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2009年10月12日 (月)

「ギターの東大」で悩む

「ギターの東大」という、なんだろ?ギターの学校なんだろうけど、そういうところが「前代未聞セッション!~弾きっぱなしとサヨウナラ~」というのをやるというのでちょっといってみようと思った。テーマは「~Bluesで何が出来る?何をする?~」というもので、さいきんちょっとブルースは苦手って言うか、ペンタトニックで押してもつまらんしちょっと反則技みたいなことはやってみるけど、今ひとつ面白くない状況なので何か学ぶところがあるかも知れんと思ったのだ。

事前の理論武装としては、このBlogに昔書いた「Bluesの代理コード」というのを持っていくことにした。あんなの覚えられないし覚える必要もないとは思うけれども、まぁなにかの議論になったときに「こんなのもあるよね」と出すこともできるかと思って。

この日は横浜ジャズ・プロムナードの期間中ということもあって、日中は無料で見られるライブをいくつか見てきた。みなとみらい線日本大通り駅では新人グループのコンテストみたいなことをやっていて、若い人がいろいろな趣向で腕を競っていた。

そのコンテストを全部見たわけではないのだが、あるグループはパーカッション主体のラテンジャズグループで、ギターとベースがいて後の二人がティンバレスとカホン+コンガのセットをそれぞれ受け持つという体勢。ギターはソロをやったりモントゥーノをやったりと自由自在に飛び回って、そのうちにパーカッションの独壇場になるというもの。

Auditionband

シェーカーを持っていたので、それで参加してもよかったのだが、真剣な演奏にそういうので水をさしてもいかんだろうと、持っていた飲み物の空き缶(中身は空)をシェーカー風に振っているフリをしたりして、参加したいぞ的な雰囲気は出しておく。

演奏が終わってメンバーがそれぞれなんとなく「ありがとうございました」みたいな感じで私のところへ来てくれたりするが、まぁ指笛鳴らしたくらいでも盛り上げたことにはなるのかもしれない。

Travelerguitarincase ギターの人も私のところへ来て目ざとく私の「携帯ギター」に目を付け、「あ、それギターですか?」(yes)「スタインバーガー?」(no)「どこかで出演されてたんですか?」(no)などあって、「いや、今夜ギターの東大とかいうところへセッションに行こうと思って」と言ってみると「ああ、あそこだったら友達が教えてます」ということだった、と。

実際、このケースを見てギターだと思う人は少ないだろう。サイズ的にはテニスのラケットくらいの長さだし、ラケットにしては幅が狭い。きっとバイオリンのケースにも入ると思うので、このケースが壊れたらバイオリンのケースに入れて持ち運ぶつもりだ。ギターを持っているオッサンよりもバイオリンをもっているオッサンのほうがなんとなく大事にされそうな気がするので。

このギターの話をするために回り道をしてしまった。

で、この「ギターの東大」というのが井土ヶ谷にあるというので、うむむ、JR保土ヶ谷駅から歩くと、あの坂を登らないといけないのだな、だとすると京急の井土ヶ谷駅から行くのがよかろうと、普段ほとんど意識したことのない京急井土ヶ谷駅で降りて現場へ向かう。

現場は一見普通の民家なのだが、「ギターの東大」という文字が壁に麗々しく打ち付けてある。ちょっと恥ずかしくないのかな? もう暗くなっていたので写真は撮らなかったけれども。

外見は民家だが、中にはスタジオをいくつか持った作りになっている。そのセッション用のスタジオに入ってみると、すでに何人かギターを持った連中がパイプ椅子みたいなのに座っている。いかにもこれから授業を拝聴します、という体だ。

19時開始ということで10分前には着いていたのだが、私の後にも何人か来て10数名になってしまっている。これはちょっと多すぎるということで、「ジャムセッション初めてっていう人は?」ということで約半分が別スタジオでジャムセッションのイロハを叩き込まれることになる。私はもちろんセッション経験者なので(質は問われてないもんな)、その場に居残る。ギターは5人でそのうち二人は高校生だ。

で、ここで初めて判明するのだが、本日のテーマであるブルースというのはジャズのブルースじゃなかったのだ。ギターでブルースだというし、「弾きっぱなしじゃなくてありがたい説教つき」ということだので、私はてっきりジャズのブルースのことだと思っていたのだが、これは私の思い込みで、いわゆるブルース、百歩譲ってもロックのブルースだったわけですね。

まぁそれでもいいや、何か吸収できることがあったら吸収するし、出来なかったらそれまでよ、ということでお話を拝聴することにする。

まずキーを決めてという話は省略して(Aになった・・・)、講師の安達さんのポイントは「ブルースのソロでコミュニケーションを」ということだった。単に発散的にソロをするんじゃなくて、ソロイストやバックなど一緒に演奏している人たちとコミュニケーションをとりましょう、「コール&レスポンス」です、と。

