LEDフラッシュライトで悩む
これはだいぶ昔に100円ショップで買ったフラッシュライトだ。投光部分に2つの自由度があり、本体をクリップで何かに固定しても広い範囲を照らすことができる。これは薄暗いデスクトップPCの中をいじるときに、いい角度で照らしてくれたりするので便利だ。以前はこういうライトを口にくわえて照らしていたりしたが、それでは角度が悪いなんてこともあったりするので。
でも、時代を感じることに光源が白熱電球だ。電流を測ってみると600mAも流れているので、単3電池が数時間も保たない。
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分解してみるとこんなふうになっていて、電球部分がはめ込みになっている。製造工数を減らすためだろうかハンダ付けは全く使われていない。この部分をLEDに付け変えたらそこそこの照度を低消費電力で実現できるのではないか? LEDでなら消費電流が20mA程度だから、なんと1/30である。電池が30倍長持ちするということだ。 |
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調べてみると、昔ながらの赤や緑のLEDGERなら2V台の電圧で動作するのだが、白色LED(実は青色LED+蛍光物質で白色を実現している)だと動作電圧が3V台になってしまう。 |
いろいろ調べてみると、こんなLEDを発見。
日亜広角白色LED NSPW510HS-K1
Vf:2.8V(typ) If:20mA 色調:b2 光度:Wランク:12.4-17.3cd 指向角:30° |
2.8Vということは少々くたびれた電池でも動作する可能性がある。電池とLEDの間には10Ωくらいの抵抗をはさみたいところだが、電池もくたびれていて内部抵抗が高くなっていることだろうから、まぁいいんじゃないの?ということで省略することにする。
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そういうわけだから、元の電球をこんなふうにしたLEDで置き換えることが出来そうだ。このままでは位置取りが安定しないから、100円ショップで買ったエポキシ・パテで整形する。 |
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エポキシ・パテは2液性の硬化剤となにやら可塑剤というのか混ぜ物をうまく組み合わせてあって、これを輪切りにしてモミモミすると化学反応を起こして硬化するというもの、つまり「固まる粘土」みたいなものだ。エポキシはA液とB液の管理が面倒だが、こういう形になっていると適量だけ使えて楽だ。こういうのは昔からあったが、100円で買えるというのは嬉しい。 |
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というわけで、エポキシ整形したものを組み込んだら、ややヘタリ気味の電池でもこのくらいに光ってくれる。 |
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比較のために元の電球に付け替えて撮影してみた。同じような明るさに見えるかもしれないが、それはカメラの自動調節機能が働いているからなので、周りの部分の明るさを比較してみれば実際の明るさが相対的にわかると思う。 |
そんなわけで、フラッシュライトのLED化に成功したわけだが「LED化フラッシュライトなんて100円ショップで売ってるよ」という声も聴いた。いや確かに聞いた。この耳で聴いた。
実際、私もすでに100円ショップのLED化フラッシュライトを持っているのだ。しかもこいつはLED化が9個付いていて、ボタン電池(CR2025:3V)が2個付いていて、しかもそれでいて100円なのだ。あっさりと「負け」である。しかしこれはそういう問題ではない。私はこの電球式フラッシュライトの形に惚れていたので、なんとかこれをLED化したかったのだ。
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コメント
単三電池2本で動作するミニマグライトという懐中電灯がありまして,ボディーがやたら頑丈で価格もそれなりなんです,私がミニマグを買ったのは,LEDがまだホンノリ赤く光る頃でしたので当然白熱球です。ネットで調べた所ミニマグ用のLED電球ユニットが販売されていたので購入したのですが,昔ミニマグ本体を購入した金額と変わらないお値段でした,まあDC-DCが入っていますので有る程度は仕方ないですけどね,明るくかつ消費電力が減ったので満足はしています。
投稿: ををつか | 2014年5月11日 (日) 22時35分
「LEDマグライト」で検索してみると、アマゾンで3000円前後で買えるようですね。さすがは高級品。でも米アマゾンでは20ドルくらいで買えるんだそうです。
で、考えてみると私もやたら無駄にフラッシュライト持っているので、今度並べて写真とってみよう。
投稿: PicksClicks | 2014年5月13日 (火) 00時22分
以前から不思議に思ってた事があります。何故英語のFlashlightが懐中電灯になったのでしょうか?,またFlashってのには「一閃」「瞬間」てな意味が強いように感じますが,なぜFlashlightなんでしょうかね?,悩みます。
投稿: ををつか | 2014年5月14日 (水) 22時12分
私も「フラッシュ」ライトというのには違和感を持っていました。でも「懐中電灯」というのもカッコ悪いな、と。
で、WIKIで調べてみると、初期の(電気)懐中電灯は電池(亜鉛・炭素電池)と炭素フィラメントの電球のために短時間しか連続して使えなかったそうです。なので「フラッシュ」ライトなんだとか。
http://en.wikipedia.org/wiki/Flashlight
投稿: PicksClicks | 2014年5月15日 (木) 20時50分
ほ〜,そんな経緯が有るのですか,知らなかった。若い頃読んだ小説にフラッシュライトとカタカナで出てきて,主人公はカメラに付けるフラッシュを持って暗い所を照らしていたのかよと,ちょっと思い,調べて見たら懐中電灯の事で翻訳者が知らなかったのね,と腑に落ちた事がありました。でも懐中電灯って中々の命名だと思いますけど,携帯型の電灯(照明器具)って事ですよね。懐中時計とか懐中汁粉とか懐中ってなんか良い響きの言葉じゃないですか?
投稿: ををつか | 2014年5月15日 (木) 23時14分
うん、懐中電話とか懐中スマホとか?
でも「懐」って現代では事実上なくなってますからねぇ。
しかし「懐中汁粉」って何?
投稿: PicksClicks | 2014年5月17日 (土) 00時49分
懐中汁粉とは,和菓子で,モナカ状の物体であり,食する前に中の固形化された餡とモナカの皮を分離し,餡をお湯で溶き,モナカをお湯に浮かべると,あたかも餅入りの汁粉のように食せるモノです。要するに,カップの麺のごとく,お椀とお湯があれば,即座に汁粉が食せるインスタント食品です。
投稿: ををつか | 2014年5月18日 (日) 14時51分