砂漠の風に悩む
ネバダの風は熱かった。「暑かった」じゃなくて、間違いなく熱かったのだ。でかいヘアドライヤで炙られているようだった。そうか、炙るってこんな字だったか。火の上で魚を炙っている感じの漢字? 気温は測らなかったが、40度以上はあったんじゃないだろうか。空気が乾燥しているので汗は出ていないように思えるが、実のところどんどん蒸発していたのだろう。
ラスベガスへ行った感想が「熱かった」ということは普通ありえない。大抵の人は冷房の効いたカジノで時間を過ごすのだろうから、屋外の暑さを感じる時間なんてそれほどないはずだ。でも私の目的はグランドキャニオンだったから、ギャンブルは一切やらなかった。100万円くらい軍資金があったら勝ち目もあるのかもしれないが、せいぜい数万円くらいの元手では大儲けなどできるものではない、と思う。
さて、グランドキャニオンだが、20年前の記憶を頼りにScenic.comという会社の遊覧飛行ツアーで行こうと思っていたのだったが、前回同様現地で申しこめばいいや、と思っていたのが大間違いで、結果から言うと日本で予約していくのがベストだったということがあとで分かった。だから、グランドキャニオンに関してはまぁ60点くらいの満足度で、かなり不満の残る旅行ではあったのだった。詳しいことは思い切って省略。写真もいっぱいとったけれどもこれもとりあえず省略。
グランドキャニオン以外には、この写真で見られるような「Indoor sky diving」というのをやってきた。これは風洞内で航空機のエンジンを使った上へ吹きあげる空気流に乗ってスカイダイビングのエミュレーションをやるというものだ。
ほんとうにスカイダイビングを楽しむにはやはり単独飛行しないと意味が無いだろうし、そんな技量を身につける時間もお金も、そしてたぶん才能もないので、このindoor版はとても効率が良い。インストラクタがついてくれて数分のフライトを3回やって80ドル(5ドル割引済み)だった。すげー面白かったが、自分の体勢がどうなっているんだかさっぱりわからないので、単独で判断して手足で気流を調整してなんていうことはほとんどできず、インストラクタの言うとおり(手信号でサインが送られる)に従っているだけなんだけれども、まさに「浮遊感」そのものを体感できて、いやーほんとに面白かったなぁ。
もう一つのイベントは劇場でショーを見たんだけれども、Zumanityというよくわからない題名のしか見られなくて、内容はセクシー・アクロバットなんだけれども、シモネタ英語がさっぱりわからなくて、笑いどころがさっぱりつかめなかった。アクロバットはいろいろ趣向が凝らされていて面白かったけれども、この手のショーはやはりムーラン・ルージュにはとてもかなわないだろうなぁ、というのが正直な感想。写真は撮れないのでビジュアルなものはなんにも紹介できないのだが。
ラスベガスのホテルはそれぞれが300m四方くらいの広さを持っていて、その敷地内にいろいろな客寄せ用のアトラクションを用意している。夜には照明付きの噴水が有名だが、これをこれまた客寄せ用のエッフェル塔から眺め下ろすというのが楽しみの一つだ。動画を撮ったので後ほどyoutube経由で掲載しようと思う。
ホテルのそれぞれがでかいので、自分の泊まったホテルから外へ出るのにも時間がかかる。その上、各ホテルはお客さんにカジノでお金を落としてもらわないといけないから、案内がわかりにくい。隣のホテルへつながる冷房の効いた通路もあるし、有料/無料のモノレールとかトラムとかもあるのだが、この案内が滅茶苦茶わかりにくい。私は断じて方向音痴ではないのだが、モノレールを探して足が痛くなるほど歩いたりした。「モノレールはこちら」という案内が途中で無くなってしまうので、あちこち探りまくらないといけないのだ。
トラムとかモノレールというのも、地元ではその呼び方が全く混同されていて、というか区別されていないみたいで、3日目くらいにやっとそのあたりを理解した次第。
習得した知識の一部を披露すると、私が今回宿泊したのはLUXORというホテルだったのだが、その北側にEXCALIBUR、南側にMANDALAY BAYというホテルがあり、これら3軒(「軒」じゃないと思うんだが…)のホテルを無料のトラムが結んでいる。これが平行に2路線あって、片方はExpressでLUXORには止まらない、もう一方はLUXORにも止まるのだが、これがどうもMANDALAY BAY⇒LUXOR⇒EXCALIBURの方向の時には止まるのだが、逆方向の時には止まらないみたいだった(どこにもそんな説明はないのだけれども)。
なので、EXCALIBURからLUXORへ帰る人々は一旦MANDALAY BAYまで行って、折り返してLUXORへ戻るのだ。こんなのアリ? しかもEXCALIBURの降車場は乗車するところとはかなり違うところで、戸惑うことしきりである。そうまでしてカジノへ人を誘導したいのか? したいんだろうなぁ。
ホテル周辺で得られる情報ではなんともよくわからないのでWEBでやっとお探し出したのがこの地図だ。それぞれのホテルが配っている地図ではそのホテルのことしか書いていないので、こういった全体を見渡せてしかも要点を押さえているものがないのだ。
この地図の右側にある長い路線が有料のモノレールで、これはほんとにモノレールなのだが、ほかは「モノ」レールではなかったと思う。LUXORのトラムは明らかに2本レールで、その動力はケーブルである。つまりケーブルカーなのだ。このくらいの距離だとそれが一番安く作れるんだろうなぁ。保守も楽だろうし。
で、この地図を見て分かる通り、有料モノレールは裏通りを走っており、メインストリート「ストリップ」からモノレールに乗ろうとすると、ホテルの中のカジノを通らないと絶対に行けないようになっている。だから、あちこち見て回ろうとすると、結局タクシーに乗るのが一番楽だということになってしまうのだ。そうでなければ宿泊したホテルのカジノで休暇を過ごす、とか?
