作文技術で悩む
「理科系の作文技術」という本がある。「理科系の」というところで「あ、オレには関係ない」と思う人がいるかも知れないが、それは間違い。このタイトルで著者が言おうとしているのは「文学じゃなくて、効果的にものを人に伝えるための作文技術」ということだ。タイトルの付け方には失敗してるね。
私はこの本のおかげで、なんかいか懸賞論文の当せんしたりした。これは本当だ、それのおかげでラスベガスへ行かせてもらったりもしたのだ。だからってわけでもないが、この本は新入社員なんかにも勧めたり、会社に買わせて新人に配ったりしている。
気合を入れてこの本を読むと、文章ががらっと変わるのだ。即効性があるのもこの本のいいところだ。後半の1/3ほどは英語論文の書き方なんて方向へ迷走しているので、全部は読まなくてよい。
そのイントロの部分がこちらのサイトで公開されている。まぁちらっと目を通してみて欲しい。絶対役に立つから。
文章の書き方についてはいろんな本が出ているが、全部この本の焼き直しだ。焼き直しが元の本よりも劣るとは限らないが、まずはこの原典を読んでおくといいと思う。
ということで、「これだけは読んでおけ、と思う本」というネタがふられていたので反応してしまいました。
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ブログネタ: 「これだけは読んでおけ!」と思う本は?
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コメント
実を言うとこの手の本はすぐにほしくなるたちでありますので、早速読んでみたいですね。
私が読んだ中で役に立った本は、「日本語の作文技術/本田勝一」です。日本語は情緒的で理路整然とした文には向かないという俗説を否定していて、論理的な文の書き方の勉強ができました。あとは国語学者の大野晋の本も好きです。
投稿: taki | 2010年8月 7日 (土) 19時53分
この本は本当にお勧めです。「理科系の」というのは「仕事に使う」という意味なのだ、ということが本文中に書かれています。
日本の国語教育というのは情緒的な表現に重きを置きすぎていて、例えば遠足の感想文には「何時何分にどういうメンバーでどこを出発して、何時にどこへ到着し・・」ということは一切問われず、「みんなと一緒に遊んだのが楽しかったでした」みたいな何を感じたのかを表現することを指導される。
本書ではこれをアメリカ流の児童向け作文指導と比較し、さらにはアメリカの理系大学で学生が最も役に立った授業として「物事を説明的に書くコンポジション」を代数に次ぐ上位に上げていることを指摘している。
仕事の文章で大切な事は「誤読のないように書く」ということで、その例として「黒い目の綺麗な女の子」というものが挙げられている。これ、何通りに解釈できると思いますか?
などなど、この分野に興味があるのなら、是非是非是非読んでいただきたいです。
投稿: Picks Clicks | 2010年8月 8日 (日) 10時56分