恋愛絡みのサスペンスで悩む
サスペンス小説に恋愛話が絡むとろくなことがない。ロジックで組み立てるべきストーリーが恋愛というものの不確定さによって歪んでしまう。恋愛を理由にどんな理不尽も通ってしまうし、読者としてはそれを拒否できない。
読む前にわかっていたら避けるのだが、何しろこちらはタイトルに飛行機とか潜水艦が入っていると反射的に手にとってろくろく調べもせずにレジへ向かうのだから、まさかそんなトラップがあるなんて考えもしなかったね(とかいいつつこのトラップにハマるのは2回目)。
という訳で、今回ハマったのは「謀略の機影」というリドリー・ピアスンの小説。翻訳は中山善之。新潮文庫で原題は「Hard Fall」。飛行機ものではあるのだが、なんだかツメが甘いぞ。それにだいたい、絶対に恋愛しちゃいけない組み合わせの男女が恋愛しちゃうというタブーをわざわざ犯している。
その恋愛模様が嫌で読み進めなかったので、読了までなんと数ヶ月かかってしまった。先日の出張にも持っていったのだが、実際にはほとんど読まなかった。往路の飛行機では映画を5本見たし、帰りの機内では爆睡していたので。
で、ここへ来て急に最後まで一気に読んだのは次に控えている小説が潜水艦モノで、ちらっとナナメ読みしたらすごく面白そうだったので早くそっちに行きたくなったからだ。さきほどこの本を読了したので、やっと潜水艦方面へ行けるぞ。
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コメント
飛行機と潜水艦の小説や映画は私も大好きです。
潜水艦に関しては「U-ボート」が局地で、あれを
越える作品は難しいでしょうね。飛行機モノは
グランドホテル形式が一時期流行って、飛行機
その物を扱ったやつって以外と少ないからね。
飛行機も潜水艦もリアルさを追求するとエンター
テイメントとしては面白く無くなって行くんで
しょうね。
投稿: ををつか | 2011年12月21日 (水) 20時40分
Uボートは私も何度かみました。最近でもないけど、U-571っていうのも面白かったし、K-19っていうハリソン・フォードが出ていたのも面白かった。悲惨だったけど。
とかいうふうな話がこちらにも。
http://picksclicks.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_5fda.html
でも結局潜水艦モノの小説なんかを読んでいても、イメージするのはやはり「Uボート」なんだなぁ。
投稿: Picks Clicks | 2011年12月21日 (水) 21時20分
K−19、ウイドウメーカーとか、ヒロシマって
呼ばれていたそうですね、うん、あれば面白かった
でも急性放射能症の描写は全然ダメだった。
U-571は、エニグマ暗号機に関しての蘊蓄を
持ってると「ウンウン」てな感じだけど、主人公
の指揮官としての成長なんて要素は余分だった。
「レッドオクトーバーを追え」もショーンコネリー
がメチャ恰好良くて良いですね、我が妻はあの映画を
見て「ロシア海軍の冬季士官帽が欲しい」と言い出
したので、仕方なく中田商店まで行きましたよ。
投稿: ををつか | 2011年12月21日 (水) 21時44分