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2014年6月 7日 (土)

平面充填に悩む

またまたエッシャーの話で申し訳ない。

 

エッシャーの作品を「だまし絵」として分類されたりすることがよくあって、まぁ確かにそういう絵も描いているのだが、それは人をだますためというよりも絵の表現力の限界をお超えることを面白がっているように思える。

 

そんなエッシャーに私が惹かれるのはその平面充填の手法だ。平面をある法則を持ったパターンで埋め尽くすことにすごく惹かれる。これは漠然とではあるが音楽ときっと何処かでつながっているのだと思う。つながっていないのであれば、私がつなげたい。

 

Escherparty

 

 


そんな思惑もあって、私もエッシャー的なパターンを考えてみたりしたが、あまり大したものはできなかった。なので、平面充填にもうちょっとまじめに取り組んでみようかと。

 

A3

 

 

まず、三角形で充填させてみようと思って、こんな絵を描いてみた。

 

三角形の各辺に点対称となるような線を引いてみる。形に具体性はないが、それはあとからはめ絵ふうに考えればいいし(上下を逆にすると鳥みたいに見えなくもない)。

 

これを幾つか組み合わせた図を描いてみてもいいのだが、時間がないのでまたの機会に。

 

しかし、この絵を眺めていて気がついたことがある。それは別に辺を変形させるについて必ずしも点対称でなくても良いということだ。

 

非対称な辺(オス型)があっても、その非対称な辺を受け入れることができるメス型の辺があればいいわけだ。つまり平面充填するためには基本的な図形(三角、四角、六角)の辺を変形させることが必要になるが、その変形にかんして両性生殖的な辺と、単性生殖的な変形があるということだ。

 

単性生殖的な(シングルと呼ぼう)辺は同じ形の別のピースの同じ辺の位置に対応する辺と結合する。一方両性生殖的な(カップルと呼ぼう)辺は、当然別のピースのカップルとなる辺と結合することになる。

 

これはピースがすべて同じであるということを必要としない。カップルな辺のペアA/A'、B/B'、C/C'があったときに、これらがずべて一つのピースにあってもいいし、複数のピースに分かれていてもいい。要は最終的にカップルが成立すればいいのだから。

Hexagon3で、こんな「カップル」な図形を考えてみた。これは正三角形を基本として、平たい三角形の出っ張り2つと同じ形の凹みを作ったものだ。

この形をいろいろな方向で組み合わせると、いろいろと面白い形になって、別の新しいピースができるような感じになる。

このピースを使って作ったいろいろな形をあれもこれもお見せしたいのだが、なにしろEXCELと貧弱な画像編集ソフトだけで作図しているので、面倒くさくてしょうがない。なにか軽いCADソフトのいいのはないかなぁ。

Hex3ちなみに、こんな形を作ってみたよ。


これを2つ組み合わせると正六角形になったりもするし、これはこれでまた新しいピースとしても使えそうな予感がある。

Hex4もう一つ基本形を足してみると、面白げな形になる。まぁきりがないけど、こういう形のタングラムがあると面白そうだ。

で、こういうエッシャー的平面充填を連想させる音楽の例をここに挙げてみよう。

 

「JM-GrandPrix.mp3」をダウンロード

 



ひゃーかっこいい、と私は思うのだが、これはいわゆるペンタトニックスケールという音階を使っていて、いくつかキーの違うペンタトニックを組み合わせているのだろう、という印象だったのだった。

実際に音を拾ってみると、そのあたりはあまり明確ではなかったのだが、いわゆるペンタトニック・フレーズとは違う響きはそのあたりの組み合わせ方にあるのだと思う。

あるスケールの一部が他のスケールの一部と「カップル」になることを利用してスケールの乗り換えを行い、それによって聴いている人に混乱をもたらしつつ、その混乱を解決して安心させる、という手法なんじゃないか、と勝手に思い込むことにする。

さて、エッシャーの話ばかり続くので、この話も一緒に入れてしまおう。別投稿にするとまた言い訳しなくちゃいけないので。

Infiniteescherオークションでエッシャーを検索していたらこんなものが出品されていたので競合なしで落札してしまった。

なんと1990年製のVHSビデオである。ショーン・レノン(オノ・ヨーコの息子)が主演となっている。

実際に見てみると、40分の内容のうちレノンの出演するショートフィルムは8分ほどで、あとはエッシャーの作品をいろいろな形で見せてくれるというもの。

エッシャーの作品はたいてい見ていると思っていたのだが、目新しいものもあった。

 

ショートフィルムはSONYが高解像度ビデオのデモのために作ったとかで、中身はそれほど大したものではないが、音楽(録音・ミキシングも含めて)が坂本龍一だ。他にも日本人スタッフが多数クレジットされている。

とか言うよりも実物を見てもらったほうが早い。ビデオのタイトルでYoutubeを検索すると、あっけなく見つかった。

 

 

 

 

 

しかし改めて1990年ということを考えると、当時まだDVDというものは存在しておらず。私はまだパソコンにCDドライブを持っておらず、Windowsはまだversion2.0かそこらでまだまだ使い物になっておらず、私のパソコンのHDDは60Mバイト(Gバイトの間違いではなく)だった。

 

CGなんていうものもまだまだ一般化されていなかった頃だから、当時としては力作なんだろう。人形の顔が気持ち悪いのは勘弁してやって欲しい。

2019年4月6日追記:

平面充填の音楽への応用というのをちょっと考えてみた

 

 

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コメント

私の今のお気に入りのゲーム
https://itunes.apple.com/jp/app/monument-valley/id728293409?mt=8
エッシャー的世界を彷徨うゲーム,iOS版だけかな?

投稿: ををつか | 2014年6月 7日 (土) 12時55分

そのゲーム、Android版は無いようですね。色使いと言い、いかにもAppleふうに洗練されています。

投稿: PicksClicks | 2014年6月 7日 (土) 13時35分

エッシャーに関心あるみたいですね。私も関心がありいろいろ創作しました。世界的にみても、エッシャーに関心ある人でも、それを理論的に考察してtiling patternに関心を持つ人はきわめて少ないです。50人未満?だと思います。
占部聰長

www.urabe-pattern.com

投稿: Toshinaga Urabe | 2019年4月 4日 (木) 01時22分

エッシャーはスペインを旅行してイスラム模様から平面充填を学んだのだそうですね。新しいことを学ぶためには概念をハンドリングするための言葉を編み出さねばならず、その辺が苦しいというか楽しいというか。

私もまだそのあたりを扱える言葉を捕まえていないので、まだまだですね。

投稿: PicksClicks | 2019年4月 6日 (土) 00時52分

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