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2014年4月 7日 (月)

伝説のフルーティストに悩む

フルーティストJeremy Steigの話は前にも何度か書いているが、今回やっとそのライブ演奏に接することができた。2014年4月5日、南青山のBody&Soulである。

ライブをやるというはがきを頂いてすぐに電話で予約を入れたので、席はかぶりつきもいいところ。私からほんの1mくらいのところでジェレミー・スタイグが熱演を繰り広げるという幸せなひとときであった。

店は満席で、本番の2日ほど前に2人分の席を追加で確保しようとしたのだったが「立ち見席まで満員です」と断られてしまった。席はフルートの演奏位置からは近いものの、直径40cmほどのテーブルに4人が座るという混雑ぶりで、ミュージシャンがステージに入るのにも苦労するという状況。実際、ジェレミー・スタイグがステージに入るときには二回とも私が席を立って道を譲ったくらいだった。

席には若いピアノ男子とフルート女子のカップルと相席で、この二人とお話してみると、お二人は大学のジャズ研で知り合ったということで、フルート女子が大のJSファンだということだった。私が「Jeremy Steig First Album」を見せると、「私も持ってます!オークションで買いました!」とのこと。

Jsteig2014

バックを務めるのは山本剛トリオである。最初にトリオで2曲演奏したが、2曲めが山本剛のヒットアルバムのタイトル曲であるMistyだったから、1曲めは彼の初リーダーアルバムのタイトル曲「Midnight Sugar」だったのかもしれない。

Mistyが終わってJeremyが呼ばれ、最初の曲がOleoだった。ここで思わず先のフルート女子と顔を見合わせて二人でニヤニヤ。というのは「Jeremy Steig First Album」の最初の曲がやはりOleoで、アルバムと同じベースとフルートだけでテーマを始めたということはつまり「アレです」ということなので。

で、サビのアタマでピアノがパーンとコードを入れてくれるかと思ったが、そういうサービスはなくて、山本氏はこのアルバムをなぞるつもりはないらしい。

忘れないうちにセットリスト(JS参加分だけ)を書いておくと、

Oleo
So What
Willow Weep For Me
---
Bye bye Black Bird
枯葉
スパルタカス(愛のテーマ)
Georgia On My Mind
===
All Blues
Lover Man
ということで、大いに先のFirst AlbumとEvansと共演したWhat's Newを意識した選曲となっていた。2曲めは知っている曲なのだがタイトルが思い出せなくて、先のピアノ男子は「恋とは何でしょう、じゃないですかね?」といっていたがそれは違う。タイトルでよく混同する「恋の味をご存じないのね」じゃないかと思うのだが、まだ譜面で確認していない。

ジョージアについては因縁があって、実はかなり前の話だが上野にGH9というジャズバーがあって、そこで私は山本剛トリオを聴いたことがあったのだった。そのときにこのジョージアをリクエストしたのだが、「え~、コードわからないなぁ」「なんか似たようなコード進行があって混乱するんだよね」とか言いながら何とか適当にごまかしつつ演奏してくれたことがあったのだった。

で、ジョージアでいったん終了ということになったのだったが、「ミュージシャンが来ています」ということでピアノとベースがそれぞれ女性に入れ替わり、さらにフリューゲルホーンとトランペットを吹く人も参加してあとの2曲をやった。この女性ベースはなかなか元気が良かったのだが、ピアノのほうはう~んわざわざ出てくるほどのものか?という感じ。

しかもAll Bluesではエンディングに手間取って、23時を回ってしまい、こちらは終電が気になっているというのに山本ピアノまで参加してグダグダやっている。やっと終わったところで退散したが、そこでラバーマンが始まってしまうという惜しい状況。

で、ジェレミー・スタイグの演奏だが、これはお歳に似合わずなんとも元気なもので、ほんとにすごかった。あんなフレーズをどんな顔して吹いているんだろうと思っていたのだが、普通の顔だった。演奏中はたいてい目をつぶっていた。昔は特殊なマウスピースを使っているとかいうことを聴いたことがったのだったが、マウスピースは普通だった。

