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2015年5月の7件の投稿

2015年5月31日 (日)

ナイロン弦が切れて悩む

こういうタイトルは前にも書いた覚えがある。弦が切れたらどんなふうに切れたかを書いておこうと思っているので、そりゃ同じタイトルになるわな。

Sbsh0865今回もまたサドルのところで切れた。このギター(鈴木バイオリン製)はしばらくケースに入れて放っていて、天気もいいから風に当ててやろうかと思って出してみたら切れていたのだ。そういえば、寝ている時に変な音がしたことがあったな。

以前にも書いたように、ナイロン弦のサドル部分には機会あるごとにビニルパイプで保護するようにしている。ごらんのとおり、4弦にはそのパイプがかぶせてあるが、保護していない5弦が切れたのだった。

さて、弦は買い置きのがなくなっていたのをちょうど最近補充したばかりだ。この際6本全部交換してもいいのだが、せっかく1~3弦がいい感じに安定しているのであまり触りたくない。

それにパイプで保護している4弦がどこまで使えるかということも試してみたいので、切れた5弦と切れていないが古い6弦を交換してビニルパイプで保護する。6弦用にも太めのパイプを買ってあるので、それをかぶせる。


Sbsh0877張り替えたらこんな感じ。

張り替えて3日で音程も安定した。

ところでナイロン弦にはずっと「La Bella」の900というのを使っている。もう他の弦はほぼ念頭にない。

最初にこの弦を買った時の話で詳しく書いているが、普通のナイロン弦は巻き弦に銀メッキ銅線を使っているのに対して、La Bellaは真鍮線を巻いているので、え~、耐久性が強いというか要するに長く使える。

銅線だとどうしても使っているうちに痩せてきて音程が狂ったり、そもそも痩せすぎて切れてしまったりするのだが、ラベラ900はそういうことがないので、今回のようにサドル側で疲労して切れるまで使えるということだ。厳密に言うと、真鍮線も酸化したりしているから多少は音程に影響が出ているのかもしれないが、私にはわからない。

え、じゃぁ、切れるまで使うのか? というと、そのとおりで私はナイロン弦を切れるまで使う。クラシックギターを弾く人たちは早い人なら2週間で交換したりもするようだが、私には何年も使い続けている弦さえある。

ひとつには、メインで使う楽器がエレガットなので、弦の古さが音に出にくいということがある。エレガットは音を電気的に加工しているために、特に弦がヘタったことによる高音域の減衰を電気的に補強している感があるのだ。

一方で、私の使っているクラシックギターはほぼ練習用なので、音がヘタっていたところでなんの支障もない。そういうわけで、私はナイロン弦を長く使うことができるわけ。

そんなふうに愛用しているラベラ900だが、いつもはFANAから通信販売で購入する。弦をバラでも買えるので都合がいいのだが、でも安く買おうとすると銀行振込したりして面倒くさい。

これがFANAで購入しているラベラだ。4☓、5☓というのは4弦と5弦をもう使っちゃってるよ、という私のメモ。
Sbsh0832

で、今回はアマゾンでもラベラ900が売られていたので、こちらで買ってみた。FANAよりちょっと高いのだが、送料とかを考えると2セット買うなら値段はほぼ変わらない。そのかわりなのかどうか、パッケージがぜんぜん違うのだ。これはどういうことなんだろうなぁ?

Sbsh0830

直輸入っぽい感じだが、外袋には日本語が書かれていたりする。商品の流通ルートが違うのだろうか?

2017年4月1日追記:

昨年秋くらいに、またアマゾンでLaBella900を買ったのだが、これがなんと3弦が巻き弦だった。買った時には全く気付かず、某所のギターのメンテに使って初めて気が付いたのだが、よく見るとパッケージにしっかり書いてあった。

Labella900w

900-Wのすぐ下に「GOLD NYLON・WOUND 3rd」だものなぁ、そりゃそうだ。しかし900-Wってどういうことだよ? WOUNDのことか? W3とかにしないとわからないよ。

ちなみに1弦2弦は黄色いナイロンだった。

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英語の試験で悩む

初めてTOEICの試験を受けたのはもうずいぶん前のことだ。1980年代じゃなかったかな? 立場上、300点位はとっとかないとカッコ悪いな、と思っていたのだが、受けてみたら600点だった。へぇ?本当かな?と思って、もう一度受けたら660点だった。どうやらそういうものらしい。

