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2009年9月 3日 (木)

PfとVibのデュオで悩む

Gary Burton(Vib)はいろんな人と共演していて、かの有名な作曲家ピアソラと共演するためにアルゼンチンまで行ったぐらいなのだが、不思議なことにBill Evansとの共演がなかった。Jim Hallとも共演しているくらいだから、もうちょっと人脈を伸ばせばEvansともチャンスがあったはずなのだが。評論家によってはBurtonとEvansが同じ流派と目されているにもかかわらず、である。

私もその評論家の言うことを信じて、BurtonがEvans派だと思い込んでいたのだが、よく考えてみると、Burtonのほうがドライというか、理論先行というか、ちょっと冷たい感じがしなくもない。でもまぁそれはおいといて。

ところがある日、あるところでピアノとヴァイブのデュオの演奏を聴いて驚いた。ピアノは絶対にEvansだと思ったし、ヴァイブは絶対Burtonというふうに聞こえたからだ。

調べてみたところ、ピアノがEvansというところは当たりだったが、ヴァイブはDon Elliottという人だった。アルバム名は「Tendery」という。このDon Elliottという人の自宅スタジオで録音された演奏だ。

Don ElliottはMulti Instrumentalistと紹介されていて、ジャケット写真でも謎のホルン(Mellophoneというらしい)を持っているが、このアルバムの中でもボイス・パーカッションみたいなことをやったりしている。そのボイス・パーカッションでEvansと4bars交換なんかをやったして、もうやりたい放題だ。自宅のスタジオだったら何をしてもいいのか? そうか、いいのか。

曲目リストは以下のとおり。
1. Tenderly
2. I'll Take Romance
3. Laura
4. Blues #1
5. I'll Know
6. Like Someone In Love
7. Love Letters
8. Thou Swell
9. Airegin
10. Everything Happens To Me
11. Blues #2
12. Stella By Starlight
13. Funkallero

客のいないライブだから、二人ともリラックスしていて、Elliottのソロの途中でEvansが「それ、いいね」とか声をかけたりしている。

しかし、このヴァイブ演奏のいったいどこを聞いてGary Burtonだと私が思ったのかは、いまだに謎である。

Evanselliott

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コメント

このCDは噂は聞いたことがありますが、演奏は聴いたことがありません。

バートンもRCAの初期アルバム(Something's Coming, The Time Machine)あたりはエバンス臭が強いけれど、その後は変わりましたね。近年は多弁というか冗長で、あまり聞かなくなってしまいました。赤松氏によると、バートンがピアノを弾くとエバンス丸出しだそうです。

バートンとエバンスは、NYのジャズフェスか何かでカーネギーホールでデュオをしたという記事を、学生のときにSJ誌で
見た覚えがあります。ブートレグでもないのかなと思うんですが。

投稿: taki | 2009年9月 4日 (金) 12時31分

Burton/Evansということもあったんですか。

なんで「じゃぁスタジオで是非もう一度!」ということにはならなかったんでしょうかね? Evansにしてみればなんとなく近親憎悪みたいなことがあったんじゃないのかなぁ?とか思ったりしてます。

Burtonの初期というと、私にとっては「New VibMan In Town」なんですが、これはこれでEvans臭ということもなく、溌剌としていて好きです。

投稿: Picks Clicks | 2009年9月 9日 (水) 21時06分

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