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2011年3月20日 (日)

補数和音で悩む

8と2を足すと10になるので、この場合「2は8の補数である」とか言ったりする。厳密にいうと「2は8の(10の)補数である」ということになるのだが、これは「(9の)補数」というのもあるからで、8に対する「(9の)補数」は1になる。カッコを付けているのはこれをつけないと「2は8の10の補数である」とかいう変な日本語になるからだ。

こういうことは小学校で習っているはずで、これらの概念がないと引き算がパッパッパとできないのだが、「補数」という言葉ではおそらく習っていないだろうと思う。

補数という言葉がよく使われるのはコンピュータの世界である。コンピュータの初歩を学ぶときにこの言葉と概念が必要になるのだが、最近ではそのあたりの基本がどうも疎かになっているように思えてならない。コンピュータの世界では2進法を使うので、補数も「(2の)補数;2's Complement」と「(1の)補数;1's Complement」ということになる。この言葉に戸惑った人も多いことと思う。


音楽の世界でこの補数について語ろうと思う。補数和音;Complementary Chordという言葉は世の中にないようなので、僭越ながらここで定義させていただく。

「あるスケールに対してダイアトニックな和音について、そのコードに含まれないスケール音で構成される和音を補数和音と呼ぶ。」

本当は「裏コード」という言葉を使いたいのだが、この言葉はすでに広く使われているので新しく言葉を作ることになった。

補数和音というのは、例を挙げると例えばCのスケールでCM7に対してDmということだ。

CM7
Dm


ではこの補数和音というものをどう使うのか?というと、バッキングとかソロに使えるのではないか、と考えている。

CM7の雰囲気のなかで、CM7-Dm7-Em7-Dm7-CM7という動きがとても自然になじむように、補数和音がさまざまな局面でその局面に与えられているコードに対するバリエーションとして使えるのではないか、と考えた次第。

従来、こういう場面では「アッパー・ストラクチャ・トライアド:Upper Structure Triad;UST」が使われてきた。私もそういうものを使ってきたのだが、これはスケールをほぼ無視して、単純にコードのテンションを重視して使うものであるために、いささか無理矢理という感がなくもなかった。補数和音はスケールを元にしているので、USTに比べてスケールに対して無理がない、のではないだろうか?

このあたりのことを厳密に語ろうとすると、例えばCとCM7では補数成分が違うとか(CならBm7-5、CM7ならDmになる)、ダイアトニックでないコードはほんとにどうするんだとか、いろいろツッコまれどころが出てくると思うのだが、そこはまぁ、大目に見てくださいよ、ってことでなんとなく表にしてみるとこんな感じになるのかな?

TriToneQuadToneUpper Structure Triad
OriginalComplementOriginalComplement7th9th11th13thChord
CBm7-5CM7DmBDFABm7-5
DmCM7Dm7EmCEGBCM7
EmDm7Em7FDF#AC#DM7
FEm7FM7GEGBbDEm7-5
GFM7G7AmFACEFM7
AmFG7Am7Bmb5GBDF#GM7
Bmb5Am7Bm7-5CM7AC#EG#AM7

だからどうなんだ? と言われると、「え~、ですから例えばCM7とBm7-5とDm7は代理コードってわけじゃないんですけど等価なんです」とか意味不明なことを口走ってしまう日々なのであります。

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コメント

>CM7とBm7-5とDm7は代理コードってわけじゃないんですけど等価

補数和音という言い方は面白いですね。でもDm7やBm7-5はCM7のアヴォイドノートF音が入るから、代理にはなり得ないですが、等価というのがよく分かりません。逆にDm7に対してはCM7はアッパーストラクチャーになり得ますね。
私はアッパーストラクチャーはスケール無視ではなくて、コードのスケールでアヴォイドノートを外した音を3度で重ねていくという考え方もできると思います。

ところで以前に12音階ではない音階の話がありましたが、その時にご紹介しようと思って見つからなかったサイトが見つかったのでご紹介します。理論は全然読んでませんが、サンプル音は面白いです。

http://www25.tok2.com/home2/atsushi1007ogata/

投稿: taki | 2011年3月20日 (日) 22時05分

「等価」というのはアドリブをする立場から見ると同じようなものだ、とか言い切るとちょっと語弊があるかもですが、まぁだいたいそんなところです。

関係調とか関係コードとか、コードとコードの関係性としてこういうのもあるなぁ、ということで。

17音階のページはなんだかよくわかりませんね。理論ってどこに書いてるんでしょう?

投稿: Picks-Clicks | 2011年3月20日 (日) 22時55分

理論はページをずっと下の方に行くとあります。どうも広島大学の先生のようです。多分、ヴィブラフォンつながり。
こちらに論文へのリンクがありました。これも読んでないです。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/beam/ogata.html

投稿: taki | 2011年3月21日 (月) 00時20分

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