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2014年7月26日 (土)

実用ロボットで悩む

実は仕事でロボットを作っていたことがあって。これは工場でパーツを組み立てる、いわゆる産業ロボットで、その設計とか試作を重ねていた、という今までやった仕事の中でこれが一番面白かったのだった。

産業ロボットなので、当然のことながらヒューマノイド(人間型ロボット)ではなくて、無骨な骨組みだけのロボットだったのだったが、視覚を持っていてベルトコンベアから流れてきた部品を識別してどういう部品がどういう向きで(裏表も考慮して)転がってきたのかを判断して持ち上げ、所定の位置へ組み付けるというふうなことをやるわけ。これはこれで大変楽しかったのであった。

世の中は進んで、ヒューマノイドがそろそろ一般向けに発売されようかという時代になったわけだが、完全に自律して動作するロボットというのは難しくて、ある程度はプログラムを覚えさせて、ということをやらないといけない。

介護ロボットなどはその力を期待されているわけだが、力があるゆえにその力を間違って使われるとまずいことになるからそれに対する防護策も必要だ。そういうことを考えると、下手に自律的に動かれては困るのだ。

だから、今のところロボットは単機能がいい。介護ロボットにしても人間の形にこだわるよりもクレーンのようにわかりやすい形で、動作の予測がしやすいもののほうが普及しやすいのではないかと思う。

ヒューマノイドよりも無骨な、自律せずに単機能な、つまりはより実用的なロボットでまずマーケットを開いて、全般的なロボット作成コストを下げつつ機能増強を競うという風になっていくんじゃないだろうか。

これはアメリカの海兵隊が開発したらしい馬型ロボットで、歩兵に追従して荷物を運ぶことをその任務としている。どうやらガソリンだかディーゼルだか内燃機関を持っているらしくて、そのエンジンで油圧を発生させて実際の動きは油圧で制御されている。

馬の形になったのは、凹凸の多い草原を歩くための必然なのだろう。前方にはカメラを持て散るようで、リモートコントローラからどういう指令ができるのかはわからないが、前進とか後退とかいうレベルではなくて、「ついてこい」、「とまれ」、「右へ」というようなマクロな命令なのじゃないだろうか。

防弾装備とかどうなっているのか知りたいところだが、頭の部分にカブリモノをつけると遠くから見たら本当に馬にしか見えないから、監視役として放置しておくこともできるんだろう。
近くで見るとこんな感じで、エンジンの音が意外に大きい。足の構造は馬をまねたのか、それともやはりこういう構造がオフロードに向いているのか、そのあたりは謎だ。

加速度センサやジャイロが安くなったから、いまどきのロボットは四足歩行に関して相当進歩しているようだ。

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