要約:ネット接続が遅くて悩んでいるのだが、どうもこれはDocomo光(つまりNTT東日本)のIPv6対応に問題があるのではないか、と疑っていて、どうにも解決できなくて悩み中。結局宅内のネットワークにIPv6をブロックするモノがあってはいけないということらしい。最初のほうはIPv6の自己流解説なので退屈。
インターネットの世界では、IPアドレスという電話番号みたいなものがあって、これを頼りに通信をしている。例えばこのブログは121.94.171.150というIPアドレスを持っている(ただし占有しているわけではなく、cocologの他のblogと共有している:IPアドレスの共有については別のテクノロジーがある)。
このIPアドレスは32bitで表わされ、約42億の個別のアドレスが存在し得る。当初はこれで十分とされていたが、初期にアメリカで大安売りした(一つの企業に167万アドレスを与えたり、とか)せいもあって「IPアドレスの枯渇」という問題が2000年問題と前後して議論されてきた。
「IPアドレスの枯渇」に対する一つの解答がIPv6だ。32bitだったアドレス(これをIP version4:IPv4と呼んでいる。IPv5はなぜか廃棄された)を一挙に128bitにすることによって地球上のすべての平面を1cm四方に区切ってIPアドレスを与えてもまだ余るという豪快なアドレス体系だ。IPv6はそのアドレス体系だけでなく、IPv4でのほかの問題をも解決するための手法を数々取り入れている。
しかし、IPv4からv6へ切り替えるというのはものすごく大変なことで、要するに全世界の電話番号が国番号から市外局番から全部体系から全部変わってしまうようなもので、「徐々に変えていけばいい」というものでもない。実際IPv6アドレスで稼働しているサイトもあるが、実際みないでしょ? IPv6にはまだ未解決の問題があるのかもしれない。
NTTとかDocomoとか(同じか?)は先進的技術としてIPv6を取り込んでいこうとしている。いつかは全世界がIPv6になるのでその準備をしておこう、そしてあわよくばIPv6の新しい世界で技術的に主導的な立場に立とうということなんだろう。
ところがこのNTTのIPv6が世界標準とすこしずれているらしい。詳しいことは正直よくわからない。
で、ウチのネット接続が遅くて(ルータ直結で4Mbps程度:これはADSLクラスで光としては全然もの足りない)、ということはたびたび書いているが、これを実際に測定してみようと思った。15分おきにあるサイトから1Mバイト(8Mビット)のデータをダウンロードし、その時間を測定する。これをlinux(Fedora)マシン上で行った結果がこれだ(単位はMbps)。

