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2013年6月15日 (土)

Schwaで悩む

吃驚仰天(クリビツテンギョー)である。これが本当なら目からウロコ、耳から耳栓、鼻から鼻カン、股間から…いやそれはちがうか。

でもどうやら本当らしいのだなぁ。

ことの始まりは、ボーカロイドのマニュアルに「シュワ」という言葉を発見したことだった。カッコ内に「あいまいな母音」と書いてあったのだったかな。で、その発音がどうも気に入らなくて、という話もすでに書いた。

で、やはりどうも気になるのでいろいろ調べてみた。すると、シュワというのはSchwaというドイツ語起源のことばで、要するに「e」を180度回転させた発音記号で表される英語発音のことであるということがわかった。ここまでは「ああ、あれのことか」で済む話だった。

ところが、英語に詳しい人たちの話として「英語の発音では、アクセントのつかない母音はすべてシュワ化する」という説(すべてではないという説もある)があちこちで書かれているのだ。つまり辞書に書かれている発音記号は実際にはそのとおりには発音されていない、と。

具体的には、以下のような例が挙げられている。

例えばbefore を私たち日本人はビフォアと発音してしまいがちだが、ア
クセントが後ろにあるため、第1音節は、あいまい母音のシュワとなり、バフ
ォアとなる。また、responsibility もリスポンスィビリティーと発音しがちだが、
実際にはアクセントのない母音はすべてあいまい母音になってしまう。従
って、アクセントのないpo, si, li の各母音はあいまい母音化し、レスペン
サベラティに近い発音になる。

これには驚いてしまった。つまり、私はそんな原則を知らないものだから、今まで(下手糞と自覚しながら)話していた英語というのは、外国人(非ネイティブ)丸出しの英語だったのだ。まぁ、英語圏へスパイとしてもぐりこむわけじゃない(本当はあこがれているんだが)のでそれでもいいんだけど。

話すほうはまだいい。問題は聞くほうだ。英語のリスニングが弱いのは自分でも重々承知していて、それは「ごめん、もっかい言ってくれる?」「ほんとにごめん、ゆっくり言ってくれる?」「まことにあいすまんが、もちょっとはっきり言ってくれる?」という小技で切り抜けてきたわけだが、これは相手が教科書どおり辞書どおりの発音をしてくれるものと期待していたからであって、「アクセントのない母音はすべてあいまいになる」ってことはつまり、主に子音だけで言葉を判断しないといけないってことじゃないか。

ということはつまり、英語を聞き取るということは聞き覚えたパターンと照合して認識しないといけないということで、私がこれまでやってきた「さぁ何でも来い、母音と子音の組み合わせを聞き取って単語に復元し、意味を汲み取ってやるぞ」というのは大間違いだったということになる。うん、実際そうだったのかも。

実際に職場で何人かにこの話をしてみると、私のように仕事上しかたなく英語を話しているが、海外に住んだことのない人は「シュワ?手話?なにそれ?」という反応だった。海外に住んでいたことのある人は「ああ、言われてみればそうだなぁ」という人と「うんそうだよ、あまり知られていないけどね」という2種類の反応に分かれた。



いや~、これは本当にビックリだよ。これは例えてみれば音楽で「アクセントのない音は全部あいまいな音程にしておけばいいんです」と言ってるようなものだものなぁ。

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