「今日はリズムでコミュニケーション(とは言ってなかったのだったが、なんと言っていたのか忘れた)を取ります」ということで、これはつまり例えば三連符フレーズをだしたら、バックやベース・ドラムもそれに応えて三連符フレーズで追従する、という。

で、これで16ビートを叩いているドラムの前で三連符をやるのはちょっとうっとおしいし、実際それをやるとドラムがシャッフルになってしまって何をやっているのかわからなくなる。だから私は2拍3連をやらしてもらうことにしてブルースソロをみんなで回すわけだが、誰かがサインを出してみんながそれに追従するなんてカッコ悪いと思う。それにこれは「コール&レスポンス」とは違うだろう?

で、リズムでのそういうコミュニケーションはあんまり面白くないなぁとおもっていたので、私はブルースでよく使われるMinor3rdの代わりにMajor3rdを使うことによって誰か付いてくるかな?と思っていたのだった。しかし、私はこのとき大失敗をしていて、それは待機時、ギターにチューナーを接続してチューニングを確認していたのだが、そのときに2弦をおかしなチューニングにしてしまっていたのだ。これは後でわかったkとだが、チューナーがBassモードになっていて、Guitarの2弦B音ではなく、5弦BassのHi-Cに合わせるようになっていたのだった。それもあったりしてどうにもなんだかおかしなことになってしまって、うまいコミュニケーションは出来なかった。ジャズの人は変なことやるんだなぁ、くらいに見てたんじゃないだろうか。

まぁ、ポジティブに考えると「自分のソロに酔わずに、他の人を巻き込むようなソロをやりましょう。バッキングのときにもソロの音をよく聴いて、反応してあげるようにしましょう。」ということで、確かにおろそかになりがちなことでだから、ためにならないわけではないのだ。

そんなことを1時間ほど続けた後、セッション初心者にスタジオを明け渡し、経験者は別室で座学となる。

座学では「何か質問は」ということだったので、私が口火を切って「さっきはMajor3rdの音を使ってコミュニケーションを図ろうとしたが、うまくいかなかった」という話をした。私の意図はロックやブルースの人たちではそういうMajor3rdの音をどう考えているんだろうか?という質問をしたつもりだったのだが、他にも同方向の質問をした人がいたので「コードトーンをどう使うかっていうことですね?」というふうにまとめられてしまった。

で、話はそこからブルースの歴史へタイムスリップして、ヨーロッパ的音感と、アメリカ的音感(なぜか3rdと7thがフラットする。理由はわからないがとにかくそうなのだ)というステレオタイプ的な話になって、そのアメリカ的フレーズ(つまりC7という表記に対してなぜかEbの音が使える)にヨーロッパ的考えのコードトーン(C7のE音やF7のA音)をどう使うかという話になっていったのであった。

ま、要するに突然AとかEを使うと違和感があるのでEb→EとかBb→Aみたいに親和性のあるところからアプローチすりゃいいんじゃないの、という話に落ち着いたわけだが、私としてはJohn McLaughlinみたいなブルースから全然かけはなれたフレーズのヒントを探していたので、その回答では満足できないところ。いや確かにMcLaughlinもブルースノートをアプローチに使ったりはしているけれども。

ブルースで3rdや7thがフラットしたりするのは要するに短3度的親和性があるからで、この短3度というのを倍音関係で説明するのが難しいことから、「黒人はそういうものなんだよ」というふうなよくわからない説明がなされてきたわけだが、近年、下方倍音という考え方でこの短3度音程を説明する試みがなされていて、これにはわりと説得力があるように思う。

この短3度的親和性によってコンディミも説明できるんじゃないかと思っているのだが、このあたりはまだ感覚的に処理している段階で、うまく説明ができないのだけれども。

そんなことで2時間ほどの勉強会だったわけだが、まぁこれはこれで無駄じゃなかったと思う。
終わってから、おなじ「経験者チーム」の中の方が「町田のジャズセッションでお見かけしました。」ということを言ってこられたのだが、あいにく私にはそんな記憶がない。町田で?ジャズ? 外出するときには最多出演のエレガットの写真を見せて「こんなの弾いてましたか?」と聞くと「弾いてました」とかおっしゃる。なんだかよくわからない。私の記憶が飛んでしまっているのかもしれないし。

帰り道は保土ヶ谷駅まで坂を下るだけかと思っていたら、峠の頂上は現場と保土ヶ谷駅の間にあって、しばらく登り坂を歩くことになった。まぁいい季節で天気もいいし、ナイスウォークではあったのだった。

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