それからずいぶん時が経って、3度めに受けたのが2009年のことだった。660点の頃はまだ海外に行ったこともなかったし、仕事で英語を使うこともそんなになかったわけだから、十分経験を積んだ後なら800点台、ひょっとしたら900点台も狙えるんじゃないかと思っていたが、案に外して775点という得点だった。これにはがっかりした。

TOEICの得点の目安は以下のとおりで、最近の私なら(リスニングのところを除けば)900点レベルでないといけないのだ。リスニングは弱い。うん、たしかに弱いのだが。

TOEICスコア 900~990
  • 自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる。
  • 英語を話す人達が行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる。
TOEICスコア 800~895
  • 英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる。
  • 職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる。
TOEICスコア 700~795
  • 会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる。
  • 自分の仕事に関連した日常業務のやりかたについての説明を理解できる。
TOEICスコア 600~695
  • 自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる。
  • ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる。
TOEICスコア 500~595
  • 電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
  • 打ち解けた状況で、  "How are you?""Where do you live?"  "How do you feel?"  といった簡単な質問を理解できる。
TOEICスコア 400~495
  • 看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる。

点数にもがっかりしたが、それよりもっとショックだったのは、試験の時間が足りなかったことだ。660点の頃は時間に十分余裕があったのに、775点のときには何問か回答できなかったものがあったのだ。うむぅ、やっぱり老化で頭の回転が悪くなっているのか?

そんなわけで、TOEICにはちょっと傷付けられたっていうか、苦手っていうか、点数を聞いてほしくないっていう感じではあったのだ。

また受けてみようかと思ったのは、なんでもTOEICも回を重ねて200回目とかいうことで、まぁちょっと思うところもあったりしたので。

そんな折に、「TOEIC受験講座」というのがあるということだったので、これを受けてみた。これは大変興味深かった。基本的には受験テクニックなのだが、これを知らないとそりゃ不利だわな、というふうなことがあって、4時間ほどみっちり絞られたのだったが、私にとって有益だったのは次の二点だった。

・リスニング問題の先読み

リスニング問題は配布される解答用紙に設問と選択肢が書いてあるので、いよいよ問題が読み上げられる前にそれら(設問と選択肢)を頭に入れておくと正解率が格段に上がる。これを知らなかったのはまったくアホとしかいいようがないが、試験問題の構成も何も知らずに受験していたわけだから、現場でそんなことにまで頭がまわるわけもなかったわけだ。TOEICを受験するひとにはきっと常識だったりするんだろうなぁ。

・音読しないこと

これも言われて初めて気がついたが、確かに私は英語を読むときに音読している。実際に口に出しているわけではないのだが、頭のなかで音にしているのだ。これは660点時代にはなかったことで、その後仕事で英語を使うようになってから、英語をじっくり丁寧に読むようになった。なるほど、自分でも英語読むのが遅いなぁと思っていたが、これが原因だったか。だから、775点の時にも時間が足りなかったのはきっとこれのせいだったのだ。

他にも細かいことはいろいろあってそれぞれに有益なのだが、割愛する。一点付け加えると、時間勝負なのでマークシートはいちいち塗りつぶさずにチェックだけしておいて、後で固めて塗りつぶすといい、とか。

で、対策だが、問題の先読みは講座でも指導されたし、一旦忘れ去ったものの試験場でもうまく実行することができた。

問題は音読で、長年身につけてしまった癖はそうそう簡単は治らないだろうと思った。でもとにかく始めてみようと思って、簡単なものを速読するという練習を試験の1週間前からやり始めた。TOEICの教材をとにかく頭に入らなくていいからすっ飛ばしながら見ていく。読んじゃうと音読してしまうので、とにかく流す。また、スマホに入れている英語版「Funny Facts(豆知識)」をこれまた斜め読みしていく。こういうのがどのくらい役に立つのかは分からないが、とにかく始めないことにはなんともならんだろうから。

そんなふうにして先週日曜日に受験してきたわけだが、2時間みっちりやると流石に疲れる。速読の練習をしたせいか、とにかく全問回答することはできた。聞くのも案外聞き取れたと思う。結果が出るのは1ヶ月位ということだが、さて900オーバーはちょっと無理かもしれないが、なんとか800点は超えたいところだ。

Toeictest

6月18日追記:

試験は5月24日だった。試験結果は6月23日に投函されるが、その1週間前からWEBで点数を見ることができる。つまり6月17日である。しかし、6月15日にはメールが来ていて「もう見ていいよ」と。

で、結論からいうと795点だった。800点にわずかに届かず。残念!

