韓国軍応射の着弾に悩む
こんなニュースが流れていて、韓国軍が北朝鮮からの砲撃に応射した着弾の痕が目標とすべき砲台から外れているっていうんだけど。
一体この地図がどのへんなのかがよくわからないので、地図に書いてある座標を元に探してみる。
「37-47-14N 125-35-25E」と書いてあるのをフォーマットを変えて「N37d47'14", E125d35'25"」という形式でGoogleの「緯度経度指定による地図の起動」に入力してやると、こういう所が見つかる。(見つかったところを右へ65度回転させた。最初の写真では真上が北でないことに注意。)
回転させる前の写真がこちら。
もっと周りが良く見えるようにするにはこんな地図が必要になる。
これでもまだわからないよね?今回の事件全体を見渡せる地図にしてみよう。
この地図で右下に見えるのが砲撃された韓国の延坪島だ。北朝鮮が砲撃を行ったケモ里(「ケモリ」と読むらしい)はこの地図では赤い長方形の右下のあたりになる。
で、悩んでしまうのだが、延坪島から目標のケモ里までは10kmとかそんなもんだ。そこを狙って射ったものがさらに山を超えて2km先の着弾地とされているところまで飛んだわけだ。これが本当なら韓国軍ってのは本当に射撃が下手なんだな。80発射ったうちの14発だという事だから、ほかはちゃんと狙ったとおりに飛んだのだろうか?
たしかに延坪島からケモ里への延長線の先に着弾地点がある。でも、あの山の陰になってるからあそこに着弾したというのがどうも納得行かない。ニュースの記事にいうところの「延坪島北方十数キロの北朝鮮・ケモリ海岸周辺を撮影した。」というのがだいたい違ってるし。
なんか、このニュースは変だなぁ。
同日追記:
このエントリの最初に掲載している写真はアメリカの商用衛星からの写真なのだが、日本TVのニュースでは下に掲載したように韓国軍発表という着弾写真が掲載されている。つまり、着弾精度はもっと良かったですよ、ということらしいのだが、詳しいデータがないのでさっぱりわからない。だいたいこの写真自体、何が映っているんだかもっと説明がほしいところ。
同日深夜っていうか翌日になっちゃった時点で追記:
つまり黄色の輪で囲んだところが着弾なわけか。で、赤い丸で囲んだのが北朝鮮の兵器である、と。で、赤い大きな円が10mラインで、その10mラインまでに二発着弾しているぞ、と。
でも、北朝鮮が主力としているらしい海岸砲というのがあって、それは海岸にこんな風にして設置されているのだそうで(点線の丸で囲んだところが射出口)。
この奥に設置されているのは76mm砲だったかな?15mのレールが敷いてあって前後に動かせるので、ババババと撃って7分後には避難しているのだそうで。だから13分後に撃ち返したって何の打撃も与えられない。それなら砲撃が始まって4分後には飛び立っていた戦闘機で攻撃するしかなかったわけだが、それは事前にわかってなかったのかな? だから地上に置きっぱなしの大砲なんて北朝鮮としてはやられても何の痛痒も感じないんだろう。ひょっとしたら得意のダミー兵器かもしれないし。
12月11日追記:
ふと、Google Earthで該当地域(北朝鮮側)を見てみると、撮影日が2010年11月25日になっている。砲撃の2日後だ。このあたりを特に高精度に撮影したものらしく、砲弾の後もくっきり見える。問題となった14発着弾のところもこんな風に見える(画像をクリックで拡大されます)。6つの掩蔽壕がみえるが、砲台はないのかそれとも元々ダミーなのか。
しかし、韓国軍の着弾はあまり被害を与えていないようだ(画像をクリックで拡大されます)。画面上のほうに見える援兵壕の辺りには着弾していない。それあのちょっと南(下)にはいくつかくぼみが見えるのだが、これは着弾か?さらに下のほうを見ると小さな山の南側にあばたのような穴がたくさん見えるが、これが着弾なのかそれとも北朝鮮側の兵器なのか?
茂島(「ムド」と読むらしい)も今回の撮影で綺麗にに見えるようになった。島中に塹壕が張り巡らされているから兵士はここを伝って移動するのだろう。着弾らしきものが所々に見られるが、やはりあまり被害を受けたようには見えない(画像をクリックで拡大されます)。
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