Blu-Rayを観て悩む
今ではPCのHDD容量が250Gとか500Gとか1Tというのも珍しくはないけれども、PCを自作するのにHDDを10Gも付けとけばいいや、とか思っていたのが数年前のことだ。思い切って買った26GのHDDをUSBで外付けにして「大容量記憶装置」として使っていたりしたもんだ。
だから、Blu-Rayディスクの容量が片面で25Gというのはとんでもない話で。しかし両面で50Gっていうの本気なのか? ひょっとして映画を見ていると「メディアを裏返してください」なんていうメッセージが出たりするるわけ? DVDの片面2層の方がよほどスマートだと思うのだが。
そんなこんなで、Blu-Rayって全世界的に普及するんだろうか? MDみたいに「日本では(一時的に)主流」ということにならないか?
でも、せっかくのハイビジョンTVを楽しむためには、つまんないバラエティ番組じゃなくてやはり大金を投じて作られた映画を見てやろうということで、ここはTSUTAYAに頼ることになる。まだBlu-Rayで買いたいと思う映画っていうのはないなぁ。そういえば初めて買った映画DVDは「ローマの休日」だった(白黒だっ!)。
でもほんとにこのBlu-Ray大容量ディスクは機械にとって扱い辛そうだ。なにしろ、TV番組を圧縮録画中にはBlu-Rayディスクを鑑賞できないのだ。Blu-rayを観ていると「もうすぐ予約録画が始まるよ」なんていうメッセージが出て興ざめだ。
しかしそれにもめげず3本ほど見た。
■Alian vs Predator Requiem
まず一発目は「エイリアン対プレデター2」だ。いやその、ドカーン、ズコーン、ダダダダッというのを見たかったので。
そういう迫力ものという点では面白かった。それにちょっと気になっている「Reiko Aylesworth」という日本人クォーターの女優さんが主演級で出演していたのが嬉しかったりして。「24」のミッシェルというと覚えている人がいるかも知れない。
このBlu-Rayディスクにはエイリアンとプレデターの図鑑みたいなのが特典映像としてついているので、好きな人はチェックすべし。「ファイス・ハガー」とか「チェスト・ブレーカー」とか、知らなくてもいい知識をたくさん学べます。
でも、こういうCGに大きく寄りかかった映画をハイビジョンで見るのはどうなのよ? という気がしたのも事実で。それは電子音ばっかりの音楽を高級HiFi装置で聞くような無力感というか、「なにやってんだオレ?」という感じかも。
電子音もCGも言ってみれば記号みたいなもので、その記号は頭の中でまた別のモノに変換されるのだから、その記号をいかに忠実に再現してみてもあんまり意味はない。と思う。記号というのは他の記号と識別できさえすればいいので、それ自体のクォリティはどうでもいいのだから。
■Battle of Britain
だから、ハイビジョンでCGとか見ても意味ないかな、と。思ってちょっと古い映画をデジタル化したものを見てみようかと。つまりフィルムで撮影したものをデジタル化してBlu-rayに収録してあるという。そういう手法でどれくらいの解像度になるかというのも興味あったし、なにより飛行機が飛ぶのを見るのが大好きだから。
「Battle of Britain」という言葉は、なんとなく第二次大戦中の大規模な空中戦のことだというくらいの理解しかなくて、今回この映画を見て大変勉強になった。だいたい歴史にはとても弱いのだ。
ナチスドイツがフランスを占領したとき、英首相のチャーチルが「フランスでの戦いは終わった。これからはブリテンの戦いだ!」と言ったことから「Battle of Britain」ということが言われるようになったらしい。
「Battle of Britain」が空中戦主体で語られるのは、つまりヒトラーの作戦としてドーバー海峡を超えて遠征する前にイギリスの制空権を押さえることを主眼に置いたためで、そのためにヒトラーはドーバー海峡周辺の英国空軍基地を徹底的に叩くという戦術に出たわけだ。
ヒトラーがその戦術を徹底的に押し進めていれば、ひょっとしたらヒトラーの野望はかなったかも知れない。しかし、実際にはちょっとしたことからドイツ空軍がロンドンを誤爆してしまい、英国がその報復としてベルリンを空襲し、ヒトラーと空軍相ゲーリングがメンツをかけてロンドン空襲に力を入れたために英国空軍に余裕ができた(ナチスの爆撃機に護衛が付かなかったとか、ドーバー周辺の基地の復旧時間を稼げたとか)のと、英国空軍パイロットの不足を外国人パイロットの採用で補うことができたことでヒトラーの野望を打ち砕いた、と。