リスニング420点(86%)、リーディング375点(76.5%)ということなので、回答速度は上がったものの、その精度を上げることができなかった、ということなんだろうなぁ。音読じゃなくて、黙読の速読ということを精進せねばなるまい。

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2015年5月23日 (土)

フラクタル音楽で悩む

昔からカオスとかフラクタルにはすごく興味があって、多少はプログラミングもできたりするのでプログラムを作って遊んだりもしていた。もちろん音楽に応用することも考えてはいたのだが、なかなかブレークスルーまでには至らなかった。

カオスとかフラクタルのことを書き始めると、延々書いちゃうので、それはざっくりとならこういうところとかもっと詳しくはこういうところとかを見ていただくとして、ここではカオス(複雑系)という過程を経てフラクタル(自己相似)が形成される、ということだけを言っておく。

で、長い話を短くすると、カオス過程を経ずにいきなりフラクタルを作ってしまおう、ということを考えていて、やってみると案外簡単にできちゃったという話。カオスを経て、というのもアイディアはあるのだが、なかなか手を付けられないでいる。

Base具体的に、例えば、左のようなパターンがあったとして、これを自己相似させてふくらまそう、という考えだ。

ふくらませるというのは、次の図を見ていただこう。図ではわかりやすくするために上下関係を誇張しているが、要するに基本となるパターンを「2つ上がってひとつ下がる」と捉えて、基本パターンを2つ上げたりそこからまた一つ下げたりしてみよう、というわけだ。このパターンをとりあえず「0-2-1」のパターンと呼ぶことにする。

 

Gene1

 

 

 

こうやってふくらませたものを、さらに基本パターンによってふくらませるとフラクタル次数2となって、こういうパターンになる。

 

Gene2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを数値化したものをプログラムで生成する。そうするとフラクタル次数3でこんなパターンが得られる。
021third

 

 

ここでは基本パターン(図中の①)、2次②、3次③を続けて表示している。やろうとしていることがわかってもらえただろうか?

で、このままでは音楽にならないので、このパターンをスケールに乗せてしまう。スケールとして長調とか短調とかペンタトニックとかクロマティックとかいろいろ選べるようにはしてみたが、ここではとりあえず長調にしてみた。そうすると例の全全半全全全半という音程をなすりつけることによって、こんなパターンになる。ついでにもう一次あげてさらにふくらませている。
021
しかしこれでも、まだ音楽にはならない。これをMIDIに変換して音にしたのがこれだ。約1分のことなので辛抱して聞いてみていただきたい。
「Flactal021.mp3」をダウンロード

 

生成したものをそのままMIDIにしているので、終止感もないし音楽というよりも音符の羅列でしかないわけで、これにいろいろ手を入れたりすると曲にできたりもするんだろうけど、またそれは別途、ということで。

 

 

 

 

一応譜面にもしてみたが、あんまり意味は無いのでuploadはしないでおく。欲しい人は…いないよね。

で、こんなふうに小さなパターンからメロディを作るということをWEBアプリケーションとして公開してみようかとも思う。実は10年以上前に自動作曲的なものをWEBで公開していて、今でも定期的に使ってくれている人がいるようなので、それを改造したりすると簡単にできそうな気はするのだが、  まぁそれはやってみないとわからんね。

5月31日追記:

別の形でのフラクタル生成なんかも考えつつ、先週できたフラクタルに無理やり終止感を付けて形にしてみました。

コード付けがいい加減というか、いきあたりばったりなので伴奏はまぁ「何か鳴ってるな」くらいの感じです。本当はもっとエスニックな感じにしたかったんですが、いろいろ説明不能なトラブルなんかもあっったりしたのでパーカッションとかをこねこねするのが面倒くさくなって、え~要するにお座なりです。こんなことよりもっと先へ進みたいので。