まぁそんなこんなで、8月11日の深夜に日本を発って、8月16日早朝に帰着するという強行軍だった。5泊6日、機中2泊ってところか? 毎度のことながら東方向へ飛ぶのは時差ボケが辛くて、仕事で行く場合には我慢して向こうの時間帯に合わせるのだが、今回は自由行動だからもう時間帯はめちゃくちゃだった。一日一食だが、寝るのは一日3回という感じで、夜やら昼やらなんともわからなくなってくる。最期の日などは夕刻に飛行場へ行くまで自由なのだが、起きだしたのがお昼前という状況で、MGMとMANDALAY BAYのショッピングモールで過ごすことにした。
すると、Mandalay Bayの「Art Music」とかいう店の前ででこんな立看を発見。ん?なんだ? ピート・ローズ? いまさらなんなのだろう? ピート・ローズはアメリカ野球界における往年の名選手だが、何やら不祥事を起こして干されているはずだ。
「本日 12時から17時」とか書いてあるな、と思って店の中を見てみると、何やらでかいおっさんが座っている。「ピート・ローズかな?」と呟いてしまったらしく、店の親父が、「そうだよ、ピーとローズだよ、帽子を買ってサインしてもらいなよ。」とかいうので店の奥へ行ってみる。「どこから来たんだ?」「JAPAN。」「おおそうか、ピートは日本語のサインも書くよ。」「へ~?」などあって、レッズじゃなくてフィリーズの方の帽子を購入し(99ドル+税=108ドル)、サインしてもらった。
人がたくさん並んでいたのであまり話はできなかったのだが、「イチローは来年、日本へ帰るよ」とか言ってた。ほんまかいな?
帰国して調べてみると、ピート・ローズは野球賭博に関係したとしてアメリカの野球界から永久追放されていたのだった。こんなサイン会とかしてて大丈夫かな?とは思ったが、まぁいいんじゃないでしょうか。
というわけで、旅行の最後はピート・ローズとのツーショットで締めようかと。私の顔にモザイクをかけたのは、あまりにもだらしなく嬉しそうな顔をしているので、ちょっと恥ずかしくなってしまったわけです。
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コメント
観光だったんですか?,何かのコンベンション?
投稿: ををつか(をたくな講師) | 2012年8月19日 (日) 09時40分
観光ですよ。20年前はコンベンションでしたけれどもね。
投稿: Picks Clicks | 2012年8月19日 (日) 11時44分
うらやましいですね。でも短期間だと帰ってきてからがそんなにしんどくないんではないですか?
見習いたいけど、お金の面よりも休暇をとるのがうるさくてね。でももう嘱託だからそろそろ考えてみよう。
投稿: taki | 2012年8月19日 (日) 12時18分
短期間の旅行なので、向こうで時差ボケに慣れた頃に帰ってくるので、場合によってはダブルパンチになります。
ご存知かと思いますが、東行きの時差ボケが西行きに比べるとかなりつらいので、アメリカへ行ったときはへろへろになってます。なので、一日3回睡眠とかになってましたが、日本へ帰ってきてからは強引に日本時間にあわせて生活したので、すぐに回復しました。帰ってから2日目までは早めに寝ましたけどね。
投稿: Picks Clicks | 2012年8月19日 (日) 18時52分