きれいなピアノに悩む
昨日はO野塚さんのお誕生ライブだったのだが、実はそのバンドのピアニストの演奏に興味を惹かれた。
南保ひとみさんという女性ピアニストだったのだが、バッキングにしてもソロにしてもトリッキーなことを全然していなくて、つまり変なスケールを使ったり、代理コードを使うということもあんまりしていないようだった。
実は先週、同じようにトリッキーな技を使わないピアニストの演奏を聴いていて、その演奏に覇気がないというか、つまらない演奏だなぁと思っていたのだった。サロンでBGMとして弾くのならそれでもいいかもしれないが、ライブ演奏でお客様を前にしてそれはないんじゃないか、と思った。
それに引き換え、南保さんの演奏はトリッキーではないのにメリハリの効いた、説得力のあるものだった。迫力があると言ってもいいと思う。
ジャズを演奏するからにはそういった「ケレン味」のある演奏をしなければいけないと思い込んでいたようなところもあったので、南保さんの演奏は新鮮だった。知恵を絞って変なスケールを当ててみたり、代理コードだとかリ・ハーモナイズとかの「汚い手」を考えたりしていたのだが、ちょっと考えなおしたほうがいいのかもしれない。
だから、このピアニストの演奏は「汚い手」を使っていないという意味で「きれいだ」と思った。ご本人にもそう感じたということを伝えてみたが、「そう感じていただいてうれしい」ということだったので、それほど的外れでもなかったのだろう。
南保さんのアルバムはすでに2枚出ているのだが、iTunesでないと買えないらしい。これは残念だなぁ。CDはないんだろうか。
しかし、実際にどうやったらトリッキーでなくて、しかも説得力のある演奏ができるのか? ということは依然として謎なのであった。頭の片隅には「ダイナミクス」という言葉がチラチラしているのだが、それだけでもないだろうしなぁ。
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