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2014年3月の5件の投稿

2014年3月30日 (日)

スピーカーのインピーダンスで悩む

インピーダンスというのは電気抵抗みたいなことだが、実はこれがなかなか奥が深くて、例えば交流100Vではボルトとアンペアを掛け算しても必ずしもワットにはならないというふうに、影の部分があったりする。

「影の部分」というのはつまりインピーダンスというが複素数なので、その実数部と虚数部の振る舞いによっていろいろなことが起こったり起こらなかったりする。例えば高音域ではインピーダンスの虚数部が大きなって、見かけ上の抵抗値が上がり、パワーが入らなくなったり、とか。

そういうことがいろんな周波数帯ごとに起こるので、スピーカーと箱との相性とかがこの「スピーカーの複素インピーダンス」を測定することによっていろいろ見えてくるのっではないのかな? とおもったのが学生の頃で、当時は自作の発振器とシンクロスコープを駆使して自宅でいろいろとオタッキーな作業を行っていたわけだ。

で、最近気がついたのだが、今ならPCに信号を取り込んでそのデータを数値解析もできるし、基準となる信号も手作りで制作することもできる、ちょっとやってみようかな? と思いついたものの、実際にはなかなか時間がかかってしまって、という話。御用とお急ぎの方はスキップするが吉。

Spimpgif

これが基本的なアイディアで、何の事はない、連続的に周波数を変えていくような信号(スイープ信号)を作って、その出力にスピーカーと直列に抵抗を入れて、その抵抗の両端の電圧と、スピーカー両端の電圧を比較することによって、スピーカーの複素インピーダンスを算出しようという心積もり。

学生の頃は抵抗として0.5Ωとかいう小さな値にしてスピーカのアース側につなぎ、その両端の電圧というよりもその抵抗を流れる電流を測定するような考えだったのだが、今回は図に示しているようにPCのLINE入力部から回路の二箇所の電圧を取り込み、その2つの信号の差分を取ることによって抵抗Rの両端の電圧を測定する。だから、抵抗値は数Ω以上あってもよい。大体スピーカーの定格インピーダンスである4Ω、8Ω、16Ωの近辺の値であればなんでもよい。

でもまぁ、これを実際にやるとすると、ケーブルをどうするとか、オーディオ装置とPCの位置が離れていてつなげないとか、片手間でやっているものだからなかなか進まなかったわけです。

でも、図のアンプとしてPCに接続しているパワード・スピーカーを使う。パワードスピーカーはたいてい片方のスピーカーにアンプを内蔵させていて、そこからケーブルを伸ばしてもう片方のスピーカーを駆動しているから、その部分を拝借して、つまり、駆動される側のスピーカーに相当する部分に図の抵抗+スピーカをつないでしまおう、という手抜き作戦。

スイープ信号の方は、愛用の音声編集ソフトAudacityで、10Hz~20000Hzを10秒間、一定振幅でスイープするような信号をWAV形式作ってこれをVLCというフリーソフトで再生する。

再生するのと同じPCでLINEARITY入力から図の2つの信号をこれまたAudacityで取り込んだのがこの図だ。

Wavauda

まだ差分を取る前なので、図の上の信号がR+SP、下がSPになっている。スピーカーが公称16Ωで抵抗値が5Ωだからこんなものかな、と思う。振幅が一定のはずがこんな形になっているのはパワードスピーカーの実力ということなんだろう。この図ではスイープ信号の初めからを表示させているので、信号が10~20000Hzのスイープであることを考慮するとだいたいの周波数特性が知れる。

取得したデータのスペクトルを見てみるとこんなふうになっている。

Wavspectrum1_2

100Hzにピークって、なんだか変だ、う~ん?じゃぁ、元々のスイープは?