(24時間採取したので差し替えた:やはり日中は速度が下がるんだな。)
30Mbps前後出ているではないか。これなら想定内というか(70~80Mくらいならもっといいんだが)文句を言う筋合いではない。
しかし同時にWin10のPCで速度測定すると、やはり2Mとかそんなものだ。では、WEB版の速度測定をこのLinux機で行うとどうか?
Win10での測定がこちら(クリックで拡大されます)。Linux側での測定と合わせるために画像ダウンロード方式で測定。
linuxでの測定がこちら。
ほらね。Linuxだとちゃんと速度が出ているのだ。これはIPv6の扱いがWin10とlinuxとで違っているからじゃないかと思う。Win10のPCは無線LANブリッジを通っているから、それが何か関係しているのかも、とうっすらと思っていはいたが、この時点ではブリッジだから問題ないと思っていた。
それぞれのネットワーク設定はこんな感じ。
Win10:
10:35:25 C:\WORK>ipconfig
Windows IP 構成
Wireless LAN adapter ローカル エリア接続* 2:
メディアの状態. . . . . . . . . . . .: メディアは接続されていません
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
Wireless LAN adapter Wi-Fi:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.0.7
サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.0.1
Tunnel adapter isatap.{72F91555-55B7-4C90-B73E-F85AFA31FE27}:
メディアの状態. . . . . . . . . . . .: メディアは接続されていません
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
Tunnel adapter Teredo Tunneling Pseudo-Interface:
接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
IPv6 アドレス . . . . . . . . . . . .: 2001:0:****.****:****:****:****:****
リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::2031:3897:95b6:f03f%7
デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: ::
12:07:50 C:\WORK>
|
Linux:
[********@###### ~]$ ifconfig
em1 Link encap:Ethernet HWaddr 00:E0:00:F3:67:B3
inet addr:192.168.0.10 Bcast:192.168.0.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: 240b:11::****.****:****:****:****/64 Scope:Global
inet6 addr: fe80::2e0:ff:fef3:67b3/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:140477 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:56923 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:125060330 (119.2 MiB) TX bytes:6037531 (5.7 MiB)
Interrupt:11 Base address:0x4000>br>
|
で、このページをネタにこれからNIFTYとかDocomoに電話してみようっと。
同日追記:
そういえば先週HUBを新しくしたのだった。
長年使ってきたBaffaloのハブに特に不満があるわけでもなかったのだが、不安要素は取り除いてみようということで前から欲しかったギガビットの通るハブに換えてみたのだ。
実際にギガビットの通信が必要というわけではないのだが、ギガビットをも通してしまうという余力に期待したわけだ。
去年のある時期にPC同志をHUBでつないでファイル転送したら通信速度80Mbpsぴったりで転送しきったのを見て、ああこれが100Mbpsの限界なのか、と思ったのも「いつかはギガビット」という動機にはなっていた。
Baffaloの8ポートHUBは新しいハブの下位に接続して比較的低速な機器をつなぐのに使っている。
一方こちらが新しいハブで、写真では見えにくいが水色のケーブル2本がギガビットでリンクしてLEDが緑で発光している。100Mリンクはオレンジだ。

という構成変更を踏まえて、ギガビットハブを通してNTTルータとつながっているWin7のPCで速度測てしてみると、なんと93Mbpsという値をたたき出した。
ではLinuxのほうで14Mしかでていないのはどういうわけかというと、それはLinux機の非力さが原因じゃないだろうか。CPUは確か1.6GHzくらいだったと思うが、なにしろメモリが768Mで、やっとFedora14がインストールできたという代物なので、現役Win7機に太刀打ちできないのかも、という気はする。でも便利だから使っているのだ。
そううわけで、NTTとかNIFTYには電話していない。NIFTYは昨日電話して「質問をメールで送る」ということを言ってもらっている。週明けくらいには着くのだろう。
ということなので、次の段階としてNIFTYからのメールを待たずにIPv6対応な無線ルータ(いや、実はブリッジとして使うんだけど)を入手することを考える。でもIPv6対応とちゃんと謳っているものって案外ないのだなぁ。
1月28日追記:
その後も15分おきの速度測定を続けていて、過去一週間でこういう結果になっている。ただし、このLinux機は非力な上に通信時間とHDDへの保存時間が算入されているので、測定速度が低めに出ている可能性はある。

