« パンデイロのロールで悩む | トップページ | シンプル・アートに悩む »

2015年7月 5日 (日)

狸御殿で悩む

狸御殿というのは、日本映画の古いシリーズもので、その昔木村恵吾というひとがライフワークとして(だと思うんだけど)昭和14年 (1939)~昭和34年 (1959)にわたって制作を続けたものだ。

さらには2005年に鈴木清順監督によって「オペレッタ狸御殿」という作品がカンヌ映画祭招待作品として制作された。

私はその木村版の狸御殿のどれかをたまたまTVで見てこれにハマってしまったのだった。なんというのかなぁ古き良きジャパニーズパンクというのか、かなりぶっ飛んだ映像で、いやほんとに全部見てみたいものだと思ったりする。

で、先月のことだが「新春狸御殿」という作品がTVで放映されていた。これが勤務時間中だったのだが、たまたま時間があってケータイで「今日のTV東京の映画枠(13:35~)は何をやってるかな?」と見たら狸御殿だったので、途中からだったが遠隔操作で録画した。

だから導入部を見ていなくて、話の前提条件が全然わからないのだが、要するに狸の世界でお姫様といいなづけがどうのこうのということだったように思う。

Wakaoayako これが結構面白くて、何分にも昭和34年だから出てくる俳優がみんな若い。特筆すべきはヒロイン役の若尾文子で、これが深キョンそっくりなんだなぁ。

若尾文子の相手役となるヒーローは市川雷蔵で、こちらの写真は失礼ながら割愛。

Katsushin これが誰だかわかるかな? 今なら松潤に似ているというかも知れないが、これが当時の勝新太郎である。ちなみに中村玉緒もこの映画にでているはずなのだが、どの方なのか発見できなかった。


Kappa これは女優さんたちの名前がわからないのだが、劇中では「河童」ということになっていて、彼女たちの背中には甲羅らしきものがあったりする。

しかしこの髪の色はどうだ? 初音ミクもびっくりだよ。

セミヌードのように見えるが、胸の先っちょはなにやら貼り付けてあるようだった。いやいや、そんなにジロジロ見たわけじゃありませんって。

最近のグラビアモデルとは違って、お腹まわりの豊かさが時代を感じさせる。

で、これは是非ともまたTSUTAYAのお世話になって、いろいろ見ておかなくちゃ、と思ったのだが、とりあえず借りられるのは最近作の「オペレッタ狸御殿」しかなかった。「大列車強盗」の時みたいに頑張ればなんとかなるのかもしれないが、今のところまだそこまで頑張るつもりはない。

で、その「オペレッタ狸御殿」なのだが、これがなんとも「ぶっ飛んだファンタジー」というのがちょっと調子に乗りすぎというか、悪乗りしすぎなんじゃないか? 控えめに言って「バカだなぁ」という感じ。それが狙いなのかもしれないけど。

まず主演がオダギリ・ジョーとチャン・ツィイーだ。オダギリはいいとして(いいのか?)なぜにチャン・ツィイー? 劇中でも「訳あって唐の国から来られた姫」とかいうのだが、日本語のセリフが全然ダメで、これはひょっとしたらわざとなのかもしれないけれども学芸会並みの棒読みだった。あとは中国語で押し通したりするのだが、別にわざわざ中国から呼ぶこともなかったんじゃないのかなぁ?

Tanukiduo

それよりもキャスティングが面白いっていうか贅沢で、例えば由紀さおりとか薬師丸ひろ子とか、変わったところでは山本太郎なんかが出ていたり、水戸黄門に出ていた高橋元太郎が歌のうまいところを見せていたりする。

Majoduo

美空ひばりが「デジタル出演」ということで、画像合成と、音声も豪勢なのかモノマネなのか、とにかく歌を歌ったり「愛によって悲しみを喜びに変えることができました」なんていうクサいセリフを述べたりしている。

こういう無茶ぶりファンタジーっていうのはその昔に「ホフマン物語」というのをTVで見たことがあって、これもなかなかのキレっぷりで楽しかったのだが、キレっぷりにも節度が必要というか何らかの整合性みたいなのはほしいところで、その許容限度が見るひとによって様々なのだろうから、作る方も難しいんだろうなぁとは思う。

でも、他の狸御殿ももっと見てみたいぞ。

|

« パンデイロのロールで悩む | トップページ | シンプル・アートに悩む »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

この映画、小学校の時に見た記憶があります。当時はあちこちに映画館がありました。
あのカッパのセミヌードと髪の色にドキドキしたことだけ覚えていますが、他は全然記憶にないです。

投稿: taki | 2015年7月 8日 (水) 14時20分

小学生でこの映画を? 一人で? お母さんと? お父さんと?

投稿: PicksClicks | 2015年7月 9日 (木) 23時47分

一人ではなかったです。確か従兄弟の兄さん(高校生)と行ったと思います。映画の内容は知らずについていったように思います。昭和34年というと7歳ですね。

東映アニメの「シンドバッドの冒険」は1962年というから10歳ですが、見たいといったら母親から一人で行って来いとお金を渡されました。だから一人で行きました。そういう親なんです(^_^;)。

ゴジラ対キングコングとか海底軍艦とかは友達と見に行きました。まぁ、そういう時代だったんですね。エレキの若大将も友達と見に行ったのでした。

投稿: taki | 2015年7月11日 (土) 23時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« パンデイロのロールで悩む | トップページ | シンプル・アートに悩む »