まぁそういうわけで、画像の解像度は最新のデジタル映像と比べるとやはり今ひとつかな。画像を用意してみたが今ひとつ何のことだかわからないと思うのでこれは割愛。
それよりこの映画、実機を使って撮影し、空中爆破も海面へ墜落も実写でやっている豪気な撮影で、これはさすがに迫力がある。1969年撮影の映画だがスピットファイヤなどはいくらでもあるらしく、平気で燃やしたりしている。スピットファイヤは木造だから、骨組みもあらわに燃えてしまうわけだ。これは見ものです。
ドイツ軍のユンカースやハインケル爆撃機なんかも在庫豊富なのか、どんどん爆破していく。なんどもこういう場面を見たが、これは模型とか特殊撮影じゃないと思うんだなぁ。特殊効果としては空中爆発で「あ、色塗ってごまかしたな」というところはあったけれども、このシーンは本当に燃えているんだと思う。
反面、どうもメッセーシュミットMe109は在庫がなかったのか、どうも米軍のカーチスP40で代用しているようにも見える。Me109はもっと機種が細くて精悍だと思う。スピンナーも違うし。でも、小さな尾翼とか水平尾翼のステーとか、Me109に似せようという努力はしているみたいだ。ううむ、これは初期型なのかな?
Me109は好きな機体なので、こうやってアップになったりすると偽物かと思いつつもわくわくする(子供だ・・・)。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」でトラップ男爵を演じていた俳優(Christopher Plummer)が主役級として出演しているから、出演俳優も豪華なんだろうと思うが、私にはあまりよく分からない。
ああ、なんだかまただらだらと書いてるなぁ。
2020年10月8日追記:
コメントで「この映画では実機の1/6モデルが撮影に使われたと聞いている」という指摘があった。そう言われてみれば水しぶきなんかが1/6のような気もする。
それよりも上の方に書いた「スピットファイアは木造」という件には突っ込みがないのか?
■極大射程(The Shooter)
小説でスティーブン・ハンターの「Bob Lee Swagger」シリーズというのがあって、ベトナム狙撃兵上がりのボブ・スワガーとその父親のアール・スワガーの冒険譚が私は大好きで、昨年もなんと忠臣蔵を踏まえた最新作を大いに楽しんだりしたのだったが、そのスワガーをフィーチャーした映画がBlu-rayになっていたのでこれは面白いだろう、と。
これは面白かった、CGもほとんどないし、男の子向けにドンパチもあるし、小説の方では弁護士のサムが法廷でカッコよくやってみせた逆転劇をスワガーがやってみせたりと、見所もたくさんある。
ガンマニアの方には、特典映像のメイキングで軍事アドバイザーが紹介する様々な情報が興味深いと思う。スワガーを演ずるマーク・ウォルバーグはこの映画のために狙撃の訓練を受け、実際に1km先の標的に何度も命中させたりしたらしい。特典映像では原作者スティーブン・ハンターも登場する(こんなに太ってるのかっ)。
でも、それぞれに「別にDVDでもいいやんね?」とかいう身も蓋もない話だったりして。
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コメント
Battle of BritainのメッサーシュミットですがこれはBf109の機体にスペイン製「マーリン」エンジン「イスパノスイザ」エンジンを積んだ機体です(マーリンエンジン」はスピットファイアにつまれていたもの)
撃墜爆破シーンにはたしか1/6モデルを使用したとメイキング映像の本に載っていました
(記憶によるものなのであいまいですいません)
投稿: Tubaとうさん | 2011年9月21日 (水) 17時59分
そうなんですか。
Bf109はドイツの機体にイギリスのエンジンを積めちゃうものなんですね。
あのユンカースの爆破シーンも模型だったんですね。最近でも「ハッピーフライト」でいろいろとだまされてしまう、善良な映画ファンなのです。
投稿: Picks Clicks | 2011年9月21日 (水) 22時45分