「Generated_Flactal.mp3」をダウンロード

 



 

 

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2015年5月16日 (土)

日本語聞き取れなくて悩む

Grandpianocanyon

 

 

Bob Jamesの「Grand Piano Canyon」というアルバムは1990年の制作だが、私が購入したのはおそらく5~6年前で、Fourplayの存在を知って、その起源がこのアルバムにあると知ってからだった。

 

つまり、Fourplay結成メンバーであるBob James(key,arr)、Lee Ritenour(g)、Nathan East(b)、Harvey Mason(dr)が初めて会ったのがこのアルバムの制作時だったのだ。

 

このアルバムは何度も聞いているのだが、たいてい車に載っている時であったり、歩きながら、あるいは電車に載っている時であったりして、あまりじっくり聞いていなかったのだが、先日帰宅時にこのアルバムを聞きながら帰ってきて、ひとの声が入っていることに気がついた。女性の声だ、しかもなんだか日本語のように聞こえる。

 

その時はとりあえず曲名をチェックしてあとでじっくり聞いてみようと思った。「Far from Turtle」という曲だった。「亀から遠く」? あるいは「亀どころじゃなくて」、もっと意訳して「月とスッポン」?

 

ところが、CDでこの曲を聞いても何を言っているのかわからない。イヤフォンを付けてもダメ。イヤフォンをSONYからJVCに変えてもダメだ。何を言っているのかさっぱりわからない。おかしいなぁ、歩きながら聞いていた時にはもっとはっきり聞こえたと思ったのだが。

 

これはblogネタにしようと思って、Youtubeで該当曲を探すとちゃんとあったが、それをイヤフォンで聞いてもやっぱりわからない。

 

まぁちょっと聞いてくださいよ、6分半の曲なんだが、5分50秒あたりから日本語らしきものが聞こえる。今回はこの動画を5分45秒から始まるように設定してみたのだが、埋め込みにすると効かないらしい。

曲の中に日本語が入っていることについて、ライナーノーツになにか書いてないかな?と思ってたら、こんな記述が。

 

Ffturtle

 

「Japanese Phrases by Mary Benander」?しかし外国人がしゃべっているようには聞こえなかったと思ったがなぁ。ライナーノーツにはこの件に関する記述は全くなくて、WEBを検索しても何もひっかかってこない。唯一、Youtubeに「日本の秋を思わせる虫の声がいいね」とかいうコメントが付いているだけだ。

 

歩きながら聞いているときには128kbpsのmp3をSONYのBlueTooth耳かけ式ヘッドセットで聞いている。上の写真でアルバムCDに乗せてあるのがそのヘッドセットだ。これで聞き直してみると、自宅のCDよりも、Youtubeよりも断片的ながらはっきりと声が聞こえて、日本人女性が日本語を話しているのがわかる。

私が聞き取ったのは次のような断片だが、私の聞き取りを見る前に是非聞き取りを試していただきたいので白抜きにしておく。マウスでなぞると見えると思う。

 

そろいました。昨日ですね…立川になりたいってお店に言って、それで…

制作側が日本語の意味を理解しているとは思えないので、どこかから日本語フレーズをちゃっかり借りてきたんじゃないかと思う。これを海外の人々はどう受け取ったんだろうか?

 

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2015年5月 9日 (土)

ナイロン弦の処理で悩む

連休前の話だが、あるライブハウスでギタリストが「ガットギターを弾き始めたが、ナイロン弦の結び方がわからない。止まることは止まっているけれども、音が悪いのでやり方が悪いのだと思う。」ということを話していた。

話していた相手が私じゃなかったので深くは追求しなかったのだが、これはきっと弦の取り回しが悪いのだと思った。

Zenonこれは一般的なガットギターの「結び」の部分だが、1弦から3弦まではナイロンのままの弦なので滑りやすいからこの写真で見るようにちょっと絡めるようにする。

4弦~6弦は巻き弦と言って細いナイロン線を束ねたものを金属線で巻いてあるので、弦同士が交差するところでは滑りにくいからこういう絡ませ方はしない。写真にも写っているように、手前側に見える4弦はシンプルに引っ掛けてあるだけだ。

