、そこで電圧降下は起こらない。
一方、下の図では負荷抵抗:RLに電流が流れるためにその分内部抵抗:Rにも電流が流れて電圧降下が起こる。これは中国が国債を売ることによって国債の価格が下がることに対応する、のかもしれない。
で、なんとなく結論を急ぐと、起電力:Eと内部抵抗:Rを持った電源から最大の電力を引き出せるのはR=RLのときに限られる。そのとき、負荷にかけられる電圧は、本来の起電力の半分になる。中国の持っている国債の価値は、実のところその簿価の半分ってことなんだろうか?
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