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2016年4月24日 (日)

METALの新傾向に悩む

METALというのはハードロックの一分野なのだろうくらいの意識しかなくて、ロックならともかくMETALというのは詳しいどころかむしろ避けて通ってきた分野なので、いまさら「新傾向」というも変なんだけど。

BABY METALというグループのことを聞いたのはだいぶ前だったと思う。地下系アイドルっていうかなんかそういういかがわしいグループの一つだろうと思っていたのだが、Lady GAGAの前座をやったりしたというのを聞いて、「え~?」という感じだった。

今月初旬にはロンドンのウェンブリー・アリーナで単独ライブを行ったというニュースが流れた。これは日本で言うと横浜アリーナとか武道館での単独ライブなみの快挙なんだそうだ。

もともとはやはり日本のアイドル粗製乱造の中に紛れていたようなのだが、ボーカリストの能力がが突出しているらしい。レッスンを受けつつあちこちの賞を総なめにしたという。もともとこのボーカリストは他の「自称アイドル」たちとは一線を画していたようだ。

Babymetal

写真の真ん中の娘がボーカルの「SU-METAL」で、両脇の二人はYUIMETAL・MOAMETALと呼ばれていてそれぞれ「Scream & Dancer」ということになっている。デビューした時にはSU-Metalが中学一年で、あとの二人はまだ小学生だった。今はSU-METALが20歳になったんだったと思う。指を変なふうにしているポーズは「お狐さま」に対するリスペクトらしい。

最初の頃はオケをバックに三人で歌って踊ってというステージだったようだが、アイドル系METALという目の付け所もよかったんだろうか、バックバンドにMETALの一流どころを揃えるようになってから快進撃が始まったらしい。

どんなステージなのかというということはYoutubeで見てもらえばいいと思うが、興味深かったのが「SU-METAL、英国の雑誌から英語でインタビューを受ける」というもので、これは予め用意されたものを読んでいるわけでもないと思うので、質問をあらかじめ聞いているだろうにしてもなかなかの語学力だと思う。私自身だったらこんなに流暢にインタビューに対応はできないだろうなぁ。



さらにはBABY METALのアルバムが「スキヤキ」の坂本九以来のビルボードBEST40入りという快挙を成し遂げ、一昨日のフジTV「ミュージックステーション」でも新曲を披露した。確かに歌はうまいしバックの演奏もなかなかのものだった。ちなみにSU-METALのお姉さんは乃木坂46のメンバーなのだそうだ。


というわけで、私はMETALはともかくとしてBABY METALにハマりつつあるのだが、一方でMETALの世界ではやはり賛否両論で、そういう議論を見ているのもなかなか楽しい(他人事だし)。

BABY METAL肯定派は「いいじゃないか、カワイイんだし。演奏はもちろん文句のつけようがないし。」というのだが、METALの保守派というか要するにBABY METALを受け入れられない人たちは、「女の子が可愛い格好をしてフリフリを踊る」なんてことは耐えられないのだろう。

保守派の意見はある意味理解できる。理解できるが同意はできない。なぜならMETALがどういうものであるかよく知らないから。METALでは今まで女性プレーヤーはいなかったんだろうか? そもそもMETALの定義ってなんだ? 歪みまくったギターと人間の声とも思えないシャウトさえもとぎれとぎれにしか聞こえない轟音、というのが私のイメージなのだが、こういうMETALの常識に再定義を突きつけたのがBABY METALなんじゃないかと思う。

METALファンの皆さんもこの機会に「METALとはなんぞや」というあたりから地道に考えてしっかりと更生していただけるといいと思う。

翻ってジャズの世界はあいも変わらずの低調路線なので、ここはひとつそのコンセプトを頂いて、「ベビー・ホリディ」、「ベビー・リー」、「ベビー・マクファーリン」、「ベビー・バートン」、「ベビー・ハッチャーソン」、「ウィントン・ベビー」、「デューク・ベビントン」、「ベビー・モンゴメリー」、「ベビー・G」、「ベビー・バレル」などの輩出を試みてはどうだろうか? (半ばやけっぱち)

4月26日追記:

正直言って、私はMETALを音楽の範疇として認めていなかった。コードなんてワンコードか、もしくはパワーコードだけなんじゃないか、Death Metalなんてそもそも聞いてもらおうという気はあるのか? ってなもんで。

だからBABY METALの曲をアコースティックでカバーしているのを見たときには驚いた。


ちゃんとコード進行もあるんだ?! B7のパワーコードで始まって、サビではC⇒Gの繰り返しがあって、最後がどうなるのかはよくわからない。なんでもいいような気もするんだが、Emに帰結するんじゃないのかな? 帰結させずに終わらしている感もあってよくわからない。ちなみにこの演奏はオリジナルとキーが同じだ。

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コメント

なかなかよろしいね。私はごく最近、FBフレンドが話題にしてたので初めて知りました。

ジャズもロックに比べると低調ではありますが、小中学生がハイレベルな演奏する時代ですので、まぁ、捨てたもんでもないような気がします。

投稿: taki | 2016年4月24日 (日) 22時58分

音楽的にも和洋折衷的なところも天地雅楽に似たところがあると感じました。

ビデオを見てると、日本の伝統やアニメなんかの要素を歌にも映像にもうまく取り込んでるところが、海外受けを狙ったと思われて受け入れない人もいそうな気がしました。

投稿: taki | 2016年4月24日 (日) 23時28分

初期の「ギミチョコレート」あたりではまだ海外を意識していなかったように思います。見ていて結構イタい。その後は海外の反応を見て「国内なんてどうでもいいや」と思っているのではないでしょうか。

日本のニュースでの扱い。

https://www.youtube.com/watch?v=Mg162vm10Lk

なんとグラミー賞という噂も出てきているとか。まだ前哨戦らしいが。

https://www.youtube.com/watch?v=YpZMxH8maBk

投稿: PicksClicks | 2016年4月25日 (月) 08時16分

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