忠臣蔵の季節に悩む
スティーブン・ハンターと言えば、狙撃者モノとかアクションものを得意とするアメリカン・マッチョ・アクション系の作家だ。「最大射程」だったか、2000m先の標的を射撃する薀蓄はなかなか読み応えがあった。ゴルゴ13も読んだらいいのにと思った。
まぁ、そんなハンター先生なんだが、今回はどうやら日本にたいへん興味をお持ちのようで、何しろこの表紙をご覧になってお分かりのように、47番目の男(原題では47th Samurai)で刀まで書いてあったら、こりゃ忠臣蔵デショーってくらいで。そう言えば、12月14日はJazmys先輩のお誕生日だなぁ。
主人公はボブ・リー・スワガーという、この作者が連綿と書き綴ってきた男と、以前にも書いていたその父親であるアール・スワガーが絡んでくるのだが、そのボブが日本に来て大暴れするその前に日本の時代劇DVDを100枚以上観たことになっていて、これはおそらく作者の経験を基にしているなって感じ。
さらには、新宿歌舞伎町の描写や剣道の修行など、どうやら作者はこの本を書くためにたいへんな経験をつんだらしい。小説の中にも「命令を5-7-5で言いたくなるような情景」なんてのがあって、なんだか微笑ましい。
で、実はまだ最後まで読んでなくて、でもアメリカン・マッチョだから大体の想像はもう付いているので、まぁいいか、と書き始めたんだけど、この小説の最初に書いてある謝辞が実に印象的なのでがっぽりキャプチャしてみた。この人上戸彩の「あずみ」も見たらしいぞ。橋本忍って誰だろうと思って調べてみたら、黒澤明の信頼厚かったシナリオライターらしい。
11月16日追記:
あとがきによると、スティーブン・ハンターの本職は映画評論家で、近年のアメリカ映画の低落ぶりに失望していたときに「たそがれ静兵衛」から日本の侍映画に興味をもったらしい。
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