Wavspectrum0

うむう? 3dB/Octでだらだら下がり? まぁ振幅一定でスイープとは言っても、それぞれの周波数が専有する時間が一定ではないわけだから、こうなってしまうのかな?スペクトルの取り方にも依存するかもしれないし。

まぁ、こういう環境ではこういうものだ、ということにしておこうか。

さて、ここからはコンピュータの仕事だ。perlやawkを駆使して、まずは取得したWAVファイルを数値テキスト化する。数値テキストにしてしまうと、EXCELに読み込ませて読み取った波形を観測できたりする。あ、波形を見るだけならもちろんAudacityでできるわけだが。

さて、数値テキストをどう料理するかというと、まず、基準となる抵抗Rの両端の信号のゼロクロス点を検出して、ゼロクロス点の間隔から周波数を検出し、その周波数に適合するサイン波とコサイン波をスピーカ両端の信号に掛け算することによってその位相、つまり複素インピーダンスを算出する。

まず、周波数検出をしてみたのがこのグラフだ。図の横軸はゼロクロスの通番、縦軸はゼロクロスから算出した周波数。
Phase5s
これで見ると、ゼロクロスから周波数をうまく抽出出来ているのは50Hz~14KHzくらいだろうか。

このデータをさらに処理して複素インピーダンスを算出したものが下の図だ。

Phase5si
公称16Ωにしては算出したインピーダンスどうも高めだし、実数部がマイナスになったりするのもおかしい。インピーダンス図で線が太いゲジゲジ眉毛のようになっている部分は340Hz以上の部分で、ゼロクロス-周波数図のゲジゲジ部分に対応している。

一応の結果は出してみたものの、ちょっと結果は受け入れがたいなぁ、というところだ。

まぁ、思い当たる事はいろいろとあって、まず波形を子細に調べてみると、妙に歪んでいる部分があったり、高域ではサンプリングによる歪があったりするので本当なら全域にわたってサンプリング関数を重畳してから振幅を測定しなければいけなかったんだろうとか、連続した周波数で」スイープしたのではスイープ歪とでもいうべき時間軸方向の歪がでそうだとか、そもそも信号を採集するときに手違いでLINE入力が出力部に漏れだしていたのではないか?そのために100Hzあたりのピークが出たのではないだろうか、とか。

で、まずは信号採集環境から変えていこうかと。スイープ信号の方はCDに焼いてもいいし、USBに入れてもいいのでなんとでもなるのだが、ポータブルな機器でステレオ信号を記録できるものがなかなかなくて、ほぼ近いものがあるのだがLINE入力がないとか。う~ンと唸っているとUSBオーディオデバイスが目についた。そうか、これをノートPCに接続すればウチのオーディオ装置のところで信号を採集できる。

Ua3fxmini9

で、これを使って採集したデータがこれ。これはモロにウチの再生系の特性が出ていて、見事なドンシャリ感がちょっと恥ずかしいのだが、人間の耳は周波数特性を自動補正するので、まぁこんなもんでしょ。

Ua3fxswpwav

これをゼロクロス検出するとこんなふうになる。

Ua3fxswpzx
このデータを見ていると、高域の乱れ具合になにか法則性があるようで、ここはさらなる悩みどころ。このデータから複素インピーーダンスを測定するとこんな感じ。やはりゼロクロスの乱れをモロに被ってインピーダンスも高域が乱れている。

Ua3fxswpimp

こんなふうにインピーダンスが高めに出てしまうのは、やはり何か間違いがあるのかもしれない。

スピーカーは普通、定電圧駆動されるので、本当に知りたいのは複素インピーダンスの逆数である複素アドミッタンスなのだが、データを見ていると高域でインピーダンスが原点近くに寄ってしかも乱れているので、アドミッタンスを計算してグラフにしても大暴れしてしまう。

そのあたりをもうちょっと何とかしたいものだなぁ、と思う2014年の春。

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2014年3月24日 (月)

