怪獣SF映画に悩む
怪獣SF映画っていうと、まず頭に浮かぶのは「ゴジラ」、「ラドン」、「モスラ」だったりするのはやっぱり頭が古いのかもしれない。でもそういう話ではなくて、1990年あたりの話。やっぱりこれも古いかも。
映画「ジュラシックパーク」はテレビで見た。CGには驚かされたが、ストーリーとしてはあまり面白いとは思わなかった。その続編と言われた「ロストワールド」は見なかったが、「ジュラシックパークIII」はテレビで見た。これはそこそこ面白かった。
だから、このシリーズを私はちょっとバカにしていたのだ。作者がマイケル・クライトン(ジュラシック・パークIIIを除く)だということは知っていたが、原作を読む気もしなかった…のだが…。
原作を読んでみたら大変に面白かった。映画の3倍くらい面白かった。これらの映画はもちろん監督がスピルバーグなので(これもジュラシックIIIを除く:スピルバーグは監督ではなくて製作)なので、この人が娯楽作品を作るとあちこちいたずらをするので、これが気にいらないということもある。
「ジュラシックパーク」と「ロストワールド」の原作はともに作者クライトンのいろいろな薀蓄や、映画には描かれなかった様々なサイドストーリーがあって楽しめる。この投稿のタイトルも敢えて「怪獣SF」としたのだが、怪獣はともかくとして人間側の持っている設備がなかなかのSFチックなもので面白い。
映画化にあたってはもちろんスピルバーグとしては映像化して一般ウケする派手なシーンを入れたくてそういう半端な話はかたっぱしから切り捨てるんだろう。
しかし、話中でジュラシックパークを建設するための資金を都合したのが日本の企業で、「こういう長期的な視点を持って投資できるのは日本しかない」というふうな話はちょっと入れて欲しかったなぁ。お金だけでなく、DNAを切り貼りする機械も日本製のものを使っているとか、パーク内を走る車がトヨタ製の電動ランドクルーザーだとか、そういうのも映画では全部切り捨てられている。映画では車はベンツだった。
そういうわけで、「ジュラシックパーク」と「ロストワールド」を原作で読んだら、もう一度映画を見たくなったので早速TSUTAYAで借りてみた。レンタルなのにDVDは充実していて、メイキングや資料が満載などお得感たっぷりだ。「ジュラシックパーク」「ロストワールド」「ジュラシックパークIII」
やっぱり、映画は原作を読んでから見るのが面白いと私は思う。特にスピルバーグのような手練の監督の映画は微妙な部分を上手に切り捨てているので、原作を知っているとその切り捨て具合も面白く楽しめる。
写真に撮った「失われた黄金都市」は「コンゴ」という名前で映画化されたものだが、この映画は本当につまらなかった。この映画を見た時にはクライトン原作とは知らなかったのだが、ほんとうに超B級映画だと思った、作りも荒かったし、なんでこんな映画が(当時)注目されたのか不思議だったのだが、これはクライトン原作ということでの期待値だったのだろう。
「コンゴ」は今回見直さなかったが、原作の方が10倍くらい面白かったと思う。そもそものテーマの捉え方が映画では全然違っているので、それはしかたがないかな、という感じではあるのだけれども。
でもその一シーンがこんな感じですよ。
もう一冊、写真に写り込んでいるのが「北人伝説」というもので、これも「13ウォーリアーズ」という名前で映画化されているらしいがまだ見ていない。これは内容的にはアラブ人による「北方見聞録」という形になっていて、SF的なところはないのだが、怪獣っぽいものが出てくる。クライトンお得意の古文書発掘系のお話で、どこまでは本当でどこからがフィクションなのか判然としないところも面白いところだ。この映画もタイトルからしてテーマが変わっちゃっているんじゃないかとどれくらいコチラの期待を裏切ってくれるのかが楽しみなところだ。
これは、アントニオ・バンデラスなんだな。
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コメント
クライトン原作の映画は多いですね,外れも少ないし,古くは「アンドロメダ」や「ウエストワールド」,楽しかったな。「失われた黄金都市」と「北人伝説」は私は面白く感じなかった,クライトンだから読んだって記憶だけです。
投稿: ををつか | 2015年6月20日 (土) 16時34分
怪獣映画では無いですが、レイ・ブラッドベリの『霧笛』を
映画にして欲しいな、と思っています。
短編映画、でしょうが。
萩尾望都を超える映像表現を、と。
投稿: Cello | 2015年6月20日 (土) 22時52分
たしかに北人伝説はそんなに面白い話じゃないですが、あの話をどんなふうに映像化するのかという点に興味があります。
一方、「失われた黄金都市」は私にはかなり面白かったので「コンゴ」のような映像化にはがっかりしました。
投稿: PicksClicks | 2015年6月20日 (土) 22時52分
ブラッドベリの「霧笛」は読んだはずですが、覚えていませんね。「太陽の金色のリンゴ」は印象深かったのですがね。
ブラッドベリ作品の映像化っていうのは、自由度が高すぎて、誰もが納得する形にするのは難しいのではないかと思います。
読んだ人それぞれがイメージを膨らますことが出来るのがブラッドベリ作品のいいところなのではないでしょうか。
投稿: PicksClicks | 2015年6月20日 (土) 23時02分