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2014年10月26日 (日)

波の高さに悩む

久々にクライブ・カッスラーを読んだ。昔は好きでよく読んでいたのだったが、ドラゴンセンターがどうしたこうしたという話での日本の描き方が気に入らなくて、読むのをやめた。まぁそれだけじゃなくて、話がいちいち大きくて、主人公(ダーク・ピット)がピンチになるたびに父親の上院議員が出てきたり、大統領が出てきたりするのに食傷していたということもある。

Polarmetal

カッスラーは1931年生まれということだから、御年87歳?これらの作品は2008年あたりの出版なので80歳前後の作品だろうか。サポーターというのか、ポール・ケンブレコスというひととの共作ということになっている。そのへんの詳しいことは知らないが、まぁいいのだ。

内容としては、まぁそんなもんかなという感じではあるが、磁極反転の方では日本人科学者がでてきて、まぁだいたい想像通りのあつかいだった。それから、アクションシーンの描写が雑だ。相変わらず話が大きいので映画向きっていうか、まぁプロットとしては使えるんじゃないでしょうか。

カッスラーの映画といえば、「タイタニックを引き揚げろ」が有名らしいが、カッスラーはこの映画を見て激怒し以降の映画化を断り続けたという。唯一の例外が「サハラ――死の砂漠を脱出せよ」(原作は「死のサハラを脱出せよ」)という映画で、これについてはこのブログの何処かに書いたことがある。ありえない設定から始まってありえないエンディングへと続くこの映画は今から思えば面白かったなぁ。

ところで、「運命の地軸反転」のほうで「100フィートを超える波」ということが言われていて、100フィートの波というのがどういうものなのかちょっとイメージできなかった。東日本大地震の時の津波が最大40m(133フィート)ということだったから、そういうことなのかも。

で、ちょっと調べてみたのだが、波のメカニズムというのは意外に簡単に説明されていて、こんなふうに図示されるという。

Wave
つまり、波というのは海面の水の分子の一つ一つが円軌道を描いていて、トロコイド曲線を描いている、と。トロコイド曲線というのはタイヤが転がって行く時にタイヤのなかのある一点に注目した時にできる曲線だ。上の図では円(母円)が図の上の線に接しながら、つまり車のタイヤで言えば道路が上にあるような形で赤い矢印で示す方向に転がっていく。

実際の波の形は母円のトロコイドではなくて、母円のやや内側の軌道円に沿うものとなる。おそらくは海水の粘性だとか空気抵抗とかで起きる損失によるのだろう。

この図からわかることは、波の高さは波の波長の6分の一(正確には2πの逆数)を超えることはないということだ。ふうん、なるほど。

Siki1で、こんな公式が書いてあって、ここでcは波の速度であるという。この式がどうやって導出されたのかは知らないが、これは面白い。

ただし、この式は海が波長に対して十分に深い場合の式であって、海が浅くなるともっと簡単な式になる。Siki3

海の浅くなってきて、L/2π以下になると、波の底辺が突端よりも速度が遅くなって波頭が崩れる。我々が海岸で見ている波はこうしてできるのだろう。

Siki2_3さらに、この式では波長が波の周期Tと波の速度の積で表わされることが示されている。つまり波の波長がわかれば波の高さとその波の伝搬速度がわかるということだ。

だから、波高40mの波の波長はおそらく250mくらいだろう、そしてこの波は秒速20mで走り、その周期は12.5秒だ。これが「133フィートの波」の実際だ。ああすっきりした。
 

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コメント

波は水面近くで起こる微小振幅波と底から全部の水が動く長波がありまして,海で起こる普通の波は大気の動き(風)に引き起こされる吹送波(風浪)で云々と40年前に学校で習いましたが,ホトンド全て忘れました。
ちょっとだけ憶えているのは,津波が巨大に成るのは,海底地形の変動による,底から水面までの海水全部が動くからですね,ですから,風浪と津波はメカニズムが違い,当然式も変わって来ます。

投稿: ををつか | 2014年10月26日 (日) 21時39分

参照先のサイトに、風による波と津波による波、さらに2011年の津波を分析した話も書いてありました。

投稿: PicksClicks | 2014年10月26日 (日) 22時36分

ご紹介のサイト,大学で一年間掛けて講義を受けた内容が簡単に1ページに纏められていました。この手の知識って本も禄に出てないし,一般的に語られる事も少ないんですよね。

投稿: ををつか | 2014年10月27日 (月) 07時10分

波の高さと波の間隔(つまり波長)の関係を知りたくて探したページでしたが、流体力学の一環だと思っていたのに、粘性抵抗にも比重にも関係ない簡単な数式だったので驚きました。

投稿: PicksClicks | 2014年10月28日 (火) 01時07分

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