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2015年5月 4日 (月)

小型ジェットエンジンで悩む

もう先月の話になってしまうが、ホンダの開発した小型ビジネスジェット機「HONDA JET」が日本で初飛行した。

この写真で真ん中の銀色のが初号機、赤いのが3号機で青いのが5号機、日本で飛んだのは3号機なんだろう。1機5億円ということだが、これは安いな。戦闘機なんて100億円するんだから。

Trioofhondajets_2

この機体の特徴は主翼上にエンジンを配置したことにある。それによってエンジンの騒音を客室に伝わりにくくしたとか、エンジンポッドを支える部分のカーブで機体の空力特性が良くなったとか、脚を短くできるとかいろいろメリットがあるらしいが、ホンダ特有の「整備性は犠牲にしても良い」というポリシーが貫かれていることから、整備チームは苦労するかもしれない。

客室の窓が少ないように思うが、こういうビジネスジェットではこんなものだろうか? 本当は窓なんかないほうがいいと思うのだが(窓があるとその分胴体の強度が弱くなるので補強せねばならず、その分重くなってしまう)、お客様の意向を無視するわけにはいかないのだろうなぁ。

いっそ窓なんか無くして、機体の上下左右を小さなカメラで撮影して機内の画面で見せるとか、壁に投影するとかすればいいのにとか思う。

そういう考えを進めれば、「操縦席の窓もいらないかも?」という話になっったりして、機内で画面を見ながら操縦するとか、あるいは米軍のドローンみたいにどこか遠くから遠隔操縦する、なんてことも未来にはありえるかもしれない。そうすれば操縦士が自殺したいと思っても、客を道連れにするっていうこともなくなるだろうし。

それにしてもこの写真を見て思うことにはエンジンが小さいなぁ、と。全長1mちょいかな?2mは無いと思う。よくこんなに小さく作れるものだなぁ。

「ホンダが機体とエンジンを一から開発した」ということなのだが、実際にはエンジンを米国GE社と共同開発しており、「イチから」というにはちょっと無理がある。ジェットエンジンというのはさほどに開発が難しい物らしい。

大昔の話だが、「ラジコン技術」という模型専門誌を購読していたことがあって、ある時「なぜ模型用ジェットエンジンは作れないのか?」という連載記事が掲載されていた。これは海外で連載されていた記事を翻訳したものだったと思うが、曰く「高温高圧高速回転に耐えられる小型タービンブレードを作ることはできない」「高温高速回転できる小型ベアリングがない」とかなんとか。
で、その連載がちょうど終わった頃に「模型飛行機用ジェットエンジン」が発表されたのだった。イギリス製だったかなぁ。60万円くらいしたのだったと思う。燃焼室を6つだったか8つだったか持っていて、それぞれにグロープラグらしきものが付いていたように思う。

で、今や模型でもジェットエンジンなんて当たり前になっていて、数万円くらいで買えるんじゃないかな。Youtubeにもそんな機体が飛行する様子がたくさんuploadされている。

Youtubeにはそんなジェットエンジンを自作しようとする試みもたくさんuploadされていて、簡単なものでは共鳴式のパルスジェットエンジンとか、本格的なターボジェットエンジンを目指しているものもいくつか見たが、完全に個人でちゃんとしてターボジェットを作るのはなかなか難しいようだ。模型ではない実用ジェットエンジンではタービンブレードを金属結晶を作るところから作ったりしているようで、つまり鍛造とか鋳造とかの方法では作れないのだろうと思う。

そういうわけなので、模型用(タービン)ジェットエンジンっていうのをじっくり眺めてみたいものだなぁ、と思う今日このごろなのであった。

5月6日追記:
ををつかさんの「姫路のお友達」のお話も面白かったが、Youtubeで「home made jet engine」で検索すると色々面白い画像が見られる。たいていは「そんなに大ざっぱに作って大丈夫なのか?」と突っ込みたくなるような作り方で、動作している動画もあるのだが、始動に使ったモーターがそのまま動いているような気がしてどうも信用出来ない。

なかには高校生が作ったというのもあったりするが、回転数がまだまだ甘いような気がする。

一方、こちらの動画では商品として作っている模型用ジェットエンジンで、1980年台から作っているとか言っているので、私が昔見たのもこの会社のものかもしれない。1台作るのに6時間かかるとか言っているような気がする。

