Joni Mitchellで悩む
ジョニ・ミッチェルというのはカントリー歌手だと思っていたのだが、なぜかJaco Pastoriusとの共演が多いということで気にはしていた。どのくらい気にしていたかというと、海外でmp3化された彼女のアルバムを7枚分ほど買い込むくらいだった(でも、ほとんど聞いていなかった)。
では、Jaco Pastoriusとは何者か? というと、これは鬼才ベーシストである。人によって好き嫌いがあるだろうが、ものすごいベーシストである。どのくらいすごいかというと、つまり誰が聞いても彼だとわかる自分の世界をきっちりと持っていて、しかもふつうのコトもちゃんと出来るというところがすごい。特にベーシストはこの後半の部分が大事で、これができないと爪はじきされてしまうのだ。ちなみに私はJacoが大変に好きである。
てっきりカントリー歌手だと思っていたジョニ・ミッチェルとJacoがどうしてつながるのか不思議だったが、まぁ有名なベーシストだから使ってみようかな? ということなんじゃないかと思っていた。で、実際のところジョニ・ミッチェルの歌にはそんなに魅力を感じないので、せっかくのmp3もほったらかしだったのだった。
そんなジョニ・ミッチェルを聞いてみようかという気になったのは、この本のおかげだ。この本の第8章でジョニ・ミッチェルについて触れていて、曰く「ジョニの譜面にはベースに対する指定がないので、ベーシストはみんな『ルートは何だ?』と聞いてくる。それを聞かないのが唯一Jacoだった」と。
なるほど、確かにジョニ・ミッチェルの譜面を見てみると、コードネームが書いてない。ピアノ譜なので左手の動きを見てみると、大してややこしいことはしていないのだが、しかしどうやら「コードに縛られるのは嫌!」というタイプらしい。それともコードネームを覚える前に有名になってしまったのだろうか?
コード・システムというのは非常に効率的に音楽を制作できる方法論なのだが、それをあえて嫌う人もいるというのは理解できる。「コードに甘えるな!」という主張もわからないでもない。
しかし、コード・システムならではの展開もあったりするので、コードシステムをまるっきり否定するのはどうなんだろうな? と思ったりするわけ。
では、そんなジョニ・ミッチェルとジャコ・パストリアスの共演がどういうものかというと、Youtubeにはなかなかいい例がなくて、こんなのしかない。
でもこれ、ベースラインを聞いてみると、12小節ブルースじゃないのかなぁ? ちっともジョニ・ミッチェル風じゃないように思うんだけれども。
今、スマホにジョニ・ミッチェルの曲をぶち込んで集中的に聞こうとしているので、もっといい例があったらまた紹介しようと思う。
8月2日追記:
私の持っているmp3の中では、「Hejira」というアルバムが一番ジャコパスの活躍するものであるようだ。他にも「Mingus」とかも面白いらしいが、これは私も持っていない。
で、HEJIRAから何曲かご紹介、と思ったが、手持ちのmp3を再エンコして音質落として編集して、ということはやりたくないので、Youtubeで探して見た。動画ではないが、アルバムをそのまま聞ける。
このアルバムの中ではジャコパスの他にラリー・カールトンがギターで入っていて、なんというか、事前にどういう打ち合わせをしたのかわからないけれどもギターとベースはそれぞれ独自にコード解釈をしているようにも聞こえるし、あるいは事前に「こういうコード進行だということにしようぜ」と打ち合わせたかのような曲もある。このあたりは当事者に聞かないとわかあらないだろうなぁ。
ところで、先にご紹介したライブ映像の「Dry Cleaner」だが、Jazmyzさんのおっしゃるように確かに最初から12小節ブルースでした。キーはBbでした。
私の印象ではジョニ・ミッチェルがマイケル・ブレッカーから音をもらってテキトーに歌っているところへジャコパスが合わせたのかと思っていたのだが、よくよく聞いてみるとジョニ・ミッチェルの歌もちゃんとブルースで3コーラス歌っている、というかこれもアドリブのようですが。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 山崎まさよしの微分音で悩む(2021.08.01)
- ギターのミニチュアで悩む(2021.07.29)
- aikoの微分音に悩む(2021.07.28)
- レジェンドのライブ動画で悩む(2020.08.07)
- ギタースタンドで悩む(2019.09.08)
コメント
これは、ちょっと興味あるなぁ。その後を楽しみにしてます。
投稿: | 2014年7月29日 (火) 23時16分
あ、ナゼか名前が入力できない。
uranでした。
投稿: | 2014年7月29日 (火) 23時18分
これはブルースそのものですが、このコンサートがDVDになっています。レコードでは二枚組で、愛聴盤でした。今もiPodに入れてあるので時々聞いています。ジャコ以外にメセニー、ブレッカーというメンバーがゴリゴリやってます。
投稿: jazmys | 2014年7月30日 (水) 09時46分
JazmysさんがJoni Mitchellを「愛聴」していたとはっ!?
ってことはその当時でアルバムとしてベスト10くらいには入っていたということですか? あの膨大なライブラリの中で!?
ところで、知り合いが関内にジャズバーを開いたんですが、ご招待しましょうか?
投稿: PicksClicks | 2014年7月31日 (木) 22時25分
Hejiraというアルバムから抜粋したものをそのうちに貼り付けようと思いますので、しばらくお待ちください>uranさん
投稿: PicksClicks | 2014年7月31日 (木) 22時27分