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2010年7月16日 (金)

ムーラン・ルージュで悩む

先にも書いたようにパリで一日フリータイムを作ったので、ここはひとつ何でもいいからレビューを観に行こうと出発前からざっくりとした計画をしていたのだった。ただ、夜の移動は怖いので送り迎えがないとなぁ、というのが懸念材料。パリで2連泊するホテルに夕方たどり着き、コンシェルジェ・デスクで話をしてみるが、担当のクリストフくんは英語が今ひとつな上に「私では予約できない」とかいう。

「こんなツアーがあるけど」と出してきたのが「ミニバスツアー」という日本語のパンフレット。同じパンフレットがフランス語、スペイン語、ドイツ語でならんでいるのだが、英語版だけがない。その日本語版で、どれかを選んで持ってきてくれたら空きがあるか聞いてみるというので、じっくり調べた結果「イルミネーションツアーとリド(Lido)」と「イルミネーションツアーとムーラン・ルージュ(Moulin Rouge)」というのを選ぶ。LIDOのWEBサイトを見てみると、なんだかステージ上に飛行機が出てくるらしいので、飛行機好きの私としてはそちらを優先ということで。

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でもなんだか結局クリストフ君ではなんだかよくわからないらしく、「翌朝7時に担当者が来るから、彼に言ってくれ」となる。そいで翌朝にLIDOにはふられたが何とかムーランルージュには席が取れたので(ドライバーが英語だがいいか、というのでそれでいいと即答)それで予約を入れる。2人で300ユーロ強だった。

Monmartolt6で、日中は暑い中をパリ市内を歩きまわって、ジプシーさんたちにお金をねだられたり(これに応えて財布を出すと強奪されたりするらしい)、地下鉄にも回数券を元を取るまで乗って、自己診断で熱中症ということにしてモンマルトルの丘の麓のcafeでへばったりしてサンドイッチでも食べようかというと、こんなにボリュームのあるものが出てきたりする。こういうのはアメリカだけにして欲しいよほんとに。

Calzoneへろへろになってホテルに帰りつき、ひと風呂浴びて近くのピザ屋で夕食をとってミニバスのお迎えを待つ。約束は9時である。7月のパリの9時はまだ明るい。ピザ屋ではカルゾーネを頼んでみた。私の認識ではカルゾーネというのはピザを半月状に折りたたんで焼いたものだと思っていたのだが、ここでは「openにしますか?closedですか?」とか聞かれて、迷わず「Closed!」と答えたのだが、「openで!」と答えたらどんなものが来たのだろうかと後で悩む。closedなカルゾーネは春巻きみたいな形で来た。


Benjaminほぼ9時に運転手のベンジャミン君が迎えに来る。ベンジャミンとはフランス人らしくない名前のような気がするが、まぁ英語が通じるのでよしとする。ベンジャミンの客は他にもいるらしくて他のホテルヘ回ってアメリカ人5人を拾う。このアメリカ人たちはどういう知り合いなのかわからないが、男性一人、女性4人というよくわからない組み合わせで、女性のうちの一人は老けたマドンナという感じでフランス語が堪能らしく、街の案内をしゃべりまくるベンジャミンにも負けずにフランス語でケータイに話し続ける。

イルミネーション・ツアーがどういうものなのだか事前にわからなかったので、まぁ連れていかれるままにあちこち見て回ったわけだが、たいていはその前にツアーで見た回ったところだった。ツアーと違うのはベンジャミンの運転が乱暴なことで、これはわざとやっているフシもあるのだが、例えば凱旋門の周りは巨大なロータリーになっているのだけれども、その外周へ飛び込むやアッという間のジグザグ運転でロータリーの最も内側へ入り込み、速度を落として「あの凱旋門の下で燃えている火が無名戦士の墓です」とかいう説明をしたりする。

Iluminationfltowerあちこち回っているうちに10時になるが、まだムーランルージュへ行く様子がない。するとベンジャミンは車をエッフェル塔の見えるところへ止めて、客を皆降ろし、「さぁ写真を撮れ」とかいう。なんのことかと戸惑っていると、エッフェル塔がストロボみたいなのでキラキラと輝き出す。毎晩10時から毎時5分になるとこんなふうに光るらしい。そうかなるほど、イルミネーション・ツアーとはこのことだったか。

しかし、ムーランルージュはどうなってるんだ? 「はい、こちらがムーランルージュです、では次は・・・」てなことになるんじゃないだろうな? と思って「ショーはいつ始まるんだ?」とベンジャミンに聞いてみると「え~、11時から」とかいう。「11時!? じゃぁ、終わるのは?」「1時」「え~っ」そりゃゆっくりするはずだわ。この開始時刻についてはパンフレットでは触れていなかったのだ。何時に終わろうとも、帰りに送ってもらえるのは間違いないはずなので、まぁいいか、と。

Moulinrouge3で、11時ちょっと前にムーランルージュに到着して、「じゃぁチケット取ってくる」ということでベンジャミンが人数分のチケットをもってくるが、これがなんとも不思議なチケットで、まるで日本のテレホンカード。席番号も何も書いていないが、アメリカ人たちのカードとは微妙に色などが違っている。

