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2010年4月14日 (水)

興味深いあとがきに悩む

Gracepaley「最後の瞬間のすごく大きな変化」というこの小説を買ってみたのは、村上春樹が翻訳していたからだ。

「ノルウェーの森」を読んだことをすっかり忘れていた私は、村上春樹自身の作品に取り掛かる前に彼の翻訳した本からじわじわ近づいてみようと思ったのだ。臆病なのだよ、うん。

この本を買ったのは昨年の夏ごろだったか、読み始めたもののなんとも面白くないので途中で放り投げていたのだった。散文というのか小説なのかエッセイなのか私小説なのか、なんともよく分からない本で、「こういうつまらない原作でも村上春樹だったら日本人が読むに耐えるものに仕上げるだろう」と出版社が考えて村上春樹に翻訳を依頼したのだと思っていた。

1/4ほど読んだところであまりにつまらないので、なにか面白くなるネタはないかと思ってあとがきを読んでみた。すると、驚いたことに村上春樹自身があとがきを書いていた。

「グレイス・ペイリーは現存している中で、もっとも留保のない敬意を受けているアメリカ人作家の中の一人である、といって間違いないと思う。」と村上はあとがきを書き始めている。ふうん? 何でもこの作者のグレイス・ペイリーという人は独特の文体を持っている人で、多国語に翻訳するのは難しいだろうとアメリカ人が考える類いの人らしいのだ。

で、村上春樹はこの原作者にぞっこん惚れ込んでいる、と。ふうん。

本の内容よりもあとがきの方が面白いことってたまにあるのだが、この本もあとがきが興味深かった。あとがきを読んで本文を読む気力が出てきたので、昨日時間をとって一気に読んだ。後半でそれぞれのエピソードにつながりが見えてきて、内容に興味が持てるようにはなったが、でもそんなに面白くもなかった。人が死んだり生まれたり妊娠したりということがこともなげに書かれていて、ぞれらが全然ドラマチックでないというあたりは何となく村上に共通するものがあるのかもしれない。しかし私には何が面白いのだか、さっぱりわからない。

あの「あとがき」は「まえがき」にして本の最初に置いておくべきだ、と思う。そうすればもう少し読者を増やせるんじゃないだろうか。


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