英単語クイズで悩む

Gailさんはシカゴに住む私のネット友達である。今ではfacebookの友人でもある。知り合ったのはもう15年以上前になる。まだ会ったことはない。

最初に知り合った頃、向こうは私を女性だと思い、私は向こうを男性だと思っていた。しかしいろいろ話をしてみると向こうは私とほぼ同年代の女性であることがわかった。彼女は当時「日本における英語教育」というテーマで博士論文を書いており、その後シカゴ大学から博士号を得て、シカゴ大学でも教えていたりしたのではなかったかな。私も彼女に協力するために日本の中学生用の英語教科書を送ってあげたりしたのだった。
そんな彼女がFacebookで紹介していたのがこのサイトだ。10秒以内に答えないといけない問題が10問出るだけだから勝負は早いよ。ぜひお試しください。
彼女は「3800点取った!」とか言っていて、彼女の友達が「3980点だ!勝ったぞ」とか言っていたので、私もやってみたが案の定惨敗であった。

「280点だった。外国人には難しいね。」と書いてみたら、「いや~、ネイティブでなくてそれくらいとれたらすごいよ」、「日本語でこういうのがあったら、俺なんか何にもできない」とかいう慰めのお言葉をいくつかもらってしまった。

英語を使うときには頭のなかにある日本語をまず「簡単な日本語」に言い直して、それから英語に訳すようにしているので、むつかしい単語は知らないのだ。いや、難しい単語を知らないからこういう技(パラフレーズ)を使うようになったということかもしれない。

きっとネイティブは私の英語を「文法的には問題ないが、子供っぽい単語ばっかり使っている」というふうに受け取っているんだろうと思うが、それは問題ない。私はネイティブのふりをするつもりはないし、仕事で使うときには、とにかく「物事を誤解のないように伝える」というkとが一番大事だと思っているので、同じことを何度も繰り返して、「いいか、Aだぞ、BじゃなくてAだ、BでもCでもDでもなくてAだ。」というふうな感じなので、まぁ「英語に似た何かべつのもの」と思われているのかもしれない。

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2014年3月16日 (日)

電子通貨で悩む

BitCoinは渋谷で営業していた世界最大の取引所が破綻してしまって大騒ぎになっている(なっていた?)。

巷の論調としては「あんな怪しい物に手を出すのは馬鹿だ」というのと「新しい通貨のあり方として期待が持てていたのに残念」という2つにわかれると思う。私はどちらかというと後者で、BitCoinの新鮮さに魅力を感じつつもお金がなくて手が出なかった、というところ。

今、1BTC(BitCoinの単位)が数万円くらいなので、このまま暴落して500円くらいになったら買ってもいいかなと思っている。

BitCoinの考案者は「ナカモト・サトシ」とされているが、先日該当者が「私はBitCoinとは関係がない」という記者会見を行って、「じゃぁなんで記者会見を行ったんだ?」と疑問に思ったのは私だけではないと思うのだが、これが実は…という話がここにある。

BitCoinの原理は通貨の取引記録を利用者全体で共有しようという発想で、なかなかすごいことを考えるものだなぁ、と感心したのだった。実は私も電子通貨関連の仕事をしていたことがあって、自分でも戯れに「サンクス:Thanks」という電子通貨を提案してみたりしてみたこともあったのだった。

Thanks計画の稚拙さは、BitCoinのことを調べるに従って明らかになってきた。貨幣を誰がどうやって発行できるのか、貨幣の総量をどうやって制御するか、貨幣と他の価値との変換をどうするか。BitCoinはそのあたりを明確に定義していて、どこかの総理のように「日銀がお札を印刷すればいいんです!」というふうな暴挙はできないようになっている。

BitCoinは壮大な実験として失敗するかもしれないし、すでにもう失敗しているのかもしれないが、こういう試みは貴重だし、続ける価値は必ずあると思う。第二第三のBitCoinが出てくることを期待する。

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電気カミソリで悩む

年明けくらいからでシェーバーの調子が悪い。スイッチを入れたら即「ヴィ~ン」とウナって欲しいのだが、「カチッ・カチッ」というばかりで全然動かない。充電が切れたか?と一瞬疑惑がよぎるが、昨年末に充電したところだから充電満タンのはずだ。

