恋愛サスペンスで悩む
米ソ冷戦時代にスパイとして、あるいはスパイの上官として活躍したアメリカの情報将校が、連戦終結に伴って解雇され帰郷した。
彼には愛し合っていた女性がいたのだが、彼女は地元の下衆な警察署長と結婚していて、精神的、肉体的DVを受けていた。
というわけなので、彼女をめぐって正義の元情報将校対下衆な警察署長の戦いが始まるのがネルソン・デミルの「スペンサーヴィル」という小説だ。ところが、この情報将校が意外に軟弱というか、やることがすごく普通で、しかも大事な秘密を大麻常習者の友人にぺらぺらしゃべってしまったり、どうにも情けない。
最近までジャムズ・H・コッブのステルスものを沢山読んでいたので、もっと心理戦に持ち込んだり、無人偵察機で1万m上空から赤外線で監視して、車の温度分布からおおよその方向距離を推定したりとかいうことを期待したのだが、「尾行されていたら、車から降りたときにドアを開けたままにしておく」くらいのことしかやってくれない。電話盗聴を前提とした符丁くらい決めておけばいいのに。
そんな感じでいらいらと読んでいた上巻の終わりのほうで、なんというか、運命のいたずらのようなことが起こって、二人の計画が危うくなる。うむう、これはこのままメロドラマになってしまうのだろうか?
というわけなので、今下巻に入ったところなんだけれども、この先読むのをやめようかどうしようかと迷っているところ。なんだか韓国ドラマみたいなハラハラドキドキが立て続けに起こりそうでいやだ。それに、そういうのも案外嫌いじゃないので、のめりこみそうになるのもいやだ。
ネルソン・デミルって、ベストセラー作家みたいだけれども、サスペンス専門じゃないのかも。1960年代の話とか、アメリカの田舎の話とかで妙に盛り上がるわりにはサスペンスにつながらないのだ。
ところで、なんでこの本を読もうと思ったかというと、それはJazMysさんの「PaperBack Mysteryの本棚」で取り上げられていたからだ。JazMysさんとおっしゃるのは、実は学生時代の先輩であるA田さんのことだ。JazMysさんは学生時代からこういう小説を原語のペーパーバックで読破しておられるのだ。私も昔原書を借りたことがあるが、読み通すことは出来なかった。その後にも何度か自分で買ってトライしたりもしたが、なかなか読み通すことは出来ていない。
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