で、弦の取り回しがどうだこうだというのは、写真の中で白く見えるサドルの右側にある弦の部分にどれだけ伸びしろがあるんだろうか? という話なのだ。

これはガット弦ギターの弦を張り替えた時にいかに早く安定させるかということにも通じるのだが、サドルから実際に弦を固定している部分までの長さが問題だと思っていて、この長さはできるだけ短くしないといけないと考えている。

写真で手前に見える4弦ではサドルからの弦は穴を通って一旦折り返し、もとの弦と交差して写真右下でまた弦と交差している。この下の方の交差でサドル方向に引っ張られる弦の張力によって弦が固定されているので、サドルからこの2つ目の交差までの(余分な)長さが問題になる。

弦を弾く(はじく)と、一時的に弦の張力が増すので、この「サドル以降の(余分)な長さ」の弦が引っ張られてサドルのナット側の実際に振動する有効長が一時的に増えて音程が下がってしまう、ということなのではないだろうか?

1弦~3弦においてそういう現象が出ているのなら、ひょっとして弦同士の絡め方が多すぎるのではないだろうか?

サドルから弦が固定されるまでのあいだでは、張力が一定であることが望ましいのだが、弦を張り替えた直後にはサドル以降にもいろいろな接触点で摩擦があったりするので張力が一定でない。弦の余分な部分の張力が一定になり、そのそれぞれの部分での張力に対する弦の伸びが安定した時に、やっと音程が安定する。普通は安定するまでに1週間位かかったりする。

ということのなので、以前話題になった「スーパーチップ」というのも、実はこの「余分な長さ」を短くする事によって効果が出ていたのかもしれない。スーパーチップを使えば、弦を折り返したりしなくて良いので、余分の長さは1/3程度になる。これは耳の良い人だったら違いがわかるのではないだろうか。


で、弦をはじいた時に音程が変わるものなのだろうか? と思って実際に測定してみた。先に結果を言ってしまうと、大して変わらなかった。これは使用したギターの弦がさんざん弾き倒して弦も究極的に安定しているので違いが出なかったということなのではないかと思っている。今度弦を替えたらまた測定してみよう。

とりあえず測定したものをここに書いてみよう。

測定したのは愛用しているHEG120NTというエレガット。エレガットだと余計な雑音が入りにくいので。1弦~3弦は標準的な2回からめになっている。

Heg120n

4弦には弦同士がサドル側で交差する部分にビニルチューブを巻いている。これはこの部分で弦が何度か切れたことがあったので、その保護という意味と、ここでの摩擦がなんだか不安定要素になっているような気がしたので入れているのだが、このビニルチューブ自体がまた不安定要素になっているのかもしれない。いまのところ不都合がないのでこのまま使っている。

Heg1st_2

1弦に関して言えばこうやって弦同士がぴったり密着しているので、おそらく張力の不均衡ということはないのだろうと思う。

その弦をはじいた音をPCに取り込んで見るとこんな波形を得る。

Waveform1_2

この波形をアタマから100mSごとに周波数分析してみたのだが、最初からこんな感じで、後になっても変化が見られない。ピーク周波数は328Hzで「E」だと言っている。それは正解。

Spectrum1

なので、波形をさらに細かく見ていって、ゼロクロスで周波数を測定してみることにする。つまり下の図で赤線の距離を測定して時間差を測り、その逆数を取って周波数とする。

Waveform2_2
そうやって得られた周波数推移がこれだ。

Freqgraph
最初にがっくり落ちているのがまぁ予測通りと言えなくもないのだが、数mSくらいの時間で30セントくらいの音程差だから、これを聞き取れるひとはいないだろうなぁ。

 

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2015年5月 6日 (水)

