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2013年12月30日 (月)

トニイホロヘハで悩む

中学校の一学期の期末テストの「音楽」で、私は29点という点を取って母親を激怒させた。小学校でも中学校でも私はそれまでは成績が良かったので、29点などという絶望的な点数をとったのが許せなかったようだった。

中学校の音楽の試験というのは、クラシックの曲の曲名、作曲者、拍子、調を覚えていれば点が取れるというものだったのだが、私は全く興味を持てず、テキトーにしか覚えられなかったのだった。

激怒した母親は私と膝詰めで音楽のワークショップ(勉強会)みたいなことをやった。母方の祖父はアマチュアながら交響楽団でバイオリンを弾いていた人だったし、母は私を生むまで小学校の教員だったのでピアノが弾けたりしたので、音楽の素養は十分に持っていたのだった。

で、その勉強会で、私と母親は#と♭の数から調を割り出す呪文を作り上げた。それが「トニイホロヘハ」である。これは譜面に書かれた#の数が1つならト長調、2つならニ長調というふうに並べたものだ。一方♭の数に関しては「ヘロホイニトハ」という呪文を考えた。この2つは「ハ」を外して逆転すると同じになる。

これらの呪文と、課題曲の一覧表を作ったことによって音楽の成績もなんとか母親の怒りを鎮められる程度のものになった。しかしこの呪文はその後も私の頭のなかに残っていたのだった。

ところが、高校でジャズの勉強(これは授業ではなくて)を始めてみて、なんだこりゃ、と。
Circle5th

この図は「五度環:Circle of Fifth」と言ってジャズのコードシステムの基礎となるものなのだが、私にしてみればこれは例の「トニイホロヘハ/ヘロホイニトハ」ではないか。冷静に考えてみればあたりまえのことなのだが、これに気づいた時には興奮した。中学校の音楽での29点という得点に端を発した呪文がジャズにつながっていたなんて。

ジャズを理論的に語ろうとすると、この五度環に触れないわけにはいかない。でも今となってはなんとかこの五度環の呪縛から逃れられないものかなぁ、と思ったりもするわけなのだ。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

五度環、ってクラシックの楽典が元だと思いますが?

投稿: Cello | 2013年12月31日 (火) 02時08分

音楽に関して、元をたどれば大抵のものはクラシックに行き着くでしょうね。で、ええとそれがなにか?

投稿: PicksClicks | 2013年12月31日 (火) 09時54分

楽典の教科書に載っていますよ、昔から。

御母様から教わらなかったのですか?

投稿: Cello | 2013年12月31日 (火) 19時57分

母はそういうことを知らなかったと思います。

ところで、楽典にお詳しいようなのでお尋ねしたいのですが、「ドレミファソラシド」の音程(つまり、全全半全全全半という音程)がどうやって決められたかご存知でしたらご教示いただきたく。

投稿: PicksClicks | 2013年12月31日 (火) 20時41分

とりあえず、ネットで探したところでは、
こんなところでしょうか。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~rachi/interval.htm

専門書は出ているのですが、英語、ドイツ語とか、イタリア語とか。New Grove Music Dictionay とか Die Musik in Geschichte und Gegenwart あたりを図書館で読んでいただくのも良いか存じます(_ _)。

投稿: Cello | 2013年12月31日 (火) 22時15分

早速調べていただいたようで恐縮です。

しかし、

>紀元前500年ごろのギリシャの数学者:ピタゴラスにより、8度のオクターブ[2/1]の中間の音程である5度[3/2]を基準にとり、5度づつ重ねて「G-D-A-E-B-F[F#を修正]」6つの音を定めました。
>これをオクターブに納めて、合計「8つの全音階」を定めました。

なぜF#をFに修正したのでしょうか? CDEFGABCというものがまだないという(ドレミファソラシドが確定する以前の話だから)前提ですから、F#とかFとかいう呼び方もまだないはずです。「6つの音」にCが入っていないのも納得できません。

Wikiなどではピタゴラス音階を12音階の基礎を作ったとして定義しています。ピタゴラス音階から直接ドレミファの7音音階に結びつけるのは無理があると思います。

こちらのほうが面白そうなので、正月休みに読んでみます。

http://www.sacred-texts.com/eso/sta/sta19.htm

あ、こちらのほうが簡単に言い切っているのかも。

http://en.wikipedia.org/wiki/Diatonic_scale

投稿: PicksClicks | 2014年1月 1日 (水) 01時00分

私も中一のときに通信簿の音楽が3というのがありましたが、音楽の教員だった母は無関心でしたねぇ。
もう少し自分の子供の教育に熱心だったら、ピアノを教えて絶対音感を身につけさせるとか考えられただろうにと恨めしい。

五度環という名称は知らなかったんですが、「4度進行というのは間違いで5度進行というべきだ」、とかいう理屈はここから来てるんでしょうか。

音階の基本はペンタトニックから来てるんではないでしょうか。Cを中心としてそこから上下完全5度(あるいは4度)、つまりGとFのそれぞれのペンタトニック(四七抜き)をつくってそれを並べればCの長音階になります。こじつけかな。
こういうのがあります。

http://youtu.be/ne6tB2KiZuk

投稿: taki | 2014年1月 1日 (水) 19時37分

いや、ですから、とりあえず、ネットで探しただけなので、せめて、New Groveか、MGGで読んで下さい。

で、読む気が無ければ、知りたくない、と一緒ですから。

投稿: Cello | 2014年1月 1日 (水) 21時37分

takiさん、

「4度進行というのは間違いで5度進行というべきだ」というのはよくわかりませんが、5度が4度より重視されるのは、5度の音程が周波数比で2:3となっていて、これがピタゴラス音階の根拠になっているからかもしれません。

ペンタトニック自体が5度の積み重ねなので(CGDAE)、それをさらに上下5度で積み重ねるということは、

http://en.wikipedia.org/wiki/Diatonic_scale

と同じことを言っているのかもしれません。ただ、これらの音になぜこういう音名をつけたか(なぜ最低音をFとしたか)という疑問が残ります。

celloさん、

上に挙げたURLでだいたいわかったような気になっているので、図書館に行かないと読めないような本を紹介されても読む気にはなれません。先のURLの線から自分で考えてみたいと思います。

投稿: PicksClicks | 2014年1月 2日 (木) 09時11分

takiさん、

ボビー・マクファーリンのこの動画は前にも紹介してもらったことがあって、実際に人前でやってみたこともあったのですが、うまくいきませんでした。観客を選ぶというのかな? 私ならマクファーリンの観客のようにペンタトニックに乗ったと思うのですが。

投稿: PIcksClicks | 2014年1月 3日 (金) 12時10分

そうでしたか。
マクファーリンはどこにいっても成功するようなこといってますけど、マクファーリンの公演にはすでにある程度の刷り込みのある人が聴衆になるってことでしょうか。

投稿: taki | 2014年1月 4日 (土) 00時16分

あ、いや、そうじゃなくて、私のほうの観客の質がいまひとつではなかったかと。

投稿: PIcksClicks | 2014年1月 4日 (土) 01時26分

音階の話は以下のエントリに続きます。

「ドレミファソラシドで悩む」

http://picksclicks.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-4c43.html

投稿: PicksClicks | 2014年1月 4日 (土) 09時54分

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