で、チケットを持って入場の列に並ぶわけだが、これが長い。非常に長い。列に沿ってたらたら歩いていると並んでいるやつが「1km先だよ」とか言っていたりする。さすがに1kmはなかったが、今地図で調べてみたら少なくとも200mは並んでいたようだ。私たちの後ろにどれくらい並んでいたのかはわからない。

11時過ぎから列が動き出したが、それでも20分くらいで入場できたのはどういうシステムなのだろうか? カードを見せると、あんたはこっちとかいうふうに誘導されて、ちゃんと指定された席らしきところに到着する。ドレスコードがあったので私はジャケットを着ていったが、ジャケットなしでも大丈夫なようだった。でもTシャツに短パンのおっさんは入場を断られていた。

入場の際に「カメラ持っているか?」と質問されるが、ベンジャミンから「カメラは持っていないと嘘をつけ。日本人が嘘つかないのは分かっているが、頼むからここは嘘をついてくれ。カメラを預けたりすると、あとで取り返すのが面倒なのだ」と頼まれていたので「カメラは持っていない」と嘘をつく。写真もビデオも撮影はご法度なのだ。こっそりやれば写真を撮れなくもないと思ったが、モニタ画面を咎められてカメラを取り上げられたら面倒だと思って、嘘をそのまま実現する。

会場は満席でぎゅうぎゅう詰め。千数百人は入っているのではないだろうか。我々の席はステージから10mくらい離れた6人席の真ん中で、ステージ側には母娘、奥側にはフランス人かスペイン人なのか夫婦が座っている。

ほとんど無きに等しい席の隙間を縫ってウエイターがシャンパンを注ぎにくる。割と近い席でシャンパンを抜いた「ポン」という音でフランス人の夫のほうが「アウッ」とかいって撃たれたふりをする。奥さんのほうは「また馬鹿なことをやって・・・」という苦々しい顔つきだ。なんとなくよく見慣れた風景のような気がするので、次の「ポン」で私が「アウッ」と撃たれたふりをすると、さすがのフランス人奥さんも苦笑していた。3発目はなかった。

で、ショーが始まるわけだが、一言でいうと「予想を遥かに超えていた」ということになる。写真もビデオもないし、DVDがあれば買ってくるところだったのだがそれもなかったので、こちらのご本家のフラッシュで刹那的に楽しんでいただきたい。短縮版フラッシュが終わったあとの画面右下にあるメニューから「VIDEO」を選ぶと、五分半の動画を見ることができる。

Moulinpool何が予想を超えていたかというと、例えば客席とステージの間に幅5mくらいの水槽がせりあがってきてダンサーがそこに飛び込みますわな。で、水槽の中をよく見ると、体長5mはあろうかという大蛇が3,4本泳いでいるわけです(客席から悲鳴!)。そのなかで、ダンサーが蛇をからだに巻きつけたりしながら泳ぐというか踊るというか。

全般的に踊りは素晴らしかったのだけれども、それより驚いたのは「あれ?胸が透けて見えてるんじゃないの?」「いや、透けているんじゃなくて、隠すつもりがないの?」というあたりで、それも決していやらしい感じではないというのはさきのフラッシュを観ていたいだいてもわかると思う。

女性ダンサーには厳然とした序列があるようで、まずはトップクラスの3人がいて、その中でも先のプールへ飛び込んだひとがおそらくトップスターなのだろう。この3人はたいていトップレスだが、それに続く順位の人たちが14人ほどいて(かぞえたのだ)この人達もトップレスになったりならなかったり。それ以外の10名ほどはトップレスになることはないようだった。

ダンスショーの合間にはなんというのだろう、芸人さんのステージがあって、これまた半端でない。例えばジャグラーが出てくるが、これがジャグリングバーを6本まで使う。3本でやっているときもバーを高速回転させるので、いっときも目を離せない。いったいどうやっているのかわからないが、バーを縦に回したり(これは普通だが)水平に回したりもしていた。

他にも男女のアクロバットショーでは、直立した男性の頭の上で女性が一点倒立をやっていた。つまり、両者は頭のてっぺんで接しているだけで、それでバランスを取っているわけです。その態勢のまま、男性が腰をかがめていったりとか、まぁいろいろよくまぁそこまでやるな、ということまでやってくれます。

もうひとつの芸人は腹話術だったのだが、これはどうやったのか、生きている犬がしゃべっているかのように口を動かすというのをやっていた。客を舞台にあげていじり倒したり(腕をつかんだら口を開けてくださいというふうに仕掛けている)するので客席は大受け。北京から来たという中国人のいじられ方が不愉快だったらしく、ステージの最後まで我慢しつつもふくれっ面で退場。つまり中国人の彼に口パクさせながら芸人が中国語の物真似をするのだが、それが西洋人的にはオッケーなんだろうけど全然似ていなかったので。

そんなこんなで、ショーが終わったのは1時20分ごろだった。まぁすっかり魅了されていたということになる。予め打ち合わせていた集合場所へ戻り、ベンジャミン君の運転でホテルまで送ってもらう。「君たちのほうを先に送るから」ということで、ホテルに着いたのが2時少し前だった。ああ疲れた。

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