25%削減で悩む
民主党が「温室効果ガスを1990年比で25%削減する」と公約しているらしい。
報道によっては「温室効果ガス」ではなくて「二酸化炭素」になっていたりするのだが、この二つは別のものなので、しっかり区別しないといけない。
温室効果ガスは地球温暖化の原因であるとされている(私は信じていないのだが)温室効果の機能を持つ気体のことだ。温室効果ガスの一番大きなものは水蒸気で、その効果は温室効果全体の60%であるとされる。出展はええとどこだったか、あとで探しておこう。
二酸化炭素の持つ温室効果の割合は30%程度であるらしい。環境庁の「環境科学解説:地球温暖化」というWEBページでも、その「第一部:地球温暖化とは?- 地球温暖化が起こるのはなぜ?」という項で,「自然起源の水蒸気を別にすると、温室効果ガスの主役は二酸化炭素(CO2)です。」というおかしな書き方をしている(二つ目の段落:大気中に増える二酸化炭素の項)。
「水蒸気は別として」というのは「水蒸気は制御不可能だから」という含みがあるのかもしれない、と思って、このページを管理している環境庁に「なんで水蒸気を別にするのだ?」という質問メールを昨年末に出してみたのだが、いまだに返事がない。
地球が温暖化しているとして、そしてその原因が温室効果ガスのせいであるとしても、その温室効果の大半を占める水蒸気を制御することは大変難しいし、もしも制御できたとしてもその副作用が膨大で(雨が降らなくなったり、気象への影響は計り知れない)、これははじめから考えないということなのだろうか。
なので、手をつけやすくて、お金のやり取りでもなんとかなりそうな、一般ウケしそうな二酸化炭素がターゲットになる。
全世界の二酸化炭素の量は7300億トンである。それに対して全世界の年間排出量は63億トンである(環境庁のページより)そのうちの日本の排出量は? どこかに数字があるのかな?
だから、温室効果ガスを25%削減というのは、かなりとんでもない話で、何しろ水蒸気をも含もうっていうことでしょ? いったいどういう具体的な数字目標になるのかなぁ?
まぁ、こういう数字で遊んでいる分にはいいんだけど、やっぱり「環境税」とかいいだしてるし、世帯あたり年間36万円の負担とか言ってるし、ほおら、やっぱりお金の話になるじゃないか。
だから本当に納得できないものにお金は払えませんよってばさ。
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コメント
自動車などの二酸化炭素の排出によって、地球が温室化すると水蒸気の発生も増加して、さらに温暖化を加速させるのではなかろうか。
投稿: 在日民主党 | 2009年9月23日 (水) 07時09分
地球の温度が上がることによっても、二酸化炭素や水蒸気も増加しますから、その因果関係についてはまだ不明です。
民主党の「25%削減」というのは、何を減らすといっているのでしょうか? 二酸化炭素と言わずに温室効果ガスと言ったのはなぜでしょうか?
またこれを世界に対して約束しましたが、世界はそれをどう理解したのでしょうか?
投稿: Picks Clicks | 2009年9月24日 (木) 11時18分