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2010年1月 5日 (火)

3D映画に悩む

年が明けましたが、喪中につき欠礼させていただきます。

Avatar2さて、映画「AVATAR」だが、TVのCMを見ていた限りでは「これは、ないな」と思っていた。なんといってもこのキャラクターが不気味で魅力を感じなかったからだ。

しかし、実際に見た人からの評判を聞くにつれ、ひょっとしたら面白いのかもしれないと思うようになった。たしかに、ジェイムズ・キャメロン監督のエイリアン2は面白かったし、タイタニックも私の趣味ではなかったけれどもよくできた作品だった。これに加えて今回は3D映画だということだから、これはいっちょう見に行ってみようか。

3D映画はずいぶん前にディズニーランドで見たことがある。マイケル・ジャクソンが主演する「キャプテン・イオ」っていうんじゃなかったかな? たぶん偏光を使っているのだろう、くらいに思っていた。

結論を急ぐと、映画「AVATAR」はたいへん面白かった。2時間半、あるいは3時間に近い長さだったのだが、ぐいぐい引き込まれて見ることになった。ストーリーとかは予告編でも言われているような話で、そういえばエイリアン2にも似たような要素があった気がするし、その他にもどうやらジブリの影響を受けているような気がする。ジブリな世界にアメリカ人がなじんでいく様子を描いた映画と言えるかも知れない。

3Dは大変興味深いものだった。3Dということは左右の目に違う画像を見せなければいけないわけで、一番簡単なのは左右に青と赤のセロファンを貼ったメガネを使う方式だが、これではカラーの映画を楽しむことができないので、最初は偏光を使った方式がとられていたはずだ。

偏光というのは光(波長の短い電波)の振動方向を操作することによってできる「偏った」光で、その偏光を水平あるいは垂直に揃えることによってスダレのようなフイルタによって選択的に通過させたり遮断させたりできるようになる。

だから、例えば右の目には垂直偏光、左の目には水平偏光が見えるようにメガネを掛け、左右の映像をそれぞれ偏光にして映し出してやると、画像が立体的に見えるというわけだ。

Reald映画館が暗くなって、3D映画の予告編が始まる前にメガネとそれが入っていたケースを撮影した、けれども暗くてなんだかよくわからない。ただ、Real-Dという方式ははっきりと分かった。

3D映画の予告編(ディズニーのなんちゃら)が映写されはじめたので、早速その偏光ぐあいを試してみる。首を横に傾けると偏光がずれて3D具合が崩れ、首を完全に横90度にすると、左右が逆転したりするはずだ。

・・・しかしそうはならなかった。あれれ、どういう仕掛けなのだろうか?

3D映画はどうやら左右の画像を交互に映写しているらしく、動きが早いと左右の画像がずれているように見えた、ような気がする。さらに3Dなので画像に奥行きがあるように見えるから、手前に見えるものを見ようとするときにピントが合わない(撮影時にピントがボケてしまっている)ためか、目にストレスが掛かる。

そのせいなのか、自宅に帰ってから目が痛くなってきた。いたいっていうか、「目がシバシバする」っていうのかな?次の日には回復したけれども。あ、今回は普段あんまり使わない近視用のメガネと併用したのでそのせいかも知れないんだけど。インターネットで予約した席が最後列だったので画面が遠いだろうと、近視用のメガネを使ったのだ。

Grass2一夜明けて、3D用のメガネを組み合わせて偏光のぐあいを確かめてみた。垂直/水平偏光だとメガネを直角にそて光を通すと片方で光が遮断されるはずだ。

こういう結果を期待していたのだが,

Grass1しかしやってみると、こういう結果だった。左右で差がないんだなぁ。

この状態で手前のメガネを90度回してみると、置くに置いたメガネの色が多少変わるが、真っ暗にはならない。偏光サングラスを使っていたこともあったので、そういう感じかと思ったのだがそうではないようだ。

調べてみると、REAL-Dという方式は円偏光という方式を使っているらしい。電波伝播でも偏光に対応した「偏波」というのがあって、垂直偏波とか水平偏波、あるいは円偏波というのもあるのだが、光で円偏光っていうのはよく分からない。それで、3D映画の映写には円偏光のフィルタを回転させながら映写するらしいのだが、これも何のことだかよく分からない。

さらには、左右の映像を交互に映すのだから、映画の画像は普通1秒間24フレームなのだから、左右に振り分けると実質12フレームになってしまって、それでチラチラして目が疲れたのかと思ったら、REAL-Dでは左右それぞれ72フレーム、合計144フレームで映写しているという。それにしては動きの速いシーンでは左右がずれているのが見えたと思ったんだけどなぁ。


1月8日追記:

書こうと思って書き損なっていたのだが、この映画では不思議な体験をした。上映前にちゃんとトイレに行っていたにも関わらず、映画の終盤になってまたトイレに行きたくてたまらなくなった。スタッフロールが終わるまで待てずに席を立ってトイレに急いだのだが、こんなことは人生を通じて初めてのことだった。

映画を観る直前には何も飲んでないので、この便意(「小」のほうだけどね)は映画を見ている間に生成されたものだ。

特に飲み物を摂っていないのに体の中で小水が生成されるのは、運動したときか睡眠したときじゃないだろうか? 睡眠はしていないので、3D映画を見たことで体を動かしたのだろうか?

そういえば確かに映画の最初のほうで、森の中を走り抜けるシーンがあって、枝を避ける出演者(?)の動きに合わせて思わず体を左右に揺すっていたのだった。それに気がついたので、そのあとは体を動かさないように気をつけていたのだが、無意識に小さくでも動かしていたのだろうか?

映画を観ていて体が動いたのは、大昔にスピルバーグの「ジョーズ」で椅子から飛び上がって以来じゃないだろうか? 3D映画というのは意外に体力を消耗するのかもしれない。

1月23日追記:
二つの3Dメガネを対面させて偏光面を比較すると、左右で差が出た。なるほど、円偏光というのは、垂直・水平偏光とは違って偏光面の向きに方向性があるらしい。

3dglass

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