グラフ作成の生データも置いておこう。
「netspeed201701281800.zip」をダウンロード
しかしどうもウチのネットワーク機器、特に無線LANブリッジのIPv6ブリッジ機能がちゃんと働いていないのが問題のような気がしてきている。昔そのブリッジを設定したときにIPv6をブロックしたんじゃなかったっけ? ブリッジなので簡単にLOGINできなくて確認できないのだが、今日明日あたりで機会を見て調べてみようと思う。
でも、宅内のネットワーク機器がIPv6対応前提にするなんて言うのはNTTの勝手というか横暴だと思うんだけどなぁ。
1月29日追記:
無線LANブリッジの設定を変えるのはめんどくさい。なにしろルータじゃなくてブリッジなのでそれ自身はIPアドレスを持っていないから、設定変更のためにPCを接続することができないのだ。
じゃぁどうするかというと、無線ブリッジをリセットして工場出荷状態にし、そこからまた設定して最後に「ルータ機能を殺して」ブリッジにするのだ。そのときに「IPv6ブリッジ機能を有効」にしないと、今回の私のようなトラブルに巻き込まれる。
リセットした無線ルータにPCを接続するにはまたちょっとめんどくさい操作が必要だが、これはこちら(これはブリッジ化手順なのだが)を見てもらうとして、たどり着いた設定画面がこれだ。
あれれ?「IPv6ブリッジ機能」がないぞ? 「IPv6ブリッジ機能」は幻だったんだろうか?見たような気がしたのは気のせいだったか?だいたい、IPv6ブリッジ機能って何だろう? まぁハブじゃなくて ブリッジなんだからやっぱりパケットの中をいじるのはわかるんだが、具体的に何やってるんだろう? 15年位以上前にIPv6の分厚い本を買ったんだが、あれはどこへ行ったんだ?
設定メニューを探し回ると下記のように「詳細設定/その他各種設定/パススルー」という深いところに(しかもメニュー列の一番下だ)発見した。リセット直後には「無効」になっていたから、世の中の無線ルータは(少なくともCoregaは)IPv6デフォルトで無効なんだろう。
そういう状況で、ドコモ光とかFletsとか、とにかくNTT系の光ネットはIPv6が通らない宅内ネットではトラブルが起こるようになっている。これってやっぱり乱暴な仕様なんじゃないのか?
だから、Hi-HOに相談した時に「NTTルータのIPv6機能を殺してください。理由はわかりませんがそれによって接続速度が改善される場合があります。」と言っていたのはある意味正しかったことになる。
さて、その結果はどうだったか。

やっと16Mbpsだ(時刻に注意)。まぁやっとauのころに戻れたというところだ。この時点でNTTルータに有線接続されているPCでは80Mbps以上出ているので、まぁ無線ブリッジが非力だということになるのかなぁ。もう10年以上使っているからなぁ。買い替え時かな。
ではスマホではどうかというとこんなところで、12Mか。まぁやっぱり無線ブリッジかな。
スマホでこういう通信速度を測ったのは初めてなので、今後もちょこちょこ測っていこうと思う。
宅内のネットワークがIPv6で再構築されたらしく、スマホやタブレットなどが自動で接続されなくなってしまった。IPv6でなにかネゴしてるのかな? 一番困ったのが無線で接続しているTVとHDDレコーダ。なぜか接続できなくなって困っている。無線中継器を再起動してもダメだ。TVはまだそんなにこまらないのだが、HDDレコーダは出先からでも録画予約ができる機能があって、これが非常に便利なのでかなり依存している。これが使えないととすごく困る。
さらに、まだよくわからないのがNIFTYのIPv6テストだ。有線で接続しているPCからNIFTYのIPv6サイトに接続すると、完璧にIPv6対応できているという結果になるのだが、無線で接続しているPCからだとこんな結果になる(たぶんNIFTYをISPに使っている人専用)。
まず、だいたいこのサイトにIPv4でつながっているし、大きな字で「機器がIPv6対応していません」と屈辱的な宣言。昨夜深夜までの作業はなんだったんだ?
さらに試験は軒並みNGで、じゃぁ無線ブリッジのIPv6ブリッジ機能はどうだったの? 無線LAN機器を接続しなおしたのはなんだったの? HDDレコードはなぜつながらない?
などなど、悩みの種は尽きないのであった。
分かった。日曜日をほぼ潰していろいろやっていたら、ほぼ引退していたノートPC「mini9」が同じ無線LAN環境でしっかりIPv6通信していることを発見。なるほど、こいつか。

これを有効にしてv6テストを行うと、こうだ。
IPv6テストの結果はいいのだが、接続速度ははかえって遅くなってしまった。4Mbpsくらいしか出ない。ネットが混んでいるのかと思ってLinuxから速度測定してみたが、特に遅くなっている様子はない。
IPv6をまた外してみようかな。
IPv6を外しても特にはやくはならない、なんだろう?
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