どたばたしていたら、あっという間に2週間も更新を怠ってしまった。ネタはいろいろあるのだけれども、書く時間が取れなかったり、裏が取れなかったり、写真が取れなかったりしてまして。
どれから行こうかと思ったが、まぁレンタルDVDから行ってみようか。
ながらくDVDをレンタルしていなかったのだが、これはたしか4月からTSUTAYAが「いつでも100円」というキャンペーンを始めて、「そんならいつでもいいや」と思ったのが原因。それまではたまに100円のキャンペーンをやっているとここぞとばかりに4枚くらい借りてきて、1週間で見るにはきついんだけれども何とか見てしまう、ということをやっていたわけだ。いつでも100円だとそういう切迫感がなくて特に見たいと思うものがなかったこともあって足が遠のいていた。
そんなところにレイ・ブラッドベリが亡くなったということに絡んで旧友のtakiさんからSolarisという映画を紹介され、それを見たくなって借りに行ったわけだ。
この映画はざっくり言うと「惑星ソラリス」というところで何かが起こっていて、それを解決するためにジョージ・クルーニー扮する精神科医が派遣されるという話なんだが、SFのようでいて実はSFじゃなくて、結構深いところを突いてくるという問題作だと思うんだが、全然話題にも何にもならなかったものなぁ。でも非常に興味深い、有意義な、面白い映画だった。
面白い映画で皆さんにお勧めしたいので、ネタバレさせたくない。だから詳しい話はしない。でも、監督のスティーブン・ソダバーグは「これはテクニカルなSFじゃない。ラブストーリーなんだ。」と言っている、とだけ書いておこう。
そもそもこの話はポーランドの作家が書いたもので、ポーランド(いや、ヨーロッパだったのかな?)でも映画化されたらしい。その版権をソダバーグが買い取ったらしい。それをジョージ・クルーニーが聞きつけて、ソダバーグに「是非やらせてくれ」と懇願したと言う。
とかいう舞台裏の話が「監督とプロデューサーによる解説」でいろいろ話される。監督はもちろんソダバーグだが、プロデューサーとしてでてくるのがジェームズ・キャメロンである。この対談は面白い。ソダバーグもクルーニーもこの映画にかなり入れ込んでいたことが見て取れる。クルーニーが料理をするシーンにクルーニーのアイディアが入っていると言うのもなかなかいい話だし、原作とは変えてある部分についてもその理由などが語られる。この解説を最後まで聞くと「ここまで見た人は偉い」とほめてもらえる。
でも、基本的にキリスト教的世界観からの視点で語られるので、カジュアル仏教徒の私としては全面的に肯定できない部分はあった。でも面白かった。地味だけども。
ソラリスを返しに行ってまた借りてしまったのが割と最近の「ヒア・アフター」だ。クリントイーストウッドが監督する映画はたいてい見に行っているのだが、この映画はタイミングが合わなくて見にいけなかった。日本での封切りがいつだったのかよく覚えていないが、アメリカでの封切りが2010年の暮れだったから、日本では1月とか2月だったのかもしれない。だとすると、短期間で公開が打ち切られたのもうなずけなくもない。(調べてみると日本では2011年2月19日公開で、3.11を受けて3月14日に公開を中止している。)
何しろ地味な映画だし、それほど面白いと言うわけでもないのだが、でもいい映画だと思うなぁ。タイトルが「Here After」で、この意味するところが「あの世」だというのがだいたい大ヒットを狙ってはいないことがよくわかるっていう感じで。
主演はマット・ディモンで、まだ今ほど太っていない。彼は霊感を持っていて、死んでしまった人と霊感で交信できるのだが、本人はその能力を疎ましく思っている。でもそんな彼を必要とする人たちも存在して、とか言う話。地味だ。発砲も爆発もないが、いい感じの映画だ。でも地味だ。しかも暗い。でも嫌いじゃない。
で、ヒア・アフターを返しに行って、また借りてきたのが「ヤギと男と男と壁と」という、これまたジョージ・クルーニーが主演する映画。この映画についてはこのBLOGで3年前に前ふりがあって、「The Men who gaze Goats」という原題で封切られることは聞いていたので、日本でも見たいなぁと思っていたのだった。
原題は「ヤギを見つめる男たち」ということだが、これは米軍の超能力部隊を描いた作品で、レンタルDVDではその本編の前に編集されている予告編のレベルの低さに配給会社の落胆ぶりが垣間見えて悲しいのだが、出演陣はクルーニーのほかにユワン・マクレガーとかケビン・スペイシーなどの豪華布陣なのだ。結構お金もかかっている感じなのだ。
でも基本は「超能力部隊って、あんたなに言ってんの?」というスタンスなので、失笑シーンなんかも満載だったりするのはなんだかなー、という感じ。
そういえばこの映画、製作がなんとBBCである。BBCが米軍の映画を作るというのは、それ自体なんだか屈折を予感させるものがあるが、つまり要するにそういうことなんだろう。
スタッフロールを最後まで見ると、「壁を通り抜けようとしたり、運転中に(念じて)雲を消そうとしたり、殺意を持って何時間もヤギを見つめてはいけません。透明人間になろうとするのは構いません。」というメッセージが出る。でも私はこの映画が好きだ。
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