この様子をなんとかここで紹介したいと思って動画にしてみた。



ま、こうやって結局はだましだまし動かせてしまうんですけどね。

このシェーバーは2007年6月に購入したものらしい。当時、まだ松下製品は「National」ブランドだった。松下が全面的に「Panasonic」ブランドを使うようになったのは2008年からだ。このシェーバーの前に使っていたのもやはり松下製の似たようなもので、充電式で防水というのがキーワード。朝は必ず石鹸剃り(顔に石鹸を塗ったままシェーバーで剃る)するので防水は必須だ。ヒゲが濃い方ではないので、一度充電すれば2ヶ月位は持つ。

しかし、この松下製の防水シェーバーは防水がいまいちである。一つ前のシェーバーも動かなくなったので分解してみたらモーターがサビだらけで動かなくなっていた。完全な防水を狙って充電も無接点充電なのに、ヘッド周りの防水がイマイチという片手落ちな設計というか製造というか検査が甘いのか(このシェーバーは中国製造)。


Steinedmotor_2 分解してみると、モーターにサビは浮いていたがサビサビで動けないということはない。問題はスイッチで、いろいろ確かめてみると、スイッチを動かすメカニズムはちゃんと機能しているのだが、接点がすり減って接触が甘くなっているようだ。接点をサンドペーパーで磨いたり、接点を押さえる部分にテープを張ってみたりしたが一向に良くならない。

手をつくしても一向に良くならないが、悪くもならないので、まぁこんなものだと思うことにしておく。で、いつ壊れてもいいように心づもりをしておこうと思う(まだ買わないのかよ)。

ところで、ここでこっそりご報告することがあって、中古の携帯電話を買ったことを先月辺りに報告したのだが、そのあまりのボロさ加減と、特にレンズカバーに付いている傷にどうしても我慢できなくて、横浜で綺麗な同じ機種の中古をたまたま見つけて、ちょっと(私の基準としては)高かったのだが、お誕生日に近かったということもあってついついつい買ってしまった。

ストラップの付いている右側が新しい方の944SHだ。左に比べると使用感がなくてピカピカでうれしいうれしいなんだけれども写真でわかるだろうか?
Two944shstrimmed

実は冒頭の動画もこの新しい944SHで撮った。撮ったものの、10Mバイトの動画をどうしてもケータイからyoutubeにuploadできす、結局マイクロSDカードをPCに刺してuploadせざるを得なかった。10Mもあるとさすがにメール添付もできないし(しかしなんで10Mにもなるかな?)。

このへんは今後の課題で、このケータイをあと5年は使うつもりなので、ちょっとした動画をひょいひょいとYoutubeにuploadできると楽だし。あとでDropboxとかEvernoteも試してみよう。

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2014年3月 9日 (日)

「大丈夫」で悩む

いつの頃からだろうか、「大丈夫です」という言葉が否定的に使われるようになってきた。

例えば「お友達から始めましょうっ!」「大丈夫です…。」「…。」とかいうやりとりとか。英語にすると「I'm all right without your help.」とか、「No, thank you.」という意味合いになるのかな?

どうもそんなふうな言葉使いが嫌いで、自分で「大丈夫」をそんなふうに使うことはないと思っていたのだが、先日コンビニで「レシートはご入用ですか?」と聞かれて不覚にも「大丈夫です。」と答えてしまった。

後ほど反省して、「結構です」でも丁寧すぎて変だし、結局「いりません」というややつっけんどんな言い方をややストレスを感じながら使うことにした。こう考えると、「大丈夫です」というのはかなりしっくり来るのだなぁ。

同じように違和感を感じている言葉使いに「~してもらっていいですか?」というのがある。丁寧にだが、こういうことを言われるときには断れない状況になっている。こういう問いかけに対して、残念ながら「嫌です」と言ったことはない。

こういう言葉使いが増えてきているように感じるのはどういうことなんだろうなぁ? 日本人がお互いに優しくなっているんだろうか? それとも逆に生活の中にいろいろな軋み(きしみ)ができる状況に対して潤滑油的な言葉使いが広がっているのだろうか?


言葉としての選択肢が増えるのはいいことだと思うけれども、なんだかその背景となっている状況というのが気になる今日この頃であります。

5月10日追記:

例えばこのショートコント(?)で使われている「大丈夫」はなかなかきつそうだ。

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