ここのところ悲惨な交通事故が続いていて、亡くなられた方々やその家族の皆様には心からお悔やみを申し上げたい。
子供たちが巻き込まれた事故も悲惨極まりないが、高速「ツアー」バスという聞きなれない種類のバスでの事故は裏に構造的な原因があるようで、今日逮捕された運転手に全責任を追わせるのは可哀想な気がしている。
まずは高速「ツアー」バス、というものが気になる前に、バスを運行していた会社(陸援隊とか言ってたな)の社長のコメントとして「ツアー会社の指示で…」というのがあって、なんじゃそれはと思っていたのだった。
つまり、バス会社が運行する定期バスではなくて、旅行者が主催する「ツアー」なので、料金も運行計画もほとんど制約がなく、競争が激化する分野であったということ、そして規制が不十分であることを知りながら国交省が放置していた、ということ。
それにもう一つ、事故を大きくしたのは高速憧路の「防音壁」であるということ。この事故の写真を見るとわかるが、防音壁がバスに食い込むことによって多数の死傷者がでてしまったのだ。

この防音壁はなんでこの方向に頑丈に作ってあるのだろうか? 壁がないとバスが落ちてしまうというのはわかっているが、なぜもっと柔らかく受け止められるように作れなかったのだろうか?
例えば、高速道路の壁に、車がぶつかったら突き刺さるような槍状のものが突き出していたら、だれでも「そんなの危ない」と思うだろう。壁は車がぶつかっても壁と壁のつなぎ目が外れることなく、壁の外へ車を落とさないように受け止めるように作るべきではないのだろうか?
ニュースによれば、事故現場には進行方向に対して防音壁の手前にガードレールがあったのだそうだが、このガードレールは本来防音壁の内側に達していなければならないはずの物だったのが、防音壁の手前で途切れており、そのためにバスは防音壁の端に激突することになってしまった。
この防音壁は古いもので、最近ではそのガードレールとの関係がしっかり規制されているということなのだが、このガードレールが設置された時にはその規制がまだなかったというのだが、そんなに費用のかかるものではないのだから、なんでほうっておくかなぁ?
だから今回の事故については責任の半分以上が国交省にあり、その残りの2/3がツアー会社に、残りが運転手かなぁ? 運行会社の責任についてはよくわからない。運転手と同じくらいの責任だろうか?
翌日追記:
ガードレールの話を図示してみようかと。

事故現場では図のようにガードレールと防音壁の間に隙間があり、バスはガードレール押し曲げてそれに沿って走り、防音壁の端に激突した。
他の多くの防音壁ではガードレールが防音壁と重なるように長くなっており、そうなっていればガードレールがバスにぶつけられて曲がっても防音壁の端にぶつかることはない。
5月6日追記:
運行会社の陸援隊は36件の法令違反をしていたんだそうで、逮捕された運転手も自分で4台のバスを持って違法な運営をしていたらしい。こういうことをしてはいけないのは勿論だけれども、できちゃうっていうのがどうなってんだ?って感じ。
最近のコメント