私の連れも実はフルートを吹いていたことがあるので、フルート女子と話をしていたのだが、よくまぁあんなに軽々と吹くものだ、と。確かにいつ息継ぎをしているのかと思うくらい早いフレーズを続けているのだが、息の効率が実に良いみたいだった。

驚いたのは超グリッサンドというか、指は動いていないように見えるのに音程が途切れること無く2度ほど上がったりする。微妙にハーフバルブとかやっているのかもしれないが、ずっと指を凝視していたにもかかわらず私にはわからなかった。

で、得意のノイジーフレーズだが、昔とぜんぜん変わらずやってくれて嬉しかった。普通の音程とオーバートーンを同時に出すようなこともやっていたし、まだまだ意気軒昂というところ。

面白かったのは音程をひょろひょろ~とフェイクするようなときに、右手の人差指と中指を本来のポジションから外して、テキトーなバルブをベーシストがベースを弾くような感じでこちょこちょするという技。ときには左手の領域のバルブまでもてあそぶようなことをしていて面白かった。
今回は前回サインしてもらっていなかったEnergyを持っていってサインしてもらったのだったが、この人の頭のなかにはきっとこのアルバムデザインの線画みたいな感じでメロディがぎっちり詰まっているに違いない。それらのメロディが口と指からほとばしり出てくるのが彼の音楽なのだなぁ、と思った。

Energy
Bassflute そういえば彼はBassFluteも持ってきていて、Willowとかを吹いていたのだが、こういう低音楽器というのは息を多量に無駄使いするもんだという先入観とは裏腹に、まったく軽々と吹いてしまっている。普通のフルートとなんの変わりもなく吹いてしまうのはやはり只者ではないのだろうなぁ。
Bass Fluteは管の長さからしてキーCではないか、とフルート女子とも話していたのだが、ジョージア(オリジナルきーはG)の時にベーシストの指を見てキーGで演奏していることを確認した上でジェレミーの指を見ていると。やはりキーはCであるようだった。

ベースといえば、山本トリオのベーシストがロン・カーターばりの「4弦延長型コントラバス」を弾いていた。普通4弦はEに調弦するのだが、4弦部分だけ指板を延長して3度低いCまで出るようになっている。

仕掛けをよく見てみると、延長した先からローラーを介して3弦用の糸巻きへ導かれていた。だから3弦は4弦用の糸巻きへ行ってるのだろうなぁ。

でもこの4弦jはEのところにストッパが入っていて、実際には普通のEまでの音程しか使っていないようだった。これは帰り際にベーシストに確認したので間違いない。

写真はご覧のとおりお粗末なものだが、まぁ写真を撮りに行ったわけじゃないし、演奏中に写真を取るのは憚られるし、ということでこんなことになってしまった。まぁそんなことはどうでもいいのだけど。
ついでに、と言っては失礼なんだけれども、山本剛さんの初リーダーアルバムを実は持っていたので、これにもサインをもらってきた。当時はブルースの香りを残しながらモダンなことをやってくれるピアニストとして期待していたんじゃなかったかと思うが、わたしは日本人の初リーダーアルバムを買うなんてことはめったにないので、よほどなにか気になっていたのだろうと思う。

Midnightsugar
で、「そのフルーティストってどんな音を出すんだい?」という人のために41年前のライブ演奏をおいておこう。ヨアヒム・キューンがエレピを弾いている。

山本剛から「ちょっとはしゃべれよ」というふうなことを言われて「コンバンワ」てなことをちょっと喋ったが、あとは「Japanese Lessonがどうのこうの」みたいなことをぼそぼそと喋っただけだった。これはもう、日本語覚える気はないものと見た。

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コメント

なかなかとよい演奏だったようですね。同席の人もよかったようですし。臨場感が伝わってくるようです。

Jeremyのブログではリハビリにいって日本語の練習とか書いてたように思いますが、元気で日本語覚えず、というところでしょうか。
きっと年とともに演奏内容よりも技術が力が抜ける演奏ができるようになってるんでしょうね。
関東は色んなライブがあってうらやましいです。

投稿: taki | 2014年4月 9日 (水) 00時51分

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