ステーターをアルミから削りだしたり、ローターの回転バランスを丁寧にとったりしているのはさすがだと思う。始動用モーターも作りつけなんだな。

5月16日追記:

TV番組「ガイアの夜明け」でホンダジェットを取り上げていたので見たが、あまりテクニカルな話はなくで残念だった。藤野社長がアメリカに30年住んでいて子供が何人いるのかとかの情報はいらない。テーマとしては主にホンダジェットの売れ行きがどうとかいう話で。

唯一、主翼上にエンジンを置くことについて、エンジンのステーをある位置に置くことによって空気抵抗を減らせることを発見して特許をとった、という話があった。

Gaia

この効果によって燃費が十数%改善されたという。あとは最高速度が778km/hとか、そんな話だった。

で、手作りジェットエンジンだが、例えばYoutubeにはこんなのがuploadされていて、曰く「溶接なし!、ドリルとグラインダーとダクトテープだけで作るジェットエンジン」というもので、これはしかしちょっと圧縮ヨワヨワなんじゃないかなぁ? 圧縮比2も行ってないと思う。こんなのジェットエンジンじゃないだろ? タービンを使うことによってプロパンガスの勢いを一方向に持っていて炎を噴き出しているだけじゃないのか?

大型のジェットエンジンでは圧縮比が30にもなるという話を聞いているので、こんなにチャチな、燃焼室から炎が漏れているようなものでちゃんとした内燃機関になるとは思えないのだが。

【製作編】

【テストラン】


5月20日追記:

やはりこの「手作りジェットエンジン」はどうも眉唾モノだ。だって、圧縮した燃焼室にプロパンガスを吹き込んでいるのだから、圧縮比はプロパンガスの圧力よりも低いはずだ。そうでないと、プロパンガスが逆流してしまう。

だからこれは単にプロパンガスを燃やしているだけで、回転するタービンによって空気流入と燃焼ガスの排出を連続的に行っているだけだ。出力側のタービンが赤熱しているから物々しいけれども、推力はほとんど無いだろう。

逆に本物の内燃機関としてのジェットエンジンというのはどういう定義になるんだろうなぁ? 圧縮をきちんとやって、カルノーサイクルを連続的に行うというのが最低条件だと思うが、圧縮比が1.5とかでもカルノーサイクルになるのかな?

実際にGEの動画を見ると、圧縮比23:1とか言ってるので、それくらいないことにはジェットエンジンと呼べない気がするんだけれども。

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飛行機」カテゴリの記事

コメント

私もジェットエンジンの自作は考えました。

自動車のガソリンエンジン用のターボが色々出てきて,模型用小型エンジンはそのユニットを使うのが基本構成の様ですね。

姫路の友人が一時期自作に凝ってて推力が出る位の物を作ったようです。

http://masa-ya.jp/index.php?%BC%AB%BA%EE%A5%B8%A5%A7%A5%C3%A5%C8%A5%A8%A5%F3%A5%B8%A5%F3

を参照。

ホンダが作ったジェットエンジンは,取り合えず作って推力は出たのだけど燃費が極悪だったので,GEに頼み込んで手直しして貰ったとか,なんとか。

投稿: ををつか | 2015年5月 6日 (水) 08時54分

本日(5月7日)21時から「ガイアの夜明け」で「ホンダ…空への挑戦」という番組が放映されます。BS7です。

投稿: PicksClicks | 2015年5月 7日 (木) 13時53分

ご紹介の動画,自立運転をしている様ですから,一応ジェットエンジンとして成立はしていますね。圧縮比が1.5とか2でもカルノーサイクルは成立しますよね(超非効率ですけどね)。自動車用の小さなターボでも回すのにはそこそこパワーが必要ですし,プロパンガスのボンベ内圧力は6気圧以上に上がっている筈ですからね。

投稿: ををつか | 2015年5月21日 (木) 13時18分

たしかに、レシプロエンジンだと圧縮率がたとえ1.5でも動作しちゃうんでしょうね。

でもこのホームメイドジェットエンジンは、例えば着火していなくてもプロパンガスの圧力でタービンが回っちゃうんじゃないのかな? 実際動画でも、タービンからでたところで火炎が出ているシーンなんかがあって、この状態では燃焼室では着火していないのだろうからジェットとは言えないんじゃないかなぁ。まぁ「その状態では」ということですが。

投稿: PicksClicks | 2015年5月23日 (土) 13時40分

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