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2014年12月 6日 (土)

ニュータイプのエレベータに悩む

ドイツ人の考え方は面白い。以前にドイツの会社とある装置の設計をする仕事をしたことがあって、そこでひと揉めがあった。装置の操作性に関して、日本側としては使いやすいように気を配った提案をするのだが、ドイツ側がそれを受け入れないのだ。

ドイツ側の言い分を要約すると「たとえ使いにくくても、理屈が通っていればユーザ(ドイツ向けの装置なので想定ユーザはドイツ人)は受け入れる。」ということだった。使いやすさよりも「筋が通っているかどうか」が優先するというのだ。

結局、ドイツ側を説得することができずに「理屈にはあっているが、使いにくい」という装置になってしまったのだった。

そういうドイツ人だから、飛行機に関する主要な発明(金属モノコック構造、低翼単葉、ジェットエンジン)であるとか、ロケットであるとか、ハーモニカであるとかの奇抜な製品を生み出してきたのだろう。

そんなドイツで新しいエレベータが提案されている。なんと「上下左右に動くエレベータ」だ。

Elevater たしかにエレベータというのはビルディングの形に対して大きな制約となっている。

ビルが真っ直ぐでつまらない形になっているのは垂直なエレベータシャフトが原なのだから、エレベータが上下左右に動くことによって運送効率が上がり、エレベータのカーゴを小さくできたりすると、ビルの設計はもっと自由になるだろう。

しかし、運行管理が大変そうだな。自由度が高いのもいいが、自由すぎるというのも考えものだ。一体何を拠り所に運用管理すればいいんだろうか。もちろん安全第一だろうけど二次的な性能評価をどうするんだろうか、とか。

しかも、カーゴ移動には磁力を使うという先進ぶりだ。相当電力を食うはずだが、コスト的に大丈夫なんだろうか?


しかししかし、極東の島国もなかなかに負けていないのであった。

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コメント

むか〜し,エレベータガールさんに「上へまいります」「下へまいります」以外にも「右にまいります」「左にまいります」と言わせたいね,と言った事を思い出します。日立のヤツもドイツのヤツも,乗り降りに時間が掛かったら他の搬機は途中で待つのでしょうかね。ヨーロッパには循環式エレベータが有ると記事を読んだ事があります。wikiに記事がありました。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AB

投稿: ををつか | 2014年12月 7日 (日) 08時29分

そのWikiのは日立の動画で「こういうのって危ないよね」と紹介されているやつですね。実際、Wikiにも『なお、日立製作所は2006年3月にパーテルノステルと似た原理の「循環式マルチカーエレベーター」を開発したと発表している』とありますから、日立はこのパーテル・ノステルを意識しているんでしょうね。

投稿: PicksClicks | 2014年12月 7日 (日) 11時58分

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