バイク事故で悩む

4月22日、杉並区の路上で萩原流行氏がバイク事故で亡くなった。ご冥福をお祈りしたい。

いったいどういう事故だったのか? 正式な発表というのは出るものなのかどうなのか知らないのだが、ある時点でのTVの報道を見た私の解釈は以下のようなものだ。

Hagiwara

まず、上の図のような位置関係で関係する車両が走行していたらしい。いや、実はA車は走っていなくて、駐車していたのか停車なのか、とにかく走ってはいなかった。

で、B車は当然それに気づいて車線を変更するタイミングを図っていたはずだ。あるタイミングで隣の車線に入れると見当をつけて車線変更した。

そこで驚いたのがC車である。B車と違ってA車の存在に気がついていなかったとすると、C車は慌てて車線変更しなければならない。

萩原バイクはその時C車に異常に接近していたとの証言もあるが、その位置関係ははっきりしない。しかしC車の運転者の死角に入っていた可能性はある。

とにかく、C車(警視庁の護送車であると報道されている)は右へ車線変更を行い、その車体に萩原バイクの前輪が接触した。

萩原バイクは転倒し、そのはずみにさらに右の車線へ滑り込んだ。
その時、後続のD車が避けきれずに萩原流行氏を轢いた。


こんな事故はどこでも起こりえる。こういう事故に巻き込まれないためにはどうしたらよいのだろうか?

・A車はそもそも駐車すべきでなかった。現場が駐車禁止区域であるかどうかは知らないが、とにかく路上駐車というのはすべきでない。
・B車には特に非がないように思われる。
・C車は前方をよく見て、B車の動きを予見すべきであった。
・D車も非がないように思えるが、路上でバイクを見たらとりあえず近づかないことだろうか。
・萩原バイクはC車に近づきすぎたのが失敗。また、B車およびC車の動きを予見できなければならなかった。バイクは交通弱者なのだから、人一倍危険に敏感でなくてはならないのだが、萩原流行氏はこの現場近辺で3月にも事故を起こしており、また過去2年にも2件の事故に関わっているなど、運転に問題があったのかもしれない。

というわけで、事故には関わりたくないものである。連休中には350kmほど運転したが、事故を3件見てしまった。これはなかなかに多いほうだと思う。人のふり見て我がふり直そう。

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2015年5月 4日 (月)

小型ジェットエンジンで悩む

もう先月の話になってしまうが、ホンダの開発した小型ビジネスジェット機「HONDA JET」が日本で初飛行した。

この写真で真ん中の銀色のが初号機、赤いのが3号機で青いのが5号機、日本で飛んだのは3号機なんだろう。1機5億円ということだが、これは安いな。戦闘機なんて100億円するんだから。

Trioofhondajets_2

この機体の特徴は主翼上にエンジンを配置したことにある。それによってエンジンの騒音を客室に伝わりにくくしたとか、エンジンポッドを支える部分のカーブで機体の空力特性が良くなったとか、脚を短くできるとかいろいろメリットがあるらしいが、ホンダ特有の「整備性は犠牲にしても良い」というポリシーが貫かれていることから、整備チームは苦労するかもしれない。

客室の窓が少ないように思うが、こういうビジネスジェットではこんなものだろうか? 本当は窓なんかないほうがいいと思うのだが(窓があるとその分胴体の強度が弱くなるので補強せねばならず、その分重くなってしまう)、お客様の意向を無視するわけにはいかないのだろうなぁ。

いっそ窓なんか無くして、機体の上下左右を小さなカメラで撮影して機内の画面で見せるとか、壁に投影するとかすればいいのにとか思う。

そういう考えを進めれば、「操縦席の窓もいらないかも?」という話になっったりして、機内で画面を見ながら操縦するとか、あるいは米軍のドローンみたいにどこか遠くから遠隔操縦する、なんてことも未来にはありえるかもしれない。そうすれば操縦士が自殺したいと思っても、客を道連れにするっていうこともなくなるだろうし。

それにしてもこの写真を見て思うことにはエンジンが小さいなぁ、と。全長1mちょいかな?2mは無いと思う。よくこんなに小さく作れるものだなぁ。

「ホンダが機体とエンジンを一から開発した」ということなのだが、実際にはエンジンを米国GE社と共同開発しており、「イチから」というにはちょっと無理がある。ジェットエンジンというのはさほどに開発が難しい物らしい。

大昔の話だが、「ラジコン技術」という模型専門誌を購読していたことがあって、ある時「なぜ模型用ジェットエンジンは作れないのか?」という連載記事が掲載されていた。これは海外で連載されていた記事を翻訳したものだったと思うが、曰く「高温高圧高速回転に耐えられる小型タービンブレードを作ることはできない」「高温高速回転できる小型ベアリングがない」とかなんとか。
で、その連載がちょうど終わった頃に「模型飛行機用ジェットエンジン」が発表されたのだった。イギリス製だったかなぁ。60万円くらいしたのだったと思う。燃焼室を6つだったか8つだったか持っていて、それぞれにグロープラグらしきものが付いていたように思う。

で、今や模型でもジェットエンジンなんて当たり前になっていて、数万円くらいで買えるんじゃないかな。Youtubeにもそんな機体が飛行する様子がたくさんuploadされている。

Youtubeにはそんなジェットエンジンを自作しようとする試みもたくさんuploadされていて、簡単なものでは共鳴式のパルスジェットエンジンとか、本格的なターボジェットエンジンを目指しているものもいくつか見たが、完全に個人でちゃんとしてターボジェットを作るのはなかなか難しいようだ。模型ではない実用ジェットエンジンではタービンブレードを金属結晶を作るところから作ったりしているようで、つまり鍛造とか鋳造とかの方法では作れないのだろうと思う。

そういうわけなので、模型用(タービン)ジェットエンジンっていうのをじっくり眺めてみたいものだなぁ、と思う今日このごろなのであった。

5月6日追記:
ををつかさんの「姫路のお友達」のお話も面白かったが、Youtubeで「home made jet engine」で検索すると色々面白い画像が見られる。たいていは「そんなに大ざっぱに作って大丈夫なのか?」と突っ込みたくなるような作り方で、動作している動画もあるのだが、始動に使ったモーターがそのまま動いているような気がしてどうも信用出来ない。

なかには高校生が作ったというのもあったりするが、回転数がまだまだ甘いような気がする。

一方、こちらの動画では商品として作っている模型用ジェットエンジンで、1980年台から作っているとか言っているので、私が昔見たのもこの会社のものかもしれない。1台作るのに6時間かかるとか言っているような気がする。

ステーターをアルミから削りだしたり、ローターの回転バランスを丁寧にとったりしているのはさすがだと思う。始動用モーターも作りつけなんだな。

5月16日追記:

TV番組「ガイアの夜明け」でホンダジェットを取り上げていたので見たが、あまりテクニカルな話はなくで残念だった。藤野社長がアメリカに30年住んでいて子供が何人いるのかとかの情報はいらない。テーマとしては主にホンダジェットの売れ行きがどうとかいう話で。

唯一、主翼上にエンジンを置くことについて、エンジンのステーをある位置に置くことによって空気抵抗を減らせることを発見して特許をとった、という話があった。

Gaia

この効果によって燃費が十数%改善されたという。あとは最高速度が778km/hとか、そんな話だった。

で、手作りジェットエンジンだが、例えばYoutubeにはこんなのがuploadされていて、曰く「溶接なし!、ドリルとグラインダーとダクトテープだけで作るジェットエンジン」というもので、これはしかしちょっと圧縮ヨワヨワなんじゃないかなぁ? 圧縮比2も行ってないと思う。こんなのジェットエンジンじゃないだろ? タービンを使うことによってプロパンガスの勢いを一方向に持っていて炎を噴き出しているだけじゃないのか?

大型のジェットエンジンでは圧縮比が30にもなるという話を聞いているので、こんなにチャチな、燃焼室から炎が漏れているようなものでちゃんとした内燃機関になるとは思えないのだが。

【製作編】

【テストラン】


5月20日追記:

やはりこの「手作りジェットエンジン」はどうも眉唾モノだ。だって、圧縮した燃焼室にプロパンガスを吹き込んでいるのだから、圧縮比はプロパンガスの圧力よりも低いはずだ。そうでないと、プロパンガスが逆流してしまう。

だからこれは単にプロパンガスを燃やしているだけで、回転するタービンによって空気流入と燃焼ガスの排出を連続的に行っているだけだ。出力側のタービンが赤熱しているから物々しいけれども、推力はほとんど無いだろう。

逆に本物の内燃機関としてのジェットエンジンというのはどういう定義になるんだろうなぁ? 圧縮をきちんとやって、カルノーサイクルを連続的に行うというのが最低条件だと思うが、圧縮比が1.5とかでもカルノーサイクルになるのかな?

実際にGEの動画を見ると、圧縮比23:1とか言ってるので、それくらいないことにはジェットエンジンと呼べない気がするんだけれども。

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