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2010年12月22日 (水)

非ピタゴラス音階で悩む

5音音階とか7音音階とか17音音階なんてものをやってみようと思ったのは、「とにかく普通じゃないことをやってみたい」というのが動機だった。当時は今ほど機材が充実していなかったので(今でも大したものはないのだが)、計算しちゃグダグダ言ってみるという程度のことしかできなかったのだが、いまならいろんなアプローチができる。

しかし、「ピタゴラス音階で悩む」を書いていてちょっと考えが変わった。

前稿で書いたように、ピタゴラスの定義した12音音階は和音をつくり易い構造を持っている。もともと2:3という比率から展開していった音階なのだから、オクターブを無理やり5等分ないし7等分した変則音階とは整数との親和性が違う。

しかし、その「和音との親和性」は12という数に依るものでもなく、2:3という比率に起因するものでもない。例えば2:5ではどうか?4:5ではどうか?7:8では?同じように整数比を取りやすい、つまり和音を作りやすい音階ができるのではないだろうか?こうやってできた音階は無理矢理にオクターブを均等割した平均律変則音階に対して、純正調変則音階と呼ぶことにする。

いろいろな整数比から、うまく均等に1オクターブを埋められるような組み合わせを探すと、例えばこんな例を得る(整数比を「2を底とする対数」で表して整数倍して比較した)。

生成比率音階音数
3:412
3:519
5:619
6:79
8:96
11:128

ここで、3:4というのはピタゴラスの2:3と等価である。なぜなら3:4というのは4度の音程だからピタゴラスが5度の音程で音階を作っていったのを逆方向にたどったのと同じだからだ(5度音程と4度音程で1オクターブになる)。

3:5と5:6で同じように19という値が出るのも同じ理由による。

だから、こうやって探してみると、6音音階とか8音音階とか9音音階とかいう12音音階とかぶりっぱなしの音階と、ちょっと難しすぎる19音音階というのが出てきてあんまり面白くない。

じゃぁ逆に5音音階とか7音音階に近い音階を与える整数比はないのかというと、7:8が5音音階に、11:10が7音音階に近いのだが、あまり精度が良くない。つまり一回りしてもオクターブがうまく合わないのだ。このどちらもオクターブのところで80Cent(12音音階における半音を基準として)以上の誤差がある。

ということなので、変則音階についてはなんだかあんまり希望が持てない感じではあるのだが、せっかくだから平均律5音音階と純正調5音音階を聞いていただこうか。


まず、これが平均律5音音階。

こちらが純正調5音音階

やけくそになって二つ同時に鳴らすと、こんな感じ。

本当はこういった変則音階でメロディを作って出来れば和音も付けて、ということをやってみたかったのだが、またこれは別の機会に。

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