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2010年5月30日 (日)

DPI認可に悩む

今朝の新聞によると、総務省がDPI技術の利用促進にゴーサインを出したとか。

DPIというのは「Deep Packet Inspection」と解説されているが、要するにインターネット・プロバイダが利用者のアクセス記録を販売することを可能にする技術だ。私は技術を利用することについて絶対に反対する。

通常、インターネットの「アクセス記録」というのは、サーバ側(コンテンツを保持しているところ)でアクセス元を記録することを指している。下の図に書いたように、利用者の情報はインターネットプロバイダによって隠蔽されているので、利用者が特に情報を漏らさない限りはWEBサイトに通知されることはない(警察や裁判所の指示により、プロバイダが情報提供することはあります)。

Webaccess_2

しかし、今回総務省がゴーサインを出したというDPIでは、プロバイダが利用者のアクセス情報を出すので、その管理が問題になる。何しろプロバイダは利用者の住所氏名はもちろん、課金のための口座情報まで持っているのだから、それらをプロバイダのビジネスのために売り買いされるのは不安でしようがない。

Dpirecord_2


家庭や職場では複数の人間が同じインターネット接続を利用しているのだから、それらの混合した情報がどんなふうに解釈されるのかも分からない。

もう一度繰り返すが、インターネットプロバイダがDPI情報をビジネスに利用する事には反対する。そういうプロバイダは使わないし、もしも今使っているプロバイダがそういうことを始めたら、プロバイダを変える。

6月1日追記:

拙速に書いたので、タイトルがおかしいが、まぁそのままにしておこう。「DPI認可」じゃなくて「DPI容認」とすべきだったが、その時には思いつかなかったのだ。

朝日新聞によると、昨年4月から有識者による作業部会で検討してきた人のことだが「「総務省の事務方は積極的だったが、参加者の間では慎重論がかなり強かった。ただ、『利用者の合意があれば良いのでは』という意見に反対する法的根拠が見つからなかった」という作業部会参加者の声がある。つまり総務省事務方が出世のための手柄が欲しくて頑張ったということなんじゃないのか?

「利用者の合意があればよい」というのはその通りだが、その合意をどうやってとるのかが問題になるだろう。「あなたのインターネット上での振る舞いはすべて記録されて公開されます」という刺激的な表現になるのか、もっともってまわった曖昧な言い方になるのか、なんにしても利用者が「理解して」合意したことをどうやって証明するんだ?

例えば利用料金を無料にするとか、明らかに「これはなにか仕掛けがあるな?」という状況で「実はDPIでして」というのなら明確な合意になるかもしれない。それはそれでいいとは思うが、中途半端なDPI容認はヤメロ。

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コメント

『個人情報保護法に関する疑問と回答』(下記参照してください)
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/kojin/gimon-kaitou.html#1_1 
(HPが消費者庁管理になったようです。URLがちがっています。下記を参照してくだい。
http://www.caa.go.jp/seikatsu/kojin/gimon-kaitou.html#1_3

上記Q1-3には「個人情報保護とはどういうことですか。プライバシー保護とは違うのですか。」 という質問がのっています。その回答の一部に「個人情報保護は、個人情報取扱事業者が個人情報 の適正な取扱いのルールを遵守することにより、プライバシーを含む個人の権利利益の侵害を未然に 防止することを狙いとしていす。」という内容があることを確認できます。 つまり、内閣府では プライバシーを含む個人の権利利益の侵害を未然に防止することを目的にして、 とくに個人特定に 関わる情報を個人情報として守るべきであるということを明示しているということです。 この内閣府の個人情報保護法に関するHPは小泉元首相(自民党)の政権の時に個人情報保護法が成立し て以降掲載されています。少なくとも、一般庶民の個人情報も含めた情報保護法です。

しかし、一方で、「一般庶民は・・・」という一節が好きな人がいるのも確かです。 このような人の中には「一般庶民の個人情報は漏洩しても問題ない。」と言わんばかりの人 がいます。しかし、内閣府でもそのようなことは言っていませんし、もちろん、個人情報保護法 を制定した小泉元首相も、その後の首相の安部元首相も民主党の鳩山元首相も「一般庶民の個人 情報は漏洩しても問題ない。」 という発言はしていません。

投稿: Tea and Coffee Time | 2010年6月27日 (日) 18時51分

『Wikipedia』の「楽天ad4U」(下記参照)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%BD%E5%A4%A9ad4Uにおいて楽天が『infoseek』というサイトに「アドフォユー(ad4U)」というシステムを使い、 検索サイトにアクセスした利用者のパソコンから、他社サイトにアクセスした履歴に関す る情報を収集し、広告配信に利用していることが判明して、総務省から「社会的なルール に反する。」と批判されたということが掲載されています。一方的に個人のアクセス履歴 のような通信情報を収集するのも問題があるということです。

アドフォユー(ad4U)は非難したのにDPIを容認するのはおかしくないでしょうか。

私たちの「ライフログ」収集とプライバシー保護の問題は密接に関係しています。右記 『ライフログ集合体と個人情報・プライバシー問題』を参照してください。
http://infowave.at.webry.info/201001/article_2.html(名前にリンクがあります。クリックしてください。)また、特に携帯電話の位置情報は特に重要なプライバシーとして保護されています。 下記『ユビキタス・クラウドコンピューティング時代の情報セキュリティと電波首輪理論』 を参照してください。 http://infowave.at.webry.info/201001/article_1.html総務省顧問の政治家の方も個人情報に関しては
『個人情報保護法改正の議論を始めよう』(下記参照)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/e51128c894c86ebef042aaaaa985cd11において、『「個人情報保護法とは、その名の通り「国民の個人情報」 を保護するのではなくて、「個人情報」を行政機関(警察・検察
など捜査機関を含む)が自由自在に使える状態となってしまって いて、行政機関がどのように「個人情報」を扱っているのかにつ いては、当事者である個人がアクセスしようにも、「個人情報だ から教えられません」という倒錯が起きている。「自己情報コントロール権」 が銘記されなかったせいだ。」』と述べています。今後「自己情報コントロール権」 がさらに注目を集めるようになるかもしれませんよ。

投稿: Tea and Coffee Time | 2010年6月27日 (日) 19時05分

『個人情報が“任意”で検察に提供されていた 』http://news.biglobe.ne.jp/politics/669/gen_100522_6692405093.html
(以下引用)
「果たして杞憂(きゆう)される事件が起こった。昨年7月、taspoの 利用履歴が検察に提供されたと報じられたのだ。taspoの発行主体である (株)日本たばこ協会が、特定の利用者個人の自販機利用日時や場所などの履歴 情報を検察当局に任意で提供していたことが明らかになったのだ。 「関係者の話などによると、協会は求められた個人の生年月日や住所、電話番号、 カード発行日などのほか、たばこ購入の日時や利用した自販機の所在地を一覧表に して提供。免許証など顔写真付き身分証明書の写しが添付された申込書のコピーを渡
した事例もあった」(「東京新聞」09年7月26日付・朝刊)」(以上引用)
上記の(株)日本たばこ協会の例はインターネットにおける場合に当てはめると 下記『インターネットの匿名性・通信の秘密と人的情報漏洩の可能性』
http://infowave.at.webry.info/200804/article_1.html (名前の部分にリンクしてあります。クリックしてください。)で言えば 「正式な令状がないのにもかかわらず事業者(ISP)側が任意で情報を提供してし
まう状況」になります。

ライフログ等のプライバシー情報の任意の情報漏えいが杞憂でない可能性も高いのではないでしょうか。

また、掲示板やホームページ、あるいはブログの意見を消去せずに言語統制や集団ストーカーの関係を調べるよい方法がいくつか考えられると思うのですがどうでしょうか。

投稿: 個人情報が“任意”で検察に提供されていた | 2010年6月27日 (日) 19時42分

総務省は個人の位置情報(位置登録情報と呼ばれていたものを含む)に関して、 「位置情報は通信の秘密に該当しないと解する場合であってもあるひとがどこ に所在するかということはプライバシーの中でも特に保護の必要性が高い上に 通信とも密接に関係する事柄であるから、通信の秘密に準じて強く保護すること が必要である。」ということを『電気通信事業における個人情報保護に関する ガイドライン』の26条に記載しています。(下記参照)  http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/051018_2.pdf
(以下引用)
「(位置情報)第26条 電気通信事業者は、利用者の同意がある場合、裁判官の 発付した令状に従う場合その他の違法性阻却事由がある場合を除いては、位置情報 (移動体端末を所持する者の位置を示す情報であって、発信者情報でないものをいう。 以下同じ。)を他人に提供しないものとする。」(以上引用)

したがって、個人の位置情報を一方的に入手し、個人を追跡するという事は禁じられているのです。東京などの大都市もふくめて、「情報漏洩・盗聴される人のほうが悪い、問題がある。」という 主張をする人は情報漏洩・盗聴犯罪を公認していると考えられるのではないでしょうか。 警察でも令状が必要な傍聴を「盗聴される人のほうが悪い、問題がある。」と 判断して盗聴をしてもよいと考えるのは誤りですし、令状が必要な個人情報提供を任意でしてしまうと、個人情報保護法や総務省のガイドラインが無意味になってしまいます。盗聴の場合は、 傍聴法に基づいて令状・国会報告が義務付けられています。国会報告のない、(逮捕されない場合に)本人連絡のない盗聴がある場合は傍聴法 の運用判断する国会報告自体が疑われることになり、傍聴法は「民主主義を入り口 でとめる」悪法、盗聴法ということになります。
もちろん、一方的な「社会調査等」を理由にした民間盗聴は許されていません。 もしも許されるならば、東京を中心に違法盗聴が蔓延します。 クラウドコンピューティングを含むユビキタスの時代が来ています。個人情報保護・盗聴防止に関して「法治」でっち上げの「放置」国家であるということを国際的に宣伝し ないようにしなくてはならないはずです。 「盗聴されて困ることがにならば、 一般庶民は盗聴されてもいい。」という意見は盗聴される情報の価値を無視した 愚かな意見であると考えられます。 位置情報に関しても令状なしの任意提供がなされているようですと、総務省の ガイドラインも全く意味がありません。日本が盗聴や個人情報保護に関して「法治」 しかし、実情はどうでしょうか・・・。

参考:『ユビキタス・クラウドコンピューティング時代の情報セキュリティと電波首輪理論』
http://infowave.at.webry.info/201001/article_1.html
『ライフログ集合体と個人情報・プライバシー問題(『思考盗聴』とよばれる現象の一種について)』
http://infowave.at.webry.info/201001/article_2.html

投稿: 総務省の位置情報に関するガイドラインに関連して | 2010年6月27日 (日) 19時52分

以前、「盗聴された情報の価値」が注目された、「日本共産党幹部宅盗聴事件」という事件がありました。下記『Wikipedia』 参照しください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A%E5%B9%B9%E9%83%A8%E5%AE%85%E7%9B%97%E8%81%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6

ここでの問題は、「被疑者らは盗聴行為の全般を通じて終始何人に対しても警察官による行為でないことを装う
行動をとっていた」ということらしいです。このことにより、職権乱用であるという判断がで なかったようです。しかし、現在では傍聴法に違反する盗聴行為は付審判請求の対象になるようです。 下記「付審判請求」参照してください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%98%E5%AF%A9%E5%88%A4%E8%AB%8B%E6%B1%82

というわけで、警察の傍聴は傍聴法に基づいて行われます。それ以外の傍聴(盗聴?)は違法のはずです。

『傍聴法は盗聴法?(国会報告による運用判断と無関係盗聴の増加)』(下記参照)
http://infowave.at.webry.info/200912/article_1.html

警察官や自衛官のような公務員も勤務時間以外のプライバシーを監視されることを 望んでいるとは判断できないようです。問題は、「自分たちが監視されるのは嫌だが、 他の人を監視することに関しては、義務的な仕事でなくても監視しなくては気が済まない。」 という人たちがいるということではないでしょうか。 現状では、若い世代の人たちを中心にライフログ収集のもとになる機器である携帯電話を離せない人が多いのは事実ですよね。 でも、自分が使う携帯電話を監視の手段として使われるのはいやです。携帯電話をつか った 監視が技術上できない時代ではありません。気をつけましょう。 下記参照してください。

参考:『ユビキタス・クラウドコンピューティング時代の情報セキュリティと電波首輪理論』
http://infowave.at.webry.info/201001/article_1.html
『令状主義と電波首輪理論の成立可能性』
http://infowave.at.webry.info/200812/article_1.html

投稿: 「盗聴された情報の価値」・・・共産党幹部宅盗聴事件と付審判請求 | 2010年6月27日 (日) 20時01分

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