ユルいミステリで悩む
「虜囚の都―巴里一九四二」。第二次大戦も中盤を回り、ドイツはフランスを占領してはいるもののロシアとの戦いに疲れ、そろそろ敗色を感じている。そんな中でパリでは地元フランス警察刑事と、占領軍のゲシュタポが「協力」して殺人事件を解決しようとする。
もちろん力関係としてゲシュタポのほうが強いから、フランス人刑事はゲシュタポの言いなりだ。ゲシュタポはそれをいいことに証拠品を勝手に持って帰ったり、後で大問題となる写真を撮ったり、やりたい放題。しかも指揮系統がめちゃくちゃなこともあって、ゲシュタポはシベリア戦線へ、フランス人刑事はどこかの寒い岩塩坑へ送られるという脅迫を受けながらの捜査だ。
捜査で発見した事実を、指揮系統の思惑から「あいつには知らせるな、まず俺に知らせろ」という指令が複雑に飛ぶ上に、捜査のやり方がなんとも雑で、幸運と思い込みに基づいて自白を強要するというなんとも乱暴な捜査なので、結論を提示されてもなんだかすっきりしない。
作家はフランス系カナダ人らしいからもともとフランス語でかかれたものなのだろう。この作品が評判になってこのシリーズは全10作まであるというのだから恐れ入る。いったいどうやってつなげていったんだろうか? 彼らは懲罰としてシベリアへ送られていかれなかったのだろうか?
だいたい、フランスってよくわからないなぁ。特にフランスの車のデザインは最低だと思う(車と服を同じ感覚で作ろうとしているのか?疾走感がまったく感じられない)。まぁこれはある意味八つ当たりなんだけど。
一方ドイツってのは面白い国だと思う。特に第二次大戦中のドイツの軍用機については大きな興味を持っていて、資料もあるのでまた別の機会に書いてみたいと思っている。
というわけでミステリとしてはちっとも面白くなかったのだが、当時のレジスタンスの活動や、ロシアとの関係などが妙に印象に残る作品でした。問題のロシア人を主人公にしたら別の面白さが出たかもしれないのに。
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コメント
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投稿: MinervaSweet23 | 2012年3月13日 (火) 04時41分