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2011年6月26日 (日)

高速鉄道で悩む

高速鉄道といえば、かつては日本の新幹線が最先端だったわけだが、フランスのTGVが300Km/hとか、中国のが380km/hだとか、韓国にもなんだか速いのがあるらしい。

で、今月末から来月にかけてちょっと注目すべきイベントがあるので、そのへんをおさらいしてみようと思う。

Chinabulet

まず、今月末には中国で北京-上海間を結ぶ高速鉄道が営業を開始する。この鉄道は中国が「独自の技術で開発した」と主張しているのだが、実際には日本の川崎重工が作ったものを基にして中国で開発したものだ。

中国でも改良を多々行ったと言っていて、特許が1000件だとか、「高速鉄道」としてアメリカにも特許を出願中だとかいう話なのだが、元々が「市場と技術を交換する」という政策から、「高速鉄道を買ってやるから、技術指導しろ」ということで導入した高速鉄道とその技術を「自前の技術だ」と言っている。

川崎重工は「技術指導はしたが、その技術を海外へ展開することは許可していない」と主張している。そりゃ川崎重工としてはそれぐらいの約束はしているはずだが、何しろ相手が中国なので、ゴリゴリ押しているのだろう。アメリカでの特許論争になれば、おそらく川崎重工がクレームを付けてアメリカの法廷が裁くことになるので、この成り行きが注目される。

で、この高速鉄道は当初380km/hで運行するということを言っていたのだが、この数値は川崎重工が試運転で出した値であって、安全率を考えればその速度で運用するなんでとんでもない、ということで、現在は300km/hで運行することになっているようだ。

しかし、高速鉄道の建設に携わった技術者が「自分は絶対に乗らない。親友にも乗らないように勧める」と公言していたり、さらには中国政府の鉄道部部長が100億円相当の汚職が発覚したり、政府・鉄道部の技術部門トップが28億ドルというから日本円で2000億円以上を溜め込んでいたという。

そんなわけなので、6月30日15時からの営業開始からどんなことが起こるのか、注目してみたい、というところ。

高速鉄道に関するもうひとつの話題はブラジルの高速鉄道に関する話題だ。

リオデジャネイロからサンパウロを通ってさらにその先のカンピーナスというところまでの518kmを結ぶ高速鉄道をブラジル政府が入札を募っていたのだが、この入札の条件が非常にきついので、日本やフランスは入札をほぼ諦めている。

何がきついのかというと、この高速鉄道を落札した企業グループは、40年にわたってこの鉄道を運営しなければならないのだ、しかもその期間の運賃はブラジル政府が定める1kmあたり0.49レアルを超えてはならないのだ。

レアルという通貨は現在だいたい50円くらいらしいのだが、安定しない通貨なので、突然暴落することも考えられる。50円で計算すると、518kmでは12,691円とか言う値で、東京-新大阪間が552kmで13,850ということだから妥当な線にも見えるが、日本の場合には切符の予約発券システムとか周辺のインフラがしっかりしているから、安易に比較はできないだろう。

そこに入札を唯一強気に進めているのが韓国勢である。事実上韓国勢だけが応札したのが2010年11月26日だったかの第一回にゅうさつだったのだが、この入札期限の3日前にブラジル政府はこの入札を2011年4月11日までに突然延期する。その理由は単独入札を避けたいのだとか、韓国の技術力に疑問を持っていたのだとか言われているかはっきりとは誰も言わない。

さらにその4月11日の入札もその3日ほど前に延期されて7月11日になった。こんなに延期ばっかりしていると、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに間に合うのか? という心配も出てくるほどで、もうさっさと韓国にやらしてあげればいいじゃないか、という気になってしまう。

では韓国の高速鉄道事情はどうかというと、これがまた最近トラブル続きでブラジル政府が煮え切らないのもわかる気がする。韓国の高速列車は山川号と言って、台車の構造が特殊だ。

Boggy普通の列車はこんなふうに一両について二つの台車が付いていて線路が曲がっていても追従できるようになっているのだが、山川号はこの台車が2両の車両をつなぐようなかたちで取り付けられている。つまりひとつの台車は2両の車両にまたがって付けられている。そのほうが脱線しにくいとか、まぁいろいろ理屈はあるのだろうが、とにかくそういう構造なので脱線はしにくいだろうが、着脱も大変なので車両編成の変更が難しい。

Ktx1そのために、山川号には大統領専用車両がついているのだが、ほとんどの場合この専用車は使われていないにもかかわらず、空のまま走っている。簡単には外せないからだ。このへんは大統領の地位とかいろんな考え方があってのことなんだろうけど、なんとなく「韓国独自のスタイル」というのにこだわっている感じがしなくもない。

まぁそんなわけなので、6月30日の中国高速鉄道と、7月11日のブラジル高速鉄道の入札が気になる今年の梅雨の季節なわけだ。

Crh380a先に挙げた中国の高速鉄道の写真はコンセプトモデルで、こちらが川崎重工製のCRH2。北京-上海間を走るのはこれをパワーアップさせたりしたCRH380A型。東北新幹線の「はやて」にそっくり。

Crh380bこちらはドイツのジーメンス社製のCRH2かな、これもパワーアップされてCRH380Bと言う名前で北京-上海間を走る。

7月2日追記:

北京・上海高速鉄道は予定通りに運行が開始されたが、夕方には空席が目立ち始めていたという。中国の他の高速鉄道も赤字が続いており、運賃が高すぎるとの批判がある。km当たりの運賃でいうと、ブラジルの半分以下なのだが。

ブラジル高速鉄道に関しては6月30日の時点で日経新聞が「入札延期」を報じた。ブラジルは治安も悪いし、政権も不安定だし、入札しないほうがいいよ。ブラジル政府は「入札しない国とは今後一切取引しない」と脅しにかかっているが、そもそも計画自体無理なんじゃないの? 落札条件を全く無視した形で入札だけはしておく、とか?

7月13日追記:

ついに韓国さえも「収益性がない」ということで入札しなかったらしい。どうするんだブラジル?

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