エッシャー展で悩む
10月10日から11月16日まで、横浜そごうでM.C.エッシャー展が開かれるということで、これは行ってみようと思っていた。エッシャーは昔から好きだったから。

ちょうど10日には横浜で時間が余ることになっていたので、ちょいと寄って見たのだが、無料と思いきや、大人1000円とかいうので今回はカンベンしておいてやろうかということになった。家人と一緒にいくと、持っているカードのご利益で無料で入れるというので、1週間後に再トライということだ。

エッシャーの絵とか本とかはいろいろ集めているので、そんなに新しい発見はないだろうとは思っていたのだが、例えばエッシャーの父親は明治政府のお抱え技術者として日本に5年間滞在し、浮世絵などを持って帰ったから、エッシャーはその影響を受けたかもしれないとか、エッシャーの奥さんも絵を描いたとかでその絵も展示されていて興味深かったとか、まぁ行ってみればなにかしら得るものはあるということなんだなぁ。特にエッシャーと浮世絵というのは新しい視点で、だって、浮世絵はもともと版画だからエッシャーが浮世絵から細密な版画の可能性を見出したと考えてもなんら不思議はない。
で、エッシャーのお父さんが日本にいたころ、月給が当時のお金で450円とか書いた資料があって、こりゃすごいなぁとケータイで写真を撮ろうとしたら、見回っている人ににらまれて撮れなかったりとかもありーの、エッシャーの20歳くらいのころの作品を見てその完成度に驚きーの、とか。いややっぱり、こういう展示会には足を運んでみるものだと思った。
会場では大作「Metamorphose」などの主要作品をビデオで流したり、生前のエッシャーの制作の様子を見せる動画(役10分強)が流されていたりして、こんな動画があるのならYoutubeにもuploadすればいいのにと思うが、そういうわけにもいかないんだろうなぁ。
YOutubeにはすでにいくつかエッシャー関係の動画があって、インタビューに答えるエッシャーなんていうのもあったりするが、これは私が以前にTVで録画したのものに比べればたいしたことはないと思う。この録画は、当時そういう技術を持っていた友人に頼んでビデオテープからVideo-CDにしてもらったのだが、そのCDがいったいどこへ行ってしまったのやら・・・。
これは1998年にオランダのシネメディアという会社が制作したものらしい、そのイントロがすばらしいので見つかったらぜひともyoutubeにuploadして、そしてここに貼り付けたいと思う。お、見つけたぞVCD。早速これを編集しなければ。うむう、mpeg2の編集ができない~。なので、断片のキャプチャで勘弁。
これはエッシャーの「Metamorphose」の最後のほうに出てくるイタリアの風景。>
そしてこちらがその実際の風景。「Metamorphose」の絵に描かれた変容のあとで、この実際の風景が上に掲載したエッシャーの絵と重なるのがこの番組のイントロだ。これにはやられたなぁ。>
これは今回のエッシャー展で購入した画集。1994年の発行となっている。
他方こちらは1983年発行のもので、やはり80年代半ばころに買ったのだと思う。
今回のエッシャー展でしったのだが、この表紙の絵はエッシャーの遺作となった作品らしい。この作品を制作する様子がエッシャー展でビデオで流されていた。


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コメント
エッシャー僕も大好きです。
展覧会は20歳くらいのときに三越かなんか
で”騙し絵”展みたいのがあっていきました。
東西の騙し絵の中で一際目をひいて早速
本を買いました。好きなのは水車(Waterfall)と
昇りと下り(Ascending adn Descending)です。
よくこれだけの発想ができるなーーと思います。
投稿: 楽 | 2009年10月19日 (月) 10時35分
発想がすばらしいともちろん私も思うのですが、その発想を実現する技術を併せ持っていることが更なる発展につながったのだろうと思います。
発想→実現→再発想→再実現という繰り返しの中で、こういうすばらしい作品が出来上がってきたのだと思います。
エッシャーの作品の中には、タンポポの綿毛のスケッチなんてのがあるんです。綿毛をスケッチしようなんて考える人は、また実際にやってしまう人はエッシャー以外にはいないんじゃないでしょうか(案外いるのかも・・・)。
投稿: Picks-Clicks | 2009年10月19日 (月) 13時50分
兵庫の美術館では「だまし絵展」というのをやっていて、先日見てきたんですが、期待したほどではありませんでした。エッシャーやマグリット、ダリなんかも最後にちょろっとあったんですが、あまりに少なくて落胆しました。やっぱり的を絞った展示のほうが見ごたえがあるんでしょうね。
植物や動物、昆虫を細密に描くのはそれほど珍しくはないです。エッシャーがもともとはどういう背景から絵を描くようになったかは知らないですが、図鑑などのための動植物の細密画を専門にしている作家もいます。普通の画家が習作として描くことも珍しくありません。ボタニカルアートって分野もあります。
今回の「だまし絵展」でも取るに足りないようなものを本物そっくりに描くというジャンルがあるたことがわかりましたし、西洋の写実絵画では驚くほど細密にリアルにいろんなものを描いた絵が多くありますね。
以上、池袋の東横インからでした。
投稿: taki | 2009年10月20日 (火) 07時51分
エッシャーはだまし絵ではないし、細密画でもないと私は考えています。タンポポの絵を例に出したのは、その技術と言うのか熱意と言うのかあるいは根性か、そういうものをお見せしたかったからなので。
私がエッシャーについて驚嘆するのは、その平面充填画法です。Blog本文の絵で言うと、平面上に描かれた白黒の人物やトカゲの絵で示されているようなものです。
こういうふうに話が展開するのなら、エッシャーの代表的な絵をもっと掲載すればよかったですね。私の観点からすれば、白黒人間とトカゲで十分だと思ったのですが。
エッシャーの公式サイトで、彼の作品のほとんどを見ることができます。
http://www.mcescher.com/
投稿: Picks-Clicks | 2009年10月20日 (火) 17時13分