« マニュフェスト比較で悩む | トップページ | 靴下の左右で悩む »

2009年8月13日 (木)

Jeremyの絵で悩む

mixiの大本薫さんの日記で、Jeremy Steigの絵の個展が茅ヶ崎で行われることを知った。

 

Jeremy Steigを知らない人も多いだろうけれども、1960年代にBill Evansとの競演で大いに名を上げたジャズ・フルーティストだ。で、私はこの人の演奏が大好きなのである。

 

これはちょっと行ってみてもいいかなと思っていたら、「本人が来るかも」という話があったので、現地に電話して聞いてみた。「本人? 毎日来てますよ。奥さんも一緒です。今日は午後からですが。」「お、じゃぁ行きます。午後に行きます。」

 

Jeremypanel 現場は茅ヶ崎駅からすぐ近くのビルの5階。電話を受けたのはギャラリーのオーナーらしく、ビルの前でビラを配っていた。Jeremy Steig展の看板の写真を撮っていると、「あ、電話いただいたかたですか?」「はいそうです」などあって現場まで案内していただく。

 

個展だと思い込んでいたのだが、実際は立体ラインアートの徳持耕一郎さんという方との二人展ということだった。この徳持さんという方は鉄の針金を溶接してジェレミーの線画のような造形を3次元的に作り上げるという芸風で、二人のコラボレーション作品も数多く展示されていた。フライヤーがWEBにあったので、こちらで彼らの画風を見ることができます。

 

ギャラリーにはJS本人と奥さん(日本人)、二人展の相方である徳持さん、JSのマネジメントもやっておられる画商のN川さんとギャラリーのオーナー(あ、名前がわからない)だけだったので、つまり1時間半ほどの間「客」は私だけだった。

 

彼の特徴的な線画はよく見ていたのだが、今回は彩色したものも多く展示されていた。彩色というのも二種類あって、線で囲まれた部分を塗りつぶすのと、線自体が黒ではなくて彩色されている者とがあったのだった。色付けに何を使っているのかと聞いてみたら、ポスターカラーだと言う。

 

これらの作品の写真を撮ることも考えたのだが、それぞれの作品は値段が付いていて、つまり売り物なのである。相談したらOKが出たかもしれないのだが、なんとなく写真を撮るのははばかられたので、写真は撮らなかった。ついでにジェレミーとのツーショットも撮らなかった。これも頼めば何とかなったとは思うんだけれども。

 

JSはギャラリー内の小机で徳持さんと協同制作していたりするので、その間は話しかけるのを遠慮していたのだが、フリーになると俄然接近していろいろ話をしてみる。

 

今回、この二人展に行くについては、サインをねだるつもりで昔買ったLPのジャケットを持っていった。「Jeremy Steig First Album」「Wayfaring Stranger」「Fusion」の3作だ。

 

結果、いろいろお話した後でおずおずとサインをねだると、サインをいただいた上に絵まで描いてくださいました。奥さんの影響か、「Jeremyスタンプ」というのも作ってあって、そこらにぺたぺた押してくれます。

 

Jeremydrawing_2 話したのは例えば「(ギタリストの)Sam Brownはどうしてますか?」「彼は自殺したね」とか「(ベースの)エディ・ゴメスとは高校からの友達だったとか?」「いや、実は中学からなんだ。僕のほうが二つ上なんだけど。」「エディはもうプレイしてないんじゃないかな?今はジャズを教えているんだと思うよ。」

 

「(フルートの多重録音の演奏CDを聴きながら)こういうのはスコアを書くんですか?」「書くよ、でも僕の書いたのは僕にしか読めないんだ。」

 

奥さんやN川さんともお話をいろいろしてN川さんとはハーモニカの話で盛り上がったり、オケを使って練習なんて話でもまた盛り上がったりしていました。外国人の興業ビザを取る苦労話なんてのはなかなか聞けない話だと思います。

 

で、ついでながら、JSの絵も安いものだけど一枚買うことにして、持ち合わせがないので現物は後日郵送、お金は振込みということで、展示会ポスター(サイン入り)なんかもいただいたんだけど、これはいったいどうしたもんだろうか? 壁に貼るのももったいないし、しまいこんでいるとそれも痛むだろうしなぁ。

 

 

 

JSのお父さん(William Steig)が高名な漫画家だということは聞いていたが、どういう作品を描いていたのかという事は知らなかった。今回「シュレック」がお父さんの作品だと聞いて、これにはびっくりだった。

 

 

2014年4月6日追記:

そういえばこの時に買った絵を載せてなかったので掲載。ベースを弾いているエディ・ゴメスを書いたものであるらしい。色がおかしいのは照明のせいです。

 

 

Jeremydrawing

 

 

|

« マニュフェスト比較で悩む | トップページ | 靴下の左右で悩む »

音楽」カテゴリの記事

コメント

なんともうらやましいですね。一生の宝物ですね。

私も安ければ絵を一枚くらい買いたいものです。
ところでサインの画像にEddie Gomezとあるのはなぜなんですか?

投稿: taki | 2009年8月15日 (土) 18時30分

Edie Gomezの名前が見えるのは、LPのジャケットのライナーノーツをGomezが書いているからです。ライナーノーツの内容が見えるとうっとおしいかなと思って削ったら、名前だけが残ってしまいました。

ついでに書いておくと、茅ヶ崎在住のジャズ・フルーティスト大本さんのmixi日記にこの話の続編があります。

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1255527654&owner_id=6746584

投稿: Picks Clicks | 2009年8月15日 (土) 18時36分

大本さんのmixi日記は読者制限があるようで、読めませんでした。

投稿: taki | 2009年8月15日 (土) 23時19分

あ、そうか。マイミクにならないといけないのかな?

投稿: Picks Clicks | 2009年8月15日 (土) 23時51分

大本さんの日記には、私が写せなかったジェレミーとのツーショットや、絵を描くジェレミー、ジェレミーの絵(ただし、これは大本さんが買ったもの、私の投稿の看板に張ってあったものと同じ絵)などが投稿されています。

さらに「JSは配偶者ビザが取れたら日本に永住するつもりらしい」とも。

私の知り合いだといって、マイミク申請すれば通ると思いますよ。

投稿: Picks Clicks | 2009年8月16日 (日) 00時15分

ヴィブラフォンの赤松氏のライブにJS氏が来ていたという記事がありました。日本にしばらく在住するみたいです。

http://sun.ap.teacup.com/vibstation/1687.html

投稿: taki | 2011年12月 9日 (金) 00時40分

しばらく住むっていうか、永住するつもりって聞いてました。配偶者ビザがとれているので、日本で演奏活動してもいいはずなんですがね。


投稿: Picks-Clicks | 2011年12月 9日 (金) 17時55分

話はとびますが、Eddie Gomezは今夏、来日していたんでね。ジャズマリンバの吉田ミカという人がいるんですが、といっても形ばかりのFacebookフレンドという以上には知らないんですが、Eddie GomezやSteve Gaddとよく共演しているみたいです。

http://youtu.be/ADtd1hKf9yM

投稿: taki | 2011年12月10日 (土) 10時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Jeremyの絵で悩む:

» Jeremy Steig [お悩み手帳]
ジャズを聴くようになって、3枚目か4枚目に買ったのがこの「What's New」 [続きを読む]

受信: 2009年9月 8日 (火) 13時11分

« マニュフェスト比較で悩む | トップページ